AIR Design誕生秘話 Part1
株式会社ガラパゴスの代表を務めております中平です。
2019年9月にローンチしたAIR Designは、ありがたいことに約2年で導入300社を突破しました。
ただサービスの成長には紆余曲折のストーリーがあり、簡単には超えられなかった試練もありました。
昔を思い出しながら、AIR Designの誕生秘話をお伝えいたします。
※本作は、以前wantedlyに書いたものを加筆編集したものとなります。
きっかけは単なる興味から
良く言えば会社が軌道に乗って落ち着いて、悪く言えば伸び悩んでいた創業6年目の2014年。32歳の僕は、次のビジネスの種を探すのにやっきになっていました。
それまでも色々と新規事業に挑戦はしていたけれど、どれも上手くいかず、その数は10は超えていたと思います。新規事業に対する経験は積まれていたけれど、その分失敗も多く、自信を喪失しかけていました。
そんな時、社内のSlackで ”Deep Learning” という真新しい言葉を目にしました。
「Deep Learning??機械学習とは別のものなの?」
当時から僕は、テクノロジーが大好きで、最先端テクノロジーはもっと好きでした。
本当に直感的に、これは知らなくちゃいけないなと思ったし、詳しく知りたくて一気に学びたいと思い、湯川塾という私塾に勇気を持って参加したのが2015年の1月。
有名になる前のPFNの西川さんや、ブレイクする前の東大の松尾教授が少人数のメンバーに対して、最先端のDeep Learningを直接教えてくれました。
今思うと、本当にめちゃくちゃ贅沢な時間でした。
刺激をがっつり受けた僕は会社に戻って、社内でDeep Learningの勉強会を始めました。知れば知るほどその可能性に没頭していきました。
始まったDeep Learningと画像生成
雑誌画像解析プロジェクトや、コールセンター自動化プロジェクトなどを通して、いくつかDeep Learningを社会へ実装していくうちに、出来ること・出来ないことが段々わかってきました。
そして、僕が最も興味を抱いたのが「画像生成」の技術でした。
もしかしたら、機械がデザインをする未来がくるんじゃないか?と本気で思い始めたのがこの頃。
限定されたデザインであれば機械でもデザインができると考えて、開始したのがロゴの自動生成のプロジェクトでした。
LogoのAIだから、LAIと名付けました。
(自動生成初期の頃のロゴたち。)
そこからコツコツと長い旅路が始まり、まずはそもそもの構造を理解することからのスタートでした。
(こんな風にランダムにロゴをピックアップしてマトリクス状に分類したりしながら、そもそもの構造を理解するところから始めました。)
デザインの民主化を決意した役員合宿
LAI開発プロジェクトを社内で開始して半年後の2016年12月。
僕・島田・細羽の3人の取締役は役員合宿をするため、千葉の安い宿にいました。
初日が終わり、来期の方針なんかもそれっぽくまとまり、2日目の朝に散歩をしながらふわっと未来を想像していました。
12月なのに寒すぎない風を、心地よく感じていたその時です。
ふと周りを見渡すと、田舎町。人もまばら。今でもどうしてなのか分からないのですが、ガーーーンと思いつきました。
「母ちゃんがロゴ作れる未来って、めちゃくちゃワクワクしないか?」
高齢化が進み、労働人口が減っていく日本。一方でデジタル化は加速し、アウトプットの増加を求められるデザイン産業。
デザインのデの字も勉強したことがない、おばあちゃん(ごめんね)の部類に入るウチの母ちゃんがLAIを通じてロゴを作り、それが誰かの手に渡って喜ばれる世界。なにこれ、ハートウォーミングでめっちゃ良いじゃん。この時、目指すべき世界観のほんの一部が、はっきりと見えた気がしました。
デザインの民主化か。
僕の決意は、こんな感じで固まりました。
Part2へ続きます!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。