コラボイベントでVTuberさんと一緒になって成し遂げたかったこと
2024年10月20日に行われたイベント「JTEKTグループフェスティバルONEin香川」で今回何をやりたかったか、それに向けてどのようにアプローチしてきたのかを記載し、いつか振り返るときに活かしたいと考えてます。PDCAサイクルはプランあっての実行、振り返り、ネクストアクションですから。
企画の背景
今回お話いただいたのは、8月中旬。JTEKTさんから東かがわ市の地域創生課にJTEKTの主催するお祭りに市として出店参加していただけないかというお話があがり、その中で市と共同制作した「GloveStoryも一緒にどうか」という話があがり、僕のところに相談が来て、今回グッズ販売という企画につながりました。
VTuberさんとコラボしたかった理由
今回イベントを実施するにあたり、VTuberさんとコラボすることを提案しました。ゲームをリリースした後に香川県出身のVTuberさんが、動画配信をしてくれたおかげで多くの方に広まったこともあり、一緒になにかできないかは市長にも、市の職員さんにも話はしていました。
また、ありがたいことにVTuberさんや市議会議員さんからも「VTuberさんとのコラボ」の声はあがっており、後押しになりました。
ただ、実際に何かイベントをするためには予算やタイミング、なぜする必要があるかなどハードルは高く、実現するにはとても難しい状況でした。今回、JTEKTさんからオファーをいただき、この絶好のタイミングで実現することができました。
VTuberさんと一緒になって成し遂げたかったこと
今回のイベントを実施するにあたり、いくつか目的はありました。列挙するとこのようなものがあります。
VTuberさんとコラボイベント実施する
初の物販イベント
高校生と一緒に盛り上げる
3つ目の「高校生と一緒に盛り上げる」は現在、県立三本松高校の学生さんとGloveStory外伝の制作をしており、GloveStoryのイベントでもあるため、一緒に盛り上げることができたらと考えた次第です。
今回の物販のイベントや高校生と一緒にイベントの実施はイベント運営されるJTEKTさんからも理解が得られやすい内容であるため、ここでは触れません。唯一、JTEKTさんにとって?がつくのはなぜVTuberとコラボする必要があるのかです。
GloveStoryがお世話になったVTuberとコラボしたいだけであればJTEKTからしたら自身のイベントでやってほしいになりますし、JTEKTのイベントでVTuberさんを利用するならば、JTEKTさんにとってもVTuberさんを使うことで意味のあるものだとJTEKTさんに伝える必要があります。
そしてVTuberさんの価値をきちんとJTEKTさんに伝えることができれば、それはVTuberさんの価値を広めることになります。その実績は今後の東かがわ市にとって意味のあるものになることだと思えたのです。
あらためてVTuberの価値を伝える方法はどうしたら良いのだろう
VTuberさんの価値を伝える方法をどのようにしたら良いかは悩ましい問題でした。一般的に価値を伝えるならば、感情で訴求する定性面の評価と数字で伝える定量面の評価の2つの訴求方法があります。
・定性:JTEKTさんにとって動画の配信内容で喜んでもらえるか。
・定量:どれだけVTuberさんが数字で貢献したか。
定性面の評価方法
定性面で評価してもらうために、今回JTEKTさんについて動画で触れてもらうことで評価してもらえると思いました。
僕自身、JTEKTさんはどのような会社なのか今回のイベントまで知らなかったですし、主な事業が車の部品ということ、取引先がトヨタということもあり、一般的には認知度が低い方の企業だと思いました。そのような企業が今回のイベントを通じてどのような会社なのかを知ってもらうことは非常に価値があることです。
そんな中で、YouTube上でもVTuberの第三者がJTEKTはどのような会社なのか知ってもらうための情報発信してもらうことはとても価値があることだと思いました。またそれを、GloveStoryの魅力をきちんと伝えることができたVTuberさんだからこそできることだと思いました。
実際に作られた動画は本当にすごいものばかりです。僕自身がVTuberさんのことを不勉強であまり理解していないためか、今までゲームの配信実況動画を見ていた手前、30分の依頼動画も実況動画のような感じで作成されるものだと思っていましたが、しっかり効果音やBGMや演出などしっかり作り込んで納品してくださいました。
そのクオリティの高さには感動すると共に、依頼内容で多くの負担をかけてしまったと猛省する次第です。
定量面の評価方法
最初に今までにゲームを配信してくれたVTuberさんで香川県出身の方が5人いらっしゃるので5名の方にお願いしようと決めていました。現段階で1名を選ぶこともできないし、その基準もない中で公平性を保つためにもです。また、依頼段階ではどのくらいのクオリティのものができるかもわからないので、気持ち程度の金額しかお支払いできません。そんな中、VTuberさんに全員に賛同していただけたのは本当に感謝でしかありません。
次に動画の納品だけでなく、XやYouTubeのSNSでもイベント告知をたくさんしていただきました。本来でしたらVTuberさんは動画制作だけを依頼されているので、SNSの情報発信はVTuberさんにとってする必要のないことですし、こちらも依頼していません。今回のイベントを一緒に盛り上げようと力になってくれたVTuberさんはとても頼もしい存在でした。
またVTuberのファンの方も積極的にイベント告知に協力していただくことで、ファンの方が喜んで発信してくれました。SNSを通じて情報が拡散されていくSNSの本来持つ力を強く感じました。
定量評価の測定の難しさ
定量評価で、具体的に数字を出すことは至難の業でした。GloveStoryはイベントブースの一つでしかなく、GloveStoryによってどのくらい集客が増やすことができたかなどは出すことはできません。
また、VTuberさんが香川県出身だとしも、ファンの方が香川県近隣に住んでいるとは限らないことです。ファンの方にイベントに足を運んでもらうことは今回目的としていません。むしろファンの方がJTEKTがどのような会社なのかをVTuberさんを通じて知ってもらうことができれば十分目的は達成しています。
宣伝力を評価軸にする
SNSの原点に立ち返り、今回は宣伝力で評価しようと思いました。表示回数やいいね数など、データで取得できる項目に1つずつ金銭価値をつけて、宣伝効果を示す方法です。とはいえ無数のSNSの投稿数の中からJTEKTのイベントをすべて集めて計測するという方法は大変です。大変ではあるのですが、この成果を示すことができれば、VTuberさんを活用したGloveStoryの宣伝力を数値で示すことができます。また、その数字に費用対効果をつけ加えるることができればその価値はさまざまな場所でも示すことができると考えました。ちなみに数字は広告換算価値として以下で評価しました。
X(旧Twitter)の場合
・投稿=200円/回
・表示=0.5円
・いいね=20円
・リポスト=50円
YouTubeの場合
・1動画=3000円/分
(YouTubeは放送の中で含まれているため、再生回数などは評価しないことにしました。)
実績
X
SNSのXの投稿は本当に多くの投稿がありました。SNSの投稿をまとめにあげても15ページになるくらいのとても多いページ数です。嬉しい反面、まとめるのもとても大変な量でした。
こちらで投稿数をすべて集計したところ、253投稿ありました。その中でGloveStoryの投稿数は53回だったので、約4倍の200投稿はVTuberやファンの方の投稿です。中にはGloveStoryの投稿を見てイベントに参加されるマジシャンのKiLaさんまでGloveStoryの投稿を拡散してくださいました。
X(旧Twitter)の場合
参考までにJTEKTの公式アカウントがXで投稿した回数を計測しました。
10月1日〜21日までの3週間の期間、XではJTEKTに関する投稿が約11倍、表示回数で5.6倍、いいね数で8倍以上あったことになります。この数字を見れば、きちんとSNSの情報発信として十分貢献できたと言えるでしょう。
YouTube
YouTubeでも動画納品以外にもたくさんの投稿していただきました。正直依頼したのは動画納品の1本だったので、それ以外でもたくさんの宣伝してくれたことはとてもありがたいことです。中には1時間の配信まるまるこのイベントに関して投稿してくださる方もいて、あまりに予想を超える熱量だったので何度も見返すほどです。
最終的にはVTuberさんから動画納品とは別でJTEKTグループフェスティバルのイベント告知を合計で1時間半近くの配信をしていただきました。一緒になって盛り上げてくれると言う動きには胸打たれるものがあります。
ざっくりではあるのですが、Xの投稿で21万円、YouTubeで27万円と合計48万円近くの貢献はできたのではないでしょうか。そしてその貢献を支えてくれたのはVTuberさんですし、その環境を作ったのはJTEKTグループさんになります。様々な形で多くの成功体験を作ることができたのはとても意味があることです。
反省点
このプロジェクト反省点もたくさんありました。思いつく限り列挙しておき、次に活かそうと思います。
1.グッズの大量生産
今回グッズの売上げは見込んでいた金額の60%程度でした。ただイベントとはいえ最小ロットでものづくりした手前、一部致し方ないところはあるのですが、もっとGloveStory自体が認知をあげないと今後のグッズ販売は厳しいと思います。
2.動画の制作の負担
動画の制作には多くのVTuberさんに負担をかけてしまいました。こちらはライブ配信を見た上で、VTuberさんにイベント登壇をお願いした手前、ライブ配信のクオリティで納品されるものだと思っていました。いただいた動画のレベルがどれも高クオリティを用意してくださったのはとてもありがたいけれど、クオリティコントロールで負担をかけないようすべきでした。「5分の動画を5分で作れると思うなよ」という言葉を途中でいただいたときには、猛省すべき点として心に残りました。
3.著作権等の未確認
当初、VTuberさんの動画内ではカラオケもありと伝えていたのですが、VTuberさんから「著作権に抵触するのでは?」と指摘がありました。市のイベントであれば著作権は影響しないのですが、企業のイベントになると話は別です。このあたりの法令遵守をこちらがきちんと判断した上で伝えるべきでした。
4.グッズの制作による情報伝達ミス
グッズの一部でギリギリまで時間がかかり、一部市役所の方には無断で取り入れたものがあります。それが法令に抵触するものがあり市役所の方に迷惑をかけてしまいました。きちんとそのあたりはしっかり手順を踏んで作るべきでした。
感謝
さいごに、今回のイベントがきちんとここまでできたのは本当にVTuberさんのおかげですし、関わることができて本当に感謝しております。GloveStory自体は東かがわ市を盛り上げるための手段でしかないので、GloveStoryに限らず東かがわ市のことを興味関心をもって盛り上げて欲しいですし、とても魅力的な動画配信内容でしたので、さまざまな場所で活躍していただき、楽しい配信が増えるといいなぁと1ファンとして願うばかりです。
また今回このような素敵な機会を作ってくださったJTEKTのみなさま、市役所のみなさま、お店で一緒に盛り上げてくれた三本松高校の学生や先生方、このGloveStoryのイベントのために遊びに来てくださったみなさま本当にありがとうございました。
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