急にトレカを始める
実家で自分の部屋を整理していたら、でかい箱が出てきた。開けてみると、中には大量のポケモンカードが入っていた。自分が小学生時代に集めていたものだった。
2023年現在でも、ポケモンカードが人気っていう噂は耳に入ってくる。自分が集めていたものは、「旧裏」といわれている古いバージョンのカードで、現在流行っているものとは仕様が違う。当時、兄と協力して集めていて、第1弾~第4弾のロケット団までは全カードコンプリートしてた。金銀キャラが追加され始めたあたりから、きりが無さすぎると思ったのか、ポケモンに飽きてしまったのか、そこでやめてしまった。
何年か前に、まんだらけに行った時、ポケモンカード初版リザードンが10万円くらいで売られているのを見た。初版リザードンは「かいりきリザードン」と呼ばれて、超プレミア価格になっている。本来「かえんポケモン」と表記されるはずが「かいりきポケモン」と誤植されているのがプレミアの要因となっている。これが、当時10万円ほどで売られていたのは奇跡みたいな話で、2023年現在では、状態が悪くても数十万、状態が良い物は100万円以上の値がついている。
自分が集めていた旧裏コレクションを見てみると、「かいりきリザードン」は無かったものの「かえんリザードン」は2枚持っていた。「かえんリザードン」でも、今では数万円程度の価値が付いている。それが、箱の中に、適当に裸で20年以上放り込まれていた。というか、箱の中に放り込んでいたのがむしろ良かったのか、ずっと触らずに眠っていたので状態はかなりよかった。
ちゃんと見てみると、ファンクラブ会員限定とか、キャンペーンでしか手に入らなかったようなカードまで持っていた。すべて自分が小学生の頃に自ら手に入れたもので、シングル購入したものは1枚も無い。当時の自分は、ポケモンカードに全財産を使っていたのかと思う。そんな当時の自分の熱い思いに敬意を表し、これらをちゃんとしたカードローダと、しっかりした保管用ケースに入れて整理してみた。見違えるようにラグジュアリ感が出た!!!!!
カード資産管理アプリで計算してみたところ、合計金額110万円ほどになった。傷もついていたりするので、さすがにそこまでの値段とは信じていないけど、0を1つ取ったくらいの値にはなるんじゃないかと思う。
カード1枚で、数万円、数十万円になるのは夢がある。売ろうとは思っていないんだけど、楽しいとは思う。今からでも激レアなトレカを手に入れれば、いつか何倍もの値段になる可能性がある?どのトレカが良いんだ?どんなものがプレミアつく?今から始めるんだったら何?突然トレカ集め欲が爆発した。
小学生以来ぶりにトレカに興味を持ち、調べ始めた。いまさらポケモンカードとか、マジックザギャザリングみたいな、歴史があって、ユーザが多いものには興味が湧かない。まだ販売開始から時期が浅くて、今後人気が出そうなトレカなんて無いのか~?ポケモンみたいに子供っぽいものじゃなくて、万人受けはしなさそうな濃い絵柄のやつは無いのか~?
そんなのあるわけねえか・・
・・・
・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・あった!!?!!!
「Flesh and Blood」
2019年ニュージーランド発のトレカ。世界的にはマジックザギャザリング、遊戯王、ポケモンカードにつづくほどの人気で、日本でも少しずつ話題になっているとのこと。2023年現在、日本語対応はしておらず英語のみ。そのため、日本でのユーザ数はまだまだ少なく、カードを取り扱っている店も少ない。2024年には日本でも発売予定とのことで、これから日本で人気になること間違いなし?!最高なのは、カードの絵柄を見ても、ゲームルールを見ても、かなり自分好みであること。自分好みだとモチベの高さが全然違う。
やるで・・。
まず、トレカという文化をぜんぜん知らない自分は、トレカ文化から勉強することにした。小学生時代にポケモンカードをやっていた自分は、とにかくカードを集めることにしか興味が無かった。パック開けて、しょぼいカードはシュルル!って人に投げつけてたし、被ったカードはfoilでもぐちゃぐちゃに丸めてたりした。いまさら言うのもおかしいけれど、トレカは資産的な価値が見込まれるため、大切に扱わなければならない。まず、きれいな状態を保つため、スリーブに入れなきゃ、とか、まじでそのレベルから始めた。カードってサイズに規格があるのか、スリーブの大きさって決まってるんだな、とかそういうところから。
トレカ専門店にも行ってみた。オタクが集まる、暗くて狭い、入ったら二度と出てこられない場所みたいに勝手に想像をしていたけど、行ってみると意外と明るくて広い店が多く入りやすい。何も買わずに出やすいのもありがたい。そしてとある店で「かいりきリザードン」が180万円で売られているのを見てゲロ吐きそうになった。やりすぎです。そして「Flesh and Blood」を取り扱っている店が少ない・・。海外でしか売ってないんだからそりゃそうか。最新のパックを売ってる店はたまにあるんだけど、初期に発売されたパックを取り扱っているところは、ほとんど無い。こういうトレカで、将来的に価値が出るのは、初期に発売されたものでしょう!って考えの強い自分は、初期パックをネットで買うことにした。初期パックの中にもさらに1st Editionという初版?のような物があり、そちらはもうすでにバケモン価格になっていたのでさすがに買えず、Limited Editionを買うことにした。
次に勉強が必要だと感じたのが、英語。「Flesh and Blood」の日本語情報はまだ少ないため、英語で情報を集めることになる。どのパックを買うと良い?とか、カードに書かれている効果を知りたい場合は、全て英語なのでリーディング能力が必要。youtubeでルールを調べたり、情報を集めたり、対戦動画を見るにも英語動画をリスニングする能力が要る。自分は、今年に入ってからなぜか毎朝1時間の英語勉強を習慣にしているし、若干英語には自信もあった。実際、文章は読めるし、音声は聞き取れるんだけど、意味が理解できない。悔しすぎる。ルーティンのCNNニュース読むのに追加で、英単語勉強も追加することにした。
さらに、ネットで買おうにも、日本の通販サイトでは「Flesh and Blood」を取り扱っているところは少ない。あった!と思っても、ぼったくり値になっていて、全く買おうと思わない。そこで、ついに海外の通販サイトを使ってみることにした。海外の通販サイトとか、日本語表示にできたりもするんだけど、機械が自動で翻訳してると思われるので、何言ってるかわからないことがある。原文のニュアンスが削ぎ落ちてたりすると、さすがに怖い。ちょっと前にAWSの試験を受けた時、日本語の問題文を読んでも「これ答えをひとつに絞り込めないんだが」って思った問題があった。原文の英語表示に切り替えてみたら、日本語訳がめちゃくちゃで、問題文の重要な部分が欠けていたことがわかった。機械が自動翻訳した日本語を読むくらいなら、英語を読む方が明らかに理解しやすい。もう少し翻訳の精度が上がってくれるまでは、英語は勉強しておきたいところ。
次に、外国為替の勉強も必要と思った。USD/JPYが高くなってるから、米から買うよりカナダやヨーロッパから買った方が良いのか?とか、考えたりしたけどよくわからん。国外送料やら関税がどうなる?とかもある。こういう、皆がめんどくさくなってやらないことをやるから価値があるんだ、という強い思いで進めていった。実際、そういうのがめんどくさければ、日本で売っている店から高く買うという、金で解決する方法がある。
自分は悲観的な考え方しかできないので、詐欺についても勉強した。海外通販での詐欺事例とか、住所氏名を伝えるリスクも。実際、一発目の注文は、「在庫を確認したら、システム障害のせいか在庫がありませんでした。取引のキャンセル処理をしてください。」的なことを言われた。その時はうっかりキャンセルしてしまったけど、これは個人情報収集を目的とした詐欺の手口らしい。こちらの都合でキャンセルしたという判定になり、個人情報奪われた上に、自分が不利になってしまうっぽい。そういう時は、キャンセルせずに運営に報告するべきだったらしい。まあ、俺の住所氏名電話番号が海外の奴に知られたところで何もできないか、っていうことで終わりにしたけど、自分が軽い詐欺に引っかかったというショックはいつまでも引き摺った。
なんやかんやあって「Flesh and Blood」を10万円分ほど買ってみた。24パック入りのボックスを4つと、ブースタをいくつか。全ボックス開封してみたら、現在値でも1万円以上で取引されているようなカードも出てきたりはしたけど、まあ平凡に終わった。10万程度では大した成果出ないのがトレカの世界なのね。ボックス買いして初めて知ったけど、カードはランダムに入っているわけではなく、ボックスの中である程度法則に従った入り方をしていることがわかった。そうすると、基本はボックスやカートン買いした方が期待値が高い。パック買いは控えようとか思った。
これらはここ1週間くらいの話で、この1週間にこれらを一気に勉強して、大金を払うことになった。トレカガチの人に比べればささやかな買い物だし、申し訳ないくらいにわかでしかないけど、それでこれだけいろいろなことを学べたなら良かったんじゃないかって思ってる。趣味を持ったことで一気に勉強が加速して、今まで考えたことも無かったような体験ができたので、趣味を持つって大事だと思った。「Flesh and Blood」をこれからがっつり遊んでいくのかどうかは完全に謎!
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