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アスファルトに咲く砥草のように

2023年2月11日、土曜日。
月1定例の薬を貰いに皮膚科へ。土曜は昼過ぎまでしかやってないと思って昼前にのそっと起きて向かう。読みは当たり、開いてた。こういうとき13時受付終了は助かる。
待ち時間に読んだ『ジジイの台所/沢野ひとし』が面白かった。沢野さんのレシピには、土井善晴さんやウーウェンさんのメソッドが随所に伝わってくる(実際この2人を基本にするとよいと言及していた)。しかしながら、沢野さんの思い出や表現によって、その料理は再現ではなくJIJII(ジジイ)オリジナルになっている。俺もそんな風に、料理を作っていきたい。



問診というより雑談に近い診察が終わり、かかりつけの薬局に向かうも開いてなかった。今日は土曜であり祝日だということに気づく。振替連休じゃないのか…ぐらいに昨日は思ってたのだが、しっかり祝日を祝日として過ごすところもあった。




薬を貰えることなく帰路を進んでいると、居酒屋の前に、無秩序に緑が生えてある鉢が置いてあった。そこにメモ書きも据えてあった。

砥草を置いてくださった方
ありがとうございます。
大切に育てさせて頂きます。

推察するにサプライズで鉢が置いていった人物がいたようだ。アスファルトが些細に彩られ、感謝の言葉が飛び交う街角に、全く関係なかった私が嬉しくなった。

そして不思議な植物だな〜と思って調べようとしたが読み方が分からず、『砥石』と一旦打って、石を消して、草を加えて何とか熟語を完成させ検索する。砥草(とくさ)であった。『とくさ』と打っても変換はされず、これからも砥石から石を削り、草を生やし続けるであろう。



こうした小さな幸せを見つけられた時は、『アスファルトに咲く花みたいな幸せを噛みしめる』という謎慣用句がよく頭をよぎるのだが、その花は砥草になった。


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