
第31回Unity1週間ゲームジャムお題「ない」投稿作品プレイ感想
お題がない!
いつもどおり、100作品ちょい遊んだので感想を書きます。前回はこれ↓
今回も堂々とネタバレ含むし、作者名敬称略です。内容も忌憚のない感想を書いてます。(気に入ったヤツのみ取り上げてるので、ネガティブなことあんまり書いてないと思いますが)
1RoomActionNeko (わんるーむあくしょんねこ) - chagamatt
あ~好き。敵を踏んづけるだけのゲームなんだけど、それだけでも楽しい。踏みつけってやっぱ気持ちいい~。壁に触れてもコンボ継続&敵を踏んづけたら二段ジャンプ権利復活するシステムだと楽しそう。今度作ろうかな。
DENPA Tower - おるむあるでひど
プレイヤーと敵で行動キーが共通なターン制バトル。面白い!可能性を感じる。自分だけが得する入力を探すのが楽しい。後半は「そんなとこまでいくの?!」っていうぐらいコマンド入力が伸びたので笑っちゃった。ブロックがターン経過でも消滅しないのにしばらくしてから気付いた。あいかわらず『Slay the Spire』に脳を侵されすぎている。
FINGLE - ブロッコリン, 3H3
よく分からんけど技術力スゴそ~シリーズ。視覚的に床がつながる角度をカメラをぐりぐり動かしてアナログ的に探ってから、デジタル的に角度固定させる方法で実現してるのがスマートな気がした。なお、アホすぎてクリアできてません。
flower note - かるた
以前少し似たようなゲームを作ったことがあったので、シンパシーを感じた。比べるモノでもないんだけど、こっちのほうがはるかに面白い!花を咲かせるっていうのがオシャレでいいなぁ。音が素敵。
GO!GO! Morning Rush - ねぎ, bone
時間以内にゴールするレースアクションと見せかけて、脱出ゲームなどにおける探索パートのようでもある。学校に遅刻しないように急ぐというフレーバーによってプレイヤーを急がせることで、探索体験を引き締めている。横スクロール的構成なのもいいね。探索範囲や意識の向けかたがかなりコントロールされてスッキリしている気がする。今作は探索系のゲーム体験っぽさがありつつ、最終的にはタイムアタックも内包している。この構造ってかなり新しい気がする。unityroom は手軽にランキング機能がつけられるからか、スコアアタックやタイムアタックが搭載されがちだ。単純な移動と会話、調べるコマンドによって情報やアイテムを集めていくゲームプレイにタイムアタックがくっつくのは、unityroom、unity1week だからこそ生まれたゲームのように思える。unityroom & unity1week ゲームデザインのある種の到達点だ。
「いっけな~い!遅刻遅刻~!」でパン咥えてるんじゃなくてサンドイッチ作ってるのおもろいな。パーフェクトサンドイッチを作ると時間が1分巻き戻るッ!なんでだよと言いたいところだが、パーフェクトサンドイッチだしな……時間くらい巻き戻るか……
ねぎがたくさん載せられるし、右向き左向き交互に載っていくの好き。
NA:I - Yohei Yanase
unity1week でたまに発生する「プロが来た」シリーズ。もう、さすがの仕上がり。G派?K派?とちょっと詰まりかけたが、変に惑わされただけでめっちゃ単純だった。共通する特徴に関しては「いや、K派ですやん」とは思った。ここだけ唯一突っ込めるところ。ただ、舞台設定も含めると納得感ある。探偵っぽさのある音楽や数字がしゃべっているような効果音、サウンドディレクションが抜群に上手い!オープニング演出もオシャレ。
質素なグラフィックだけど、ちゃんと世界観を感じるのがスゴいよな~~。数字それぞれにキャラを感じる。3は寡黙な武人タイプ。8は妾が一人称の妖狐お姉さん。6は裏切り者が出たというかつてない事態に不安と緊張を隠しきれない元気っ娘ですね間違いない。はい。幻覚がたくさん見えています。
とにかく、ゲーム全体に血が通ってる。解説のオチも鮮やかで、テキストが出る前に頭の中で考えた言葉がそのまま表示されて嬉しくなっちゃったよ。初見クリアをめっちゃ褒めてくれるの超嬉しい!最高!
SOUL's ON FIRE〜灯りのない迷路脱出〜 - Jon D. Time
灯りを灯していくゲーム、大好き。能力強化によるゲームプレイの加速、ヒント機能、リトライの親切さ、あらゆる点で高品質。最後の脱出シーンでわざと落ちても直前に戻してくれるのを見て脱帽しました。最後まで行き届いた親切さ。
There is no head. - 瓜頭(かず) 🍈, Shibo
素敵なテーマ!頭とは世界を観測する装置であり、記憶媒体でもあるわけだ。ご夫婦でこのストーリーのゲーム作ってるのいいよな~~。今後もずっと一緒にゲーム作っててほしい。第2エンド到達のヒントのさりげなさが個人的にフィットした。
UNTITLED - いす
めげずにゲーム作ろうって思えるゲームでした。最近気付いたんだけど、僕はゲーム制作がテーマのストーリーに弱いのかもしれない。あと何気に──というわけでもないけど、キーワードからオブジェクトが出てくるシステムもいいね。連想してる感じがよく出てる。三つ以上出てこないのも記憶や思考を表現してるように思えた。
エコー - hkosuda
よく分からんけど技術力スゴそ~シリーズ。本番ステージは付いていくので精一杯でした。GLaDOSで脳内再生されたよね。
腕のない少女の部屋 - もちゃもち
プラスドライバー装着シーンで「また一人逸材がunity1weekに現れたか……」と思った。腕のない少女が出てくる時点で「なにかやってきそうだな……?」とは思っていたが、ここまでやりますか。遊び自体は簡素な脱出ゲームながら、ストーリーは突き抜けたよさがある。不気味さと可笑しさを絶妙に保ちながら駆け抜けて行く。前フリがしっかりと効いたダークなオチには心地よさすら覚えた。まるで少女が見せた立ち回りのように、鮮やか!
投稿者のもちゃもちさんはこれが初投稿のようだが(ツイッターアカウントも出来立てっぽい)、これはチーム制作なのかそれとも個人制作なのか……いずれにせよ今後も要チェックやね。
お稲荷様の赤目石 - ぺんぎー
よく分からんけど技術力スゴそ~シリーズ。難しくて長くてクリアできなかったけど、シンプルでパワーのあるネタ。耳がぞわってなった。導入が丁寧!神様わりと容赦ねえ!!そしておじいちゃん、一緒についてきてくれよ~!!!
囲んでゲット! - うてん
気持ちよすぎ。ガッポリ感が最高。爆弾のウザさも最高。
記憶喪失脱出ゲーム - Daiki
脱出ゲームにクリッカーとガチャを足す。新しいね!脱出ゲームになにかを足すのは楽しそうだ。
ゲット・バック - ハテノワークス
こういう話に弱い……
サンタには当たり判定がない - 鯖男
ジャンプキー入力中はプレイヤーの当たり判定が消える。このシンプルなルールで独特なプレイフィールを生み出していてよい。ギミックがダメージゾーンのみだが、満足感がある。地形の配置が非常に丁寧に作られているからだ。ワンアイディアを過不足なく楽しめる構成が素晴らしい。
三目並べない - えむおぎ
小粒さと素朴さが好き。たぶん突き詰めれば先行確定勝利ゲームなんだと思うけど(ホントか?テキトーに言ってます)、CPU戦のみなので、それでよい。これがちょうどよいパズルゲームになってる。CPU思考時間ゼロ秒でサクサク打てるのもいいね。立ち回りの Tips が用意してあるの丁寧だな~~!ネコの絵を添えて「このキャラたちが打ってますよ~」としているのも素敵な心遣い。
スティムレス - 池田明平
これは面白い!文句なしに新しくて面白い!現時点で面白いけど、さらに発展させられるんじゃないかと思わせられるワクワクがある。最終的にオートバトルになるわけだけど、スピーディーなカメラワークによって最低限の処理の追跡と演出の心地よさ、ダれないテンポを実現しているのも素晴らしい。「一週間でこんなに派手で豪華なゲームを?!」みたいな方向性ではなく、必要なモノだけを配置したような佇まい。それでいて、内側から滲み出る可能性を感じずにはいられない。ものスゴく美しく切り出された骨を見せられた気分。見事だ。フレーバーもいいね。刺激と反応、忘却、マウスといった表現から、実験用マウスがモチーフ?プレイヤーも実験用マウスだった?なにか実験をさせられているのかも?といった妄想がはかどった。
茶を飲むと落ち着く - 三草
三草さんってやっぱ天才だわ。笑わせてもらいました。
道具袋にスキマがない! - Kasatana@Unity練習中
わー面白い!楽しい!3マッチパズル消したらステータス上がるオートバトルってこんなに楽しいんだ。シンプルなパズル解いたらステータス上がるゲーム、もっといろいろ作れそう。でも、もう既にあるのかな。UI周りの作り込みは実績と信頼のKasatana先生。さすがだなぁ。ちなみに文字を読まないバカなので、最初しばらく【狭い枠の中にパネルを上手に詰め込むゲーム】だと思っていて「あれ?敵強すぎないか?」とか言ってました。バカすぎる。
ドーナツの穴 - かこのにこみ, 宮村あつき
ボイスがめっちゃ自然で最近の読み上げソフトすげ~~ってなった。が、ふつーに声優さんだった。ごめんなさい。穏やかな語り口なのに不穏な気配が拭えない感じの演技が素晴らしいですね。答えのない質問をしてくるだけのゲームなんだけど、こういう変なゲームは楽しい。配信向けにサムネ画像とか用意してるのすげえ。unity1week もこういうことする時代になってきたのか……
ないりんさー - ほっぽこ
ないりんさー!おもしろ物理アクションゲームの名手ほっぽこさんの新作だ!引っかかって動きにくくなったり、回転方向間違えてドツボにハマる。もどかしさは過去イチかも。ニッチだけど共感できるアクション、動かしていて楽しい手触り、心地よい挑戦を提供するステージ配置、あいかわらず素晴らしいね。
ボールから逃げる - 達達達
まず第一印象として、めちゃくちゃ難しい。死角から敵が突っ込んでくるのであっさりやられる。L OSE L OSE L OSEである。が、ふとした拍子にあることに気付く。
「あれ……?敵同士が近づくと、反発し合ってる……?」
そう。細かい仕様は分からないが、どうやら敵同士でぶつかりあっているようなのだ。そしてそのぶつかり合う距離は、プレイヤーを挟んでおこなわれる距離でもあった。つまり、敵をギリギリまで引きつけて挟み撃ちにしてもらい、敵同士が反発し合う中間点をキープし続けることで、クリアを目指す攻略法がある。気付き。ひらめき。勝てるぞ。しかし、ここで第二の仕掛けが発動する。これまた細かい仕様は一切不明だが、残り時間が2分や20秒といった特定のタイミングで、敵の配置がリセットされるようなのだ。したがって、細心の注意を払って敵を引きつける最初の動きを何度かこなす必要が出てくる。緊張の一瞬が定期的におとずれる。練られたレベルデザインじゃあねえか。そうして3分間の激闘を耐え忍んだ末にあらわれる WIN の文字。

ガッツポーズである。今回のunity1weekで最も血湧く瞬間であった。
この一連の流れ、作者は想定していないかもしれない。だが、こうしたカオスの中に見いだされるきらめき、これこそがゲームジャム作品を遊ぶ醍醐味の一つだ。もう unity1week に脳を灼かれているので、こういう作品に興奮しちまうんだよな~。
まだ地図のないダンジョン - くだてん
今回一番ハマったゲーム。めちゃくちゃ楽しい。このゲームを遊んで確信したが、僕はどうやらマッピングが大好きらしいです。マッピングをメインに据えたゲームやりてえな……生成アルゴリズムを見切ってからはマッピング&帰還しやすいダンジョンが生成されるかどうかが大事な印象だが、それでも無限に遊べてしまう。宝箱は3個確定かな?罠は7個……?
両替パズル - リュウマ@こてひな
最初は結構シビアかなと思ったけど、1円玉の処理に気を遣っていればずっと遊べそうな気がした。ほどよく考えることがあって、溜めと発散が気持ちいいので、無限に遊べちゃう。盤面をコンパクトにまとめた点が素晴らしい。全貌が一目で把握できて、集中しやすい。ボイスも最初はうるさいなと思ったけど、どんどんクセになる……ゲーム的にメリットはない──むしろデメリットあるんだけど、1円玉を10円玉に替えたり、10円玉を100円玉に替えたりするとなんか上手いことやった気になれて気持ちいいのも好き。
ゆきあるき - nito
わぁ素敵!移動の仕組みやカメラの使いかたが新鮮で興味深い。ちょっとしたタスクとささやかな区切りが用意してあるのがいいですね。年取ってくると悲しいことに「雪か……やだなぁ……」とか思ったりしちゃうんだけど、このゲームで初めて雪遊びしたときの気持ちを少し思い出せた。
ライフルクリニック - うつせぎ, ハル, 野生の石油王
内科×スナイパー。狙撃療法。パワーワード連発ッ!ぶっとんだ世界観だけど、ちゃんと診察して薬を処方するという現実に即した流れになっているのが面白い。即してるか?フルチャージで撃ったときの爆音が気持ちいい。照準のブレがほどよい歯応えを生んでる。ゲームはきっちりムズい。5連続ボーナスはかなりシビアだし、上級コースはクリアもひと苦労だった。医者の先生もだいぶお辛そうですね。
おわり
以上!この記事を書かないと unity1week 終わった気がしない。今回も楽しかったな。前回よりお気に入りが多かったかも。
unity1week 参加者のみなさんお疲れさまでした。今年は年末開催でしたが、変わらず盛況でしたね。すげえや。
主催のないちさんに感謝。unityroom 開発メンバーのねぎさんにも感謝。GO!GO! Morning Rush 面白かったです。また次回の unity1week でお会いできるといいですね。
おわり
#unityroom