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ウマ娘のイメソンを発表する会

今年に入り、ウマ娘にハマりました。
もともと原作要素を自分なりに膨らませ、妄想することが日課である私ですが、ウマ娘もその例外ではありません。

ということで、以下に私の個人的イメソン、すなわち妄想を列挙していきます。どうかお付き合いください。

【YouTubeプレイリスト】

ネタバレへの配慮は一切ありません。

1番
アグネスタキオン(&マンハッタンカフェ)
→「少女A」椎名もた

ボーカロイド好きな方はご存じでしょう。故・椎名もたの代表曲の1つです。
タキオンの曲として挙げましたが、タキオン自身カフェと切っても切れない関係性ゆえ、必然的に2人の要素を含む曲を選びがちな私です。

まずは、タキオンの名前の頭文字がAであるということが1つ。しかしそれだけではなく、歌詞的にもタキオン及びカフェの要素を感じさせる要素が多くあるように感じます。
歌詞の一致点として挙げたい箇所は、まず以下の通り。

朽ちるまでの愛憎を 朽ちるまでの愛憎を
飲み込む君 簡単に

タキオンとカフェは、お互いがお互いのことを1つの到達地点(あるいはそこに近い者)として認識している節がありますが、その感情の構造は簡単ではありません。
有馬記念において、"あの子"≒お友だちの姿がタキオンに重なったという認識を示したカフェですが、彼女はそのことを「本当に信じられないことですが」と表現しています。


対してタキオンは、プランBにおいてカフェの体躯をもって自身の計画を進めていたわけですが、結局自分自身の身体でその目的が果たせないことに納得がいかず、突然感情を発露しだすシーンは有名です。

相手を認めつつも、初めはなかなかその感情に整理を付けられていなかった2人。そして、さほど間を置かずにお互いの感情を受け入れ、各々の目指す道へ前進を始めるその姿は、まさに「朽ちるまでの愛憎を 飲み込む君 簡単に」なのではないでしょうか。

このあとの歌詞には、

捨ててきた夢をあつめて
ちょっと ちょっと 間違えたから

ああ 「時に 時に 躓いたって、」

とあります。やや時系列は崩れますが、捨ててきた夢=「"自分の身体で"可能性のその先を目指す」ことであると紐づければ、「ちょっと 間違えたから」と「時に 躓いたって」はプランBでの発狂→レースへの帰還の流れと一致するというのが私の考えです。

この歌詞のあとは、曲のサビへと展開します。

寒い寒い寒い寒い寒い
寒い寒い寒い寒い寒い
寒い寒い寒い寒い 言い寄らないで
ああ 君の君の君の声が
遠い遠い遠い遠い遠い
遠い遠い遠い遠い遠い
遠い遠い遠い遠い 傷つけないで

何番目でも 何番目でも
僕が僕であるために?

この箇所、特に「君の声が 遠い」をどう彼女に投影するかは、なんとも言語化がしづらいところがあります。
1つの投影の方向としては、目標に近づくカフェを見て、徐々にネガティブな感情を意識外に蓄積させていたタキオン。ケガを憂慮しレースの道から外れた自分と、可能性の先へとどんどん近づいていくカフェとの間に生じた距離はまさに「遠い」。
もう1つは、あの子≒タキオンの背に届かなかったカフェ。
次に来る「何番目でも 僕が僕であるために?」も、2人共通の感情と考えることができましょう。

2番の頭には、

契り集め持ってきた 契り集め持ってきた
あの日の間違いを 飲み込むのが苦るしくて
(中略)
「子供だましの花ふたつ、」
きっと きっと 諦めたから?

とあります。ここの「あの日の間違い」、「飲み込むのが苦るしくて」、「きっと 諦めたから?」は、プランBにおけるタキオンとしてみる方向でよいでしょう。
「子供だましの花ふたつ」はタキオンとカフェの2人と考えることもできましょうが、「子供だまし」とのつじつま合わせがうまく思いつかないため微妙。

この後は曲の最後に向けて歌詞が続きます。

ああ 遠い夢を追いかけてさ
早い早い早い早い早い
早い早い早い早い早い
早い早い早い早い 追いつけないよ
捨てきれず残した思いが
憎い憎い憎い憎い憎い
憎い憎い憎い憎い憎い
憎い憎い憎い憎い 許されないの? 
ああ 夢を夢を見てたはずが
怖い怖い怖い怖い怖い
怖い怖い怖い怖い怖い
怖い怖い怖い怖い 近づかないで
(中略)
何番目でも 何番目でも
僕が僕であるために…

ここ、基本ずっとタキオンではないですか?

「遠い夢を追いかけてさ 早い… 追いつけないよ」は、タキオン視点、カフェ視点双方から成り立ちますし、
「捨てきれず残した思いが 憎い… 許されないの?」とか、
「ああ 夢を夢を見てたはずが 怖い… 近づかないで」とか、まさにタキオンから見たカフェのことでは。

何番目でも 何番目でも
僕が僕であるために…


ここまで書いておいてまだ1曲目です。以降はもう少し軽めに書き進めますのでご安心ください。

2番
アグネスタキオン&マンハッタンカフェ
→「壊れてしまったの。」アメリカ民謡研究会

またタキオン&カフェかとお思いでしょう。何を隠そう、私の最推しはこの2人だからです(同着)。また、連続でボーカロイド曲を選んだことも私の趣味ゆえですが、後半ではロックバンドから曲を選んでおり、これもまた私の趣味からきています。

この方は、VOCALOIDにてポエトリーリーディングを展開している珍しいスタイルのアーティスト様なのですが、どの曲も詞がおおむねシリアスかつ哲学的で、なにより美しい点が特徴です。
この曲の歌い出しは下記の通り。

「緑の芝生には小さな椅子を置いて、
あの綺麗な風だけに吹かれていたいと願う。」

美しい。このフレーズにタキ&カフェ要素はないですが、あえて挙げるならば2人とも芝適性持ちなので、そこに繋がりは見いだせるかもしれません。

この後には、

壊れてしまった友人は、違う言葉を話すようになる。
暗号のようなその譫言が、私には楽園への合言葉に感じられて、
それがとても恨めしく、
潰してやりたいとさえ思うのだ。

と続きます。やや強引ですが、「違う言葉を話す」「壊れてしまった友人」には、「お友だち」を投影できると考えました。
そうなると、「それがとても恨めしく、潰してやりたいとさえ思うのだ。」と思っているのは、視点的にタキオンとなります。
タキオンはお友だちに対して終始肯定的であるため事実と反しますが、もしカフェが「お友だちの言葉が楽園への合言葉に感じられる」などと言った場合、タキオンが危機感を覚える程度のことはあるのではないでしょうか。

この後は以下のように続きます。

優しいばかりの世界に憧れて、
すっかり目を燃やしてしまった貴方は。
それでも泣き止まないで、
遂にここには美しさなど無いと知る。

それは。
暖かい五月の朝だった。

貴方は心の奥から言葉を手に入れていた。
それは誰にも通じない秘密の暗号で、
貴方だけの内緒の世界でした。
私は今更大声で名前を叫んだのだが、
その眼はもう何も覚えていない。

このあたりになると概念的な要素が強くなってきますが、お友だちに執心するカフェと、現実界もとい自分の所に引き戻そうとするタキオンの姿が浮かんできませんか?
私には見えます。幻視と言えるかもしれない。

3番
アグネスタキオン&マンハッタンカフェ
→「愛及屋烏」須田景凪/バルーン

またかとお思いでしょうが、これで2人の個人的イメソンの開示は最後になります。
愛及屋烏の意味からしてわかる通り、カップリング要素強めです。
この曲、「素直になれない2人があれこれ掛け合いをしていく過程で紆余曲折ありつつもお互いに寄り添っていく」ことで歌詞が進むのですが、

それってタキカフェ/カフェタキじゃないですか?

歌詞は引用しません。私にはすべての箇所がタキカフェ/カフェタキに見えてきてしまっているので。

4番
ウオッカ
→「ガソリンの揺れかた」Blankey Jet City

急に曲のジャンルが変わりましたが、今度はタキ&カフェから離れてウオッカの個人的イメソンです。
BLANKEY JET CITY(1987~2000年)は、いわゆる「おじさん世代」のロック好きの中で知らない人はいない傑物ロックバンド。THEE MICHELLE GUN ELEPHANT、NUMBER GIRLとよく並べられている印象です。

ウオッカ要素はというと、まず1つは歌詞にバイクが登場すること。
そしてもう1つは、例のJRAのCMにおいて、ウオッカのCMに楽曲提供している方が、このバンドのギターボーカル兼作詞・作曲担当、浅井健一なのです。

現在も個人名義で活動を続ける浅井健一ことベンジー(愛称)ですが、そもそも彼自身が業界でバイク好きとしても有名な方。そんな彼の曲にも、バイクを扱ったものがいくつか存在するようです。
「ガソリンの揺れかた」は、Blankey Jet Cityの代表曲の1つであり、特別に取り上げる価値のある曲であるといえましょう。バイクはガソリンで動くし。

なお、歌詞におけるウオッカ及びバイク要素はというと、

淋しさだとか 優しさだとか 温もりだとか言うけれど
切なさだとか はかなさだとか 運命だとか言うけれど
そんな言葉に興味はないぜ ただ鉄の塊に
またがって揺らしてるだけ 自分の命 揺らしてるだけ

ウオッカがこういったことを言うかは別として、彼女ってこういうスタンスが好きそうではありませんか?
BLANKEY JET CITYもとい浅井健一自体が、ファンの間では「かっこよさ」の象徴として扱われていることを考えると、同じく「かっこよさ」を追い求める彼女にも、共感する部分があるのではないかと思わずにはいられません。

5番
エアグルーヴ
→「ハートに火をつけて」9mm Parabellum Bullet

言わずと知れた9㎜の代表曲の1つ。
エアグルーヴ要素はというと、詳しい方はお判りでしょうが「名馬の肖像」からの引用、これです。

「名馬の肖像」とは、JRAが公式サイトに公開している競走馬のPRページ。同じくJRA製作の宣伝ポスター郡である「ヒーロー列伝」のwebサイト版といえましょうか。エアグルーヴが掲載されたのは2018年のことです。

ヒーロー列伝同様、各競走馬に合わせたキャッチフレーズが特徴で、その彼女のフレーズこそまさに「ハートに火をつけて」。

曲名ありきのセレクトですが、歌詞も情熱的であり、親和性は高いと思います。

6番
オベイユアマスター
→「Master Of Puppets」Metallica

趣向を変え、シンデレラグレイ登場ウマ娘からの出走です。「オベイユアマスターって誰?」という方はネタバレ注意。単行本最新刊をお読みください。
洋楽については無知なのですが、選出の理由は単純で、歌詞で"Obey your master"と連呼されているから。
ヘビーメタルバンド界において絶対的な地位と人気を誇るアーティストらしく、歌詞は少々血の気が多い様子。ただ、シングレ自体しのぎを削るハードな展開が多いので、作品の雰囲気には合っていますね。

あえてオベイ要素を拾うとするならば、

I'm your source of self-destruction
Veins that pump with fear, sucking darkest clear
Leading on your death's construction
(私はあなたの自己破壊の源
恐怖に汲々とする静脈は、最も暗い透明なものを吸い込む。
あなたを死に導く)
Come crawling faster
Obey your master
Your life burns faster
Obey your...
(もっと早く這い上がってこい
主に従え
あなたの人生は、より速く燃え上がる
従うんだ…)
Master of Puppets, I'm pulling your strings
Twisting your mind and smashing your dreams
Blinded by me, you can't see a thing
Just call my name 'cause I'll hear you scream
(操り人形のマスター、私はあなたの糸を引いている
あなたの心をねじり、あなたの夢を打ち砕く
私に目がくらみ、何も見えなくなってしまう
私の名前を呼べ あなたの悲鳴が聞こえるから)

※訳は翻訳サイト(DeepL)より。
「最も暗い透明なもの」をゾーンとみれば、その亀裂のすき間から星をたたえた眼をのぞかせる様はまさに「私はあなたの自己破壊の源」。

このあたりはタマモクロスとのせめぎ合いにみえなくもない。

7番
ウマ娘 シンデレラグレイ→「イカロス」w.o.d.

再び趣向を変え、別枠として作品全体のイメソンとして、この曲を挙げます。
アーティストは、近年のグランジ系バンドの一角を担うw.o.d.。実はベンジー同様、過去にJRAのCMへ楽曲提供をしています。

「夢のVS. weekend memories.」と呼ばれる、一連のCMシリーズの1つがこの映像。なおサイトのURLは死んでおり、Youtubeの動画も視聴不可状態の模様。

完全に曲の雰囲気とアーティスト繋がりでのセレクトですが、

響くピストル もう時間だ 狂気を孕む革命の合図
疼く心臓 どうかいっそ 壊れることを期待してる
You can’t drag me down.
どけ 邪魔しないで
You can’t drag me down.
まだまだ足りない
響くピストル もうリタイア? 奉仕を孕む極限のゲーム
脈が打って 首を這って 酸素などとうに忘れて
テキトーなヤツばっかのさばって 本当にどうしようもない
制限速度無視のスピードで 行け ホラ 果てるまで
イキがったコトばっかのたまって クソほどしょうもない
本能だけが知ったグルーヴで トべ 翔べ 羽融けるまで

というように、レースでのせめぎ合いを想起できそうなフレーズは多く、結構要素を拾えているのではないでしょうか。

8番
キングヘイロー→「夢見がちな少女、舞い上がる、空へ」tricot

戻ってウマ娘へのイメソン。
まずタイトルからして、自分を大きく見せることで自身を律し、レースに身を投じる彼女にふさわしい。
題から受ける印象そのままに、歌詞もなかなかに鋭角的です。

幼い頃は胸いっぱいに夢を見なさいと言っていた大人達が
年を取るにつれて現実を見なさいと煩く繰り返した

これキングとキングの母じゃん。

自分が歩んだものと同じ、レースの道へと突き進む娘のキングヘイロー。同じ道を辿る必要などなく、娘には娘自身の人生を送ってほしいと望むキング母は、そんなキングをレースの世界から引き離そうとする。
毎レースごとに娘へと、才能がないだの恥を見せる前に帰ってこいだの、電話越しに説教を始める。こんな物言いでは、キングが母の想いなど汲めるはずがない(この親子、そろいもそろって不器用もいいとこである)。
案の定母の言葉に強く反発し続けるキング。その様はまさしく「現実を見なさいと煩く繰り返した」という歌詞そのものでしょう。

この曲のすごいのは、冒頭のフレーズであるこれ以降も、ずっとキングヘイロー的な歌詞が続くところ。

誰がわざわざあんたらと同じ道を辿るもんか
なんにもわかっちゃいない

母と同じ路線でレースを制覇せんとしていたキングだったが、途中で路線変更。その母ですら成しえなかったレースに挑むことを決意し、実の母を驚かせる。
その物語に「誰がわざわざあんたらと同じ道を辿るもんか」はドンピシャもいいところですし、「なんにもわかっちゃいない」も母の意志に反駁するキングの姿がありありと浮かぶようです。

舞い上がる、夢見がちな少女、空へ

その手足はただぶら下がっているだけのモノじゃない
どんな醜い姿でも良い 自分の意思でちゃんと歩け


自分の道を自分で決められないような奴が見る夢はもうどこにもない
幼い頃は胸いっぱいに夢を見なさいと言っていた大人達が
年を取るにつれて現実を見なさいと煩く繰り返した

自分の頭の中の常識しか信じられないようなヤツらに踊らされんな

好きに踊れ。

いやキングすぎるだろ…。

「自分の頭の中の常識しか信じられないようなヤツらに踊らされんな」なんて、キング母はもちろん彼女をゴシップ的興味で追いかける記者たち(もっともキング自身がそうするよう仕向けている節はあるが)、そしてキングを観る観客たちすらも表現したいちフレーズにしか見えなくなってきた。

最後に

ウマ娘の偏りは激しい一方、曲のジャンルの振れ幅はそれなりに大きいというバランスの悪い選曲になってしまいましたが、良しとしてください。
皆様の個人的イメソンがありましたら、教えてくださるとうれしいです。

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