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タイ、サンゴ礁に有害な日焼け止めの使用を禁止〜美容と環境の共存〜

有害物質を含む日焼け止めの使用を禁止

タイ国立公園・野生動物・植物保全局は8月4日に海洋国立公園内で、サンゴ礁に有害な化学物質を含む日焼け止めの使用を禁止を発表した。

下記の4つの成分が入っている日焼け止めが禁止される;

・oxybenzone (benzophenone-3) オキシベンゾン
・octinoxate (ethylhexyl methoxycinnamate) メトキシケイヒ酸エチルヘキシル
・4-methylbenzylidene camphor メチルベンジリデンカンファ
・butylparaben ブチルパラベン

違反した場合、最高で100,000バーツ(約33万円)の罰金が科せられる。

太平洋の島国パラオでは、2018年より同様の法律が制定され、サンゴ礁の環境保全に努めている。さらに米ハワイ州とカリプ海ボネール島でも、2021年より、有害物質を含む日焼け止めの使用と販売が禁止されている。

ナショナルジオグラフィックの調査によると、世界中で年間14,000トンの日焼け止めが海に侵入している。日焼け止めに含まれる有害物質をサンゴが吸収し、サンゴ礁の繁殖を妨げ、白化の原因になっている。

日本の環境省那覇自然環境事務所では、西表石垣国立公園の石西礁湖海域及び慶良間諸島国立公園の海域において、平均白化率が石西礁湖では97.0%、慶良間諸島の海域では15.2%であることを発表している。

世界的にサンゴ礁の白化が問題視されており、海の保全活動が積極的に行われている。では、限りあるサンゴ礁を守るためには私たちは何が出来るだろうか。

美容と環境の共存

ナショナルジオグラフィックでは、以下の日焼け止め対策を推奨している。

1.  有害物質が入ってないかを確認する。

オキシベンゾンフリーの日焼け止めや、サンゴに優しい日焼け止めなどが販売されている。酸化亜鉛や酸化チタン などで出来たミネラルベースの日焼け止めを選ぶことによって、サンゴ礁を守りながらUVカットができる。


2. スプレータイプの日焼け止めの使用を控える。

スプレーを噴射した際に、砂や石に付着した日焼け止めは、海に侵入してしまう恐れがある為、スプレータイプの日焼け止めを使わない。

3. SPF効果のある衣類を選ぶ。

帽子、シャツやラッシュガードなどを着用し、日焼け止めを使う量を減らすことも重要である。UVカットの入った衣類を着用することによって最大90%の日焼け止め量を減らすことが出来る。

これからは、サンゴ礁保護だけでなく、美容と環境を共存させていくことが重要になる。環境に優しい成分が含まれるミネラルベースの化粧品や、日焼け止めを選び、ひとりひとり出来ることから始めることが環境保護の第一歩なのではないだろうか。

参照:

Thailand bans sunscreens containing coral-harming chemicals from national parks (12 August 2021)

執筆:Saya

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