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通常構築におけるペンダットの使用例と考察
初めまして。和居羽チカルと申します。
今回はタイトルにもある通り、サファイア・ペンダットを組み込んだ通常ルールのデッキの紹介と構築における考察をしていきます。
…なんでデュエパじゃないペンダットの解説を?とお思いになられる方もいると思いますが、まずはこちらのツイート(旧:ポスト)をご覧ください。
ペンダットのデッキ完成しました! pic.twitter.com/1c2ZUzaV56
— 自分のことをガル・ラガンザークだと思っている一般成人女性 (@5turn5000GT) January 24, 2024
これは私がネゴシエートの偽衒学者を4つ購入してオリジナルフォーマット用のデッキを組んでなんの気無しに投稿したものなのですが、いっぱいいいねが付いていますね。嬉しい。ありがとうございます。
感謝の気持ちはまあ置いておいて、この反響の具合から「通常構築でのペンダットの扱いに困ってる人が結構いそうだな…解説でもした方が良いかな」と思いました。
そしてこれを期にいっそnoteに初挑戦しちゃおうじゃないかと言うことでこうして説明下手が筆をとってみたわけです。
故に拙く、長い文章になってしまっているかもしれませんがどうかお付き合いいただければ、そしてこの差し出がましい解説が皆様の良きペンダット構築ライフの一助となれば幸いです。
構築例
早速ですがペンダット採用デッキのリストを紹介します。
![](https://assets.st-note.com/img/1708089368534-jTt5aso6nO.jpg?width=1200)
Twitterに投稿した後、複数回の調整を経てこのリストに落ち着きました。
各カードの採用理由などは次の項で詳細に解説します。
採用カード
・《サファイア・ペンダット》
![](https://assets.st-note.com/img/1707816786587-U0h7zzadkt.jpg?width=1200)
このデッキの核というか魂に近い存在です。彼に推し狂ってしまって一万円つぎ込みました。罪なガキだぜ…
通常構築における性能としては常在効果で自分のシールドゾーンにある呪文にトリガーを付与、そして自分のクリーチャーの攻撃に乗じてシールド追加とドロー(いずれも任意効果)を行う所謂システムクリーチャーでもあり、Wブレイカーと高めのパワーを持つアタッカーの要素も持っています。
またスレイヤー持ちブロッカーと選ばれた時のハンデスと除去に際してもほとんどの場合に相手に出血を強いるいやらしい効果をしています。
しかもこの悪意の塊のような効果の組み合わせをしているにも関わらず5コストとお手頃マナで着地してくれる超悪質スパダリクリーチャー…と一見優秀な彼ですが実は致命的な欠陥があります。
それは5コストとドロマーカラーのシステムクリーチャーにしては重いことと出てすぐには何もできないということです。
いくら効果モリモリマッチョメンとはいえ素直に5コストで召喚して返しに除去されて1体除去と1ハンデス程度では全く割に合いません。そこで次に紹介する彼(彼女?)との連携が重要になってきます。
・《ゲンム-MAX》
![](https://assets.st-note.com/img/1707819052147-Aa2KG5EL6U.jpg?width=1200)
ハズレアだと思っててごめんね
このデッキにおける超重要カード、《ゲンム-MAX》くんです。
事実上のSA持ちでありながら闇単色。進化元が不要で且つ5マナから繋がる6コストで、出た時と攻撃した時で最大2回も自身のシールドをブレイクできるハイパーカードです。このカードのおかげでペンダットを出したターンにシールド追加→暴発の動きが可能になります。
シールドが増えれば増えるほどパワーが下がってしまうのでシールドが7枚を超えてしまうと着地とともにルールによって破壊されてしまいますが、出た時の効果は使用できるので能動的に墓地に送り込みつつシールドをブレイクしたり、1体以上並べるとS-MAX進化の都合上どちらかを手札に戻さなければならないこと利用してブレインスラッシュのリアニメイト効果を墓地回収のように扱ったりとやりたい放題八面六臂の大活躍を見せます。
さらにはオマケのように敗北回避と劣化オシオキムーンを持っていたりと文句なしの最強カードです。
・《電磁魔天イエス・ザナドゥ》
・《ブレイン・スラッシュ》
・《ヘブンズ・ゲート》
![](https://assets.st-note.com/img/1707831732477-fXxIBszZNb.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1707831739198-1JGQCtI5Dk.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1707831812518-r9wp7Cc5Gz.jpg?width=1200)
《ゲンム-MAX》と《サファイア・ペンダット》を同時に着地させるギミックを担う巨大ブロッカーとそのお供たちです。
《ヘブンズ・ゲート》から始まる《電磁魔天イエス・ザナドゥ》によるスペルリサイクル盤面展開はこのデッキのキックスターター。《ブレイン・スラッシュ》を絡めた大量ドローで高めの要求値も安定して満たすことができます。
基本、《ヘブンズ・ゲート》経由でなければ出しづらい大型のクリーチャーですが、それでもいざという時に備えて墓地から任意の防御S・トリガーを仕込める取り回しの良さは目を見張るものがあります。しかもコスト破壊もそえてバランスもいい。
また、《電磁魔天イエス・ザナドゥ》と《ブレイン・スラッシュ》はマナ基盤にもなり一枚マナゾーンに置いておくだけでも後の動きが格段にスムーズになります。
・《サイバー・N・ワールド》
![](https://assets.st-note.com/img/1708055885783-Yj538hcJIj.jpg?width=1200)
手札が凄まじい速度で増えていくこのデッキにおける延命と、ブロッカーを持たないため気兼ねなく攻撃させられる貴重な2打点アタッカーとしての役割をもった古代兵器です。
使用済み、またはドロー中に引いてしまった手札のS・トリガーを山札に戻して《サファイア・ペンダット》のシールド追加で再展開を行うのが彼の主たる仕事ですが、このデッキに採用されている《偽衒学者の交渉》による相手の便乗ドローも同時にリセットしてくれる点で同様の効果を持つ《竜界電融 N・EXT》や《水晶邪龍 デスティニア》にはできない仕事もしてくれるオンリーワンなヤツです。
さらに墓地にあれば《ブレイン・スラッシュ》で出てきますし、マナに置いても単色マナとしてマナ管理が難しいこのデッキの良い潤滑油になってくれます。
どんな所であっても置かれた場所で活躍できる超カード。
こんな大人になりたいですね。
・《衒影の精霊 リアリテル/「この記憶もロック完了だね」》
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直球且つシンプルな防御カード。上下ともに防衛に特化しており、クリーチャー面は《六奇怪の四 〜土を割る逆瀧〜》もしくは《「すべて見えているぞ!」》に近い攻撃制限効果、呪文面は変わり種の《ホーリー・スパーク》といった趣です。
このカードは呪文面の運用が面白く、攻撃前に警戒したい呪文の文明を選んで唱えておくことで除去系S・トリガーやGS、邪王門の効果バトルなどをケアできます。もし《電磁魔天イエス・ザナドゥ》で攻撃時に唱えるならそうしたケアをしつつ強力な防御札をシールドに仕込めたりとトリッキーで強力なカードとして様々なプレイが可能です。
またクリーチャー面も《ブレイン・スラッシュ》で出せば《「すべて見えているぞ!」》と似たような使い方ができますし、出た後もWブレイカーで打点にもなるなど余すことなく使っていける良い子です。
・《偽衒学者の交渉》
![](https://assets.st-note.com/img/1708060246614-8WD5JUHIPO.jpg?width=1200)
《ブレイン・スラッシュ》とともにこのデッキのドローソースを担うS・トリガー呪文です。
このカードを4〜5ターン目に唱えるのがこのデッキの初動です。また、トリガーすればシールド追加でリーサルをズラしつつドローもできて最低限の防御もこなしてくれます。
…これは私見なのですが、このカードはFTにある通り通常ルールでは二人が得をする、敵にも自分にもメリットがあるように見えます。しかし実際はシールド追加と過剰ドローをキチンと活かすデッキを使っているこちらの方が、意図しないタイミングで意図しないリソース供給を受けている相手より若干多く戦略アドバンテージを得ている…なんて思うのです。
欺くということはこういうことなのかもしれませんね。
・《音素記号Bm エネルジコ/♪水面から 天掴まんと するチャージャー》
・《聖沌忍者 シャーリーシー/シャーリー・チャージャー》
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私はエネルジコの下って呼んでます
![](https://assets.st-note.com/img/1708075283452-xbF5ORoJhq.jpg?width=1200)
忍邪乱武チャージャー組の皆さんです。
《聖沌忍者 シャーリーシー》は《ブレイン・スラッシュ》で急場凌ぎに出すこともあります。
基本的には5マナ帯に到達するまでに1枚使えれば良いので、一度でも使った後はなるべくマナに埋めて《サイバー・N・ワールド》のリセットに巻き込まれないようにしましょう。リセット後のS・トリガー率に関わってきます。
このデッキの動かし方
このデッキのコンセプトは「安全確保のちソリティアでリーサル」です。それを念頭において動かしていきます。
①まずはチャージャーとドロー!
8枚採用されているチャージャーを3〜4ターン目までに使い、《ブレイン・スラッシュ》か《偽衒学者の交渉》をなるべく早めに唱えて《ヘブンズ・ゲート》と《電磁魔天イエス・ザナドゥ》を手札に揃えましょう。
もしチャージャーもドローソースも無ければ《衒影の精霊 リアリテル》の効果や《サファイア・ペンダット》などを駆使して6マナ貯まるまで耐えましょう。S・トリガーも沢山あるのでどっしり構えててください。
②ザナドゥから展開開始!
《ヘブンズ・ゲート》から《電磁魔天イエス・ザナドゥ》が出てきたら展開開始。
《♪水面から 天掴まんと するチャージャー》の効果などで墓地に《ブレイン・スラッシュ》があればそれを唱え、ドロー効果とディスカードを駆使して《ゲンム-MAX》を出します。
ここまで漕ぎ着けたら《ゲンム-MAX》で今シールドに仕込んだ《ブレイン・スラッシュ》をブレイクして更にドローを行いつつ《サファイア・ペンダット》を墓地から出して《ゲンム-MAX》と《サファイア・ペンダット》が同一ターンに並ぶようにします。
もし《ブレイン・スラッシュ》がなければ再び《ヘブンズ・ゲート》を唱えてブロッカーを並べるか、《偽衒学者の交渉》などでリソースを増やしましょう。多少のテンポロスにはなりますが盾は強いハズなのでなんとかなります。なると信じましょう。
③ゲンムとペンダットで暴発展開!
《ゲンム-MAX》と《サファイア・ペンダット》が並んだらシールド追加とブレイクを何度も繰り返し、手札をこれでもかと増やし続けて盤面に《サファイア・ペンダット》や《電磁魔天イエス・ザナドゥ》をどんどん送り込んでいきます。ライブラリアウトはケア出来るのでペンダットの任意効果やブレスラのドローはガンガン使っていきましょう。
➃Nワールドでシールド追加の質を上げよう!
墓地や手札が増えてきたら《サイバー・N・ワールド》を出してリセットしましょう。このリセットを行なう際にチャージャーなどのハズレを巻き込まないようにあらかじめマナに送るかバトルゾーンに出しておきます。そうしてリセット後のシールド追加の質を高めていきます。
⑤安全確保が出来たら突撃!
《サイバー・N・ワールド》のリセットや《電磁魔天イエス・ザナドゥ》の再利用である程度S・トリガーの期待値を高め、リーサルを凌がれても返しのターンを耐えられる状況になったらソリティアで増えたクリーチャーたちで殴り込みましょう!ライブラリアウトさせられるほどの器用さは持ち合わせていないのでとにかく殴るべし!
強みと弱点
このデッキはメタに弱い上にラフルルなんかで簡単に詰みます。環境どころか2コスの各種メタカードにけちょんけちょんにされます。そこはもう諦めてください。どうにもなりませんでした。
なので強みは《ゲンム-MAX》と《サファイア・ペンダット》がちゃんと活躍するということぐらいしかありません。
ただシールド追加とブレイクの繰り返しが2枚のカードで完結するというデッキはなかなかないと思いますし、《サイバー・N・ワールド》を利用したサステナビリティ(?)は独特の味わい深さがあります。
まあ正直ペンダットが活かせるというだけで私的には+543211234528482点くらいあるのでそれだけで無問題なんですけれど。
通常構築におけるペンダットの考察
ここからは通常構築でペンダットを採用することに関しての私なりの考察を述べていきます。あくまで私個人の見解であることにご留意ください。
発売から1ヶ月近くの間、ずっとペンダットを使うデッキと向き合ってきて彼の強みと弱みが薄っすらとですが分かってきました。まずは弱みから書いていこうと思います。
ペンダッドの弱み
ドロマーのデッキをちょっとでも使ってみると分かるのですが、この3色の組み合わせ自体は強力なのですが方向性がかなり違います。それぞれの文明は強いのですが強みが同じ方向を向いていません。
例えるなら3社間で直接関わりはない3つの工場から送られてきた部品で良い製品(デッキ)が完成するようなイメージ…光はS・トリガーやブロッカーで防御を担い、闇が相手に干渉してコントロールし、水が手札や墓地のリソースを供給する…というような役割分担で成り立っています。連携ではなくそれぞれの強みが合わさって強力なムーブを形成しているんですね。
そしてそういったカラーリングで一番辛いのは3色の軽量級カード…つまりペンダットです。
高コストであれば全然問題なく、むしろマナ基盤にもなってくれて後半にフィニッシャーとして活躍してくれるのですが序盤に使う軽量級となるとマナ埋めと手札の要求値も高くなります。それでいてペンダットの効果は即時ではなくターンを跨がなければいけないので何かのついでの踏み倒し前提でないと採用しづらいです。
じゃあ踏み倒す前提で組めば良いのでは?と設計していくとペンダットのみをサポートする構築になってしまいがちですが、ペンダットだけでゲームを決められるパワーがあるわけではないので、他にも強力な効果を持つカード採用しなければならないのにペンダットサポートのせいでそこに割く枠が狭まってしまい、極端に組みづらくなってしまう…3色のカードでなければこういったことは起こらないと思います。
そして最も大きな弱点…というか障壁はそもそもデュエパが彼の住処であるということです。
デュエパでのペンダットは完璧です。
S・トリガー付与で相手を牽制し、ドローを餌に相手同士の潰し合いを促しつつ自分は利益を得る。FT通りのカスっぷりで盤面を陰から支配します。
そもそもオリジナル、アドバンスに連れてくるべきではないのです。
ペンダットの強み
それでも使いたいのであればキチンと彼の強みを理解してあげる必要があります。
例えば攻撃に誘発してシールドを供給できるという点。
攻撃時にシールドを増やすクリーチャーは少なくないですが、自身の攻撃でなくとも追加することができるお手頃コストのクリーチャーはあまりいません。他の攻撃時効果持ちのクリーチャー(今回はゲンム-MAX)とシールド追加効果を組み合わせることができるのは彼特有の強みと言えるでしょう。
更に序盤に出せるターンを問わないS・トリガー付与という点も見過ごせません。呪文ではない軽量のS・トリガー付与手段というのはなかなかに貴重で様々な活用が期待できます。
5→6とコストの繋がるアブライゼドルバなどを使ったり、グレイテストゲートで一緒に出してあげてもいいかもしれません。そこにサイクルペディアを添えて二倍唱えたりなどなど…この子にしかできなさそうなことは沢山あります。そういった強みをいっぱい見つけて活かしてあげてくださいね。
終わりに
長文にお付き合いいただきありがとうございました。
最初の方でも述べましたがこの差し出がましい解説が皆様の良きペンダット構築ライフの一助となることを願っています。