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ジョン・フォード『捜索者』について

ジョン・フォードが映画を完成させてから一世紀近く経つというのに、今だにまやかしのような技術で塗りたくられた現代映画と戯れている我々はその“時代錯誤”にひたすら無自覚であるからこそ、東洋の島国に住む若い男にとっては今回のフォード特集はごく細やかな僥倖だったと言ってよい。


スクリーンに映るジョン・ウェインの背中を観れば、映画が既にジョン・フォードによって完成されていたという事実を確信するしかなく、また二十一世紀の東洋の島国で私がこのショットに立ち会えたという感動に私はひたすら嗚咽するしかなかった。

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