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つば九郎をずっと支えてきて下さった方へ

突然の別れに、何と言ったら良いか、何日か考えましたが、まだ言葉が見つかりません。

信じられない、信じたくない、目が覚めたら夢であってほしい……。けれど、朝を迎えるたびに、これは現実なのだと突きつけられます。

インターネットやテレビには、あなたの魂が宿ったつば九郎の姿があふれています。

きのう、今日と「お供え物は控えてください」というお願いも出され、いよいよ受け入れなければならないのだと、少しずつ実感し始めました。

高津監督もおっしゃっていましたね。
ホームランを打った選手を出迎えるのは、勝利の瞬間に監督の隣に立つのは、誰が担うのでしょう。
石川さんの200勝を、あなたにも見届けてほしかった。いえ、そこにいてくれなければならなかったのに。
村上くんも、順調なら今シーズンが日本球界最後の一年になるんですよ。あのちょっとブラックだけど愛のある言葉で、彼を送り出してはくれないのですか。
他球団の監督、コーチ、選手たちとの“おとももち”なブログも、ずっと楽しみにしていたのに……。

あなたの魂が宿ったつば九郎は、本当にたくさんの人に愛されていました。

どれだけ負けても、「つば九郎に会えたから少し救われる」そんな気持ちにさせてくれる存在でした。
競馬新聞を読む姿をカメラに抜かれたり、ドアラと静止芸をしたり、軽トラに乗ってみたり、他球団のマスコットをちょっと雑に扱ってみたり。
悔しい敗戦の夜も、あなたの仕草や表情に、どれほど心が癒やされたことか。
きっと、つば九郎がきっかけでスワローズファンになった方もたくさんいると思います。

あなたが肺高血圧症だったと知りました。
私の母も同じ病で、昨年亡くなりました。晩年はとても苦しそうで、常に酸素の管をつけて生活していました。
おそらく、あなたの年齢は母よりずっとお若かったと思いますが、やはり苦しかったのでしょうか。
スワローズファンだけでなく、きっと他球団のファンも、野球に詳しくない人さえも、あなたに“えみふる”を貰い、癒やされていました。
それなのに、ご自身はつらかったのではないかと思うと、言葉になりません。

頻繁に更新されていたブログが途絶え、一番嫌な予感が当たってしまいました。
球団から「体調不良で活動を一時休止する」と発表されたあと、私は神社へお参りしました。「どうか、早く良くなりますように」と。
SNSには、絵馬を納める人たちの姿もありました。きっと、たくさんの人が同じように祈っていたと思います。
倒れてしまった後、「一時持ち直した」との報道を見ました。
都合の良い考えかもしれませんが、一時でも回復されたのは、もちろんご自身の「生きたい」という気力が一番だと思いますが、もしかしたら、私たちの祈りが届いたからなのかな……そんなふうに思いたいのです。

球団の発表によれば、つば九郎は「しばらくの間、活動休止」となるのですね。つば九郎が消えてしまうわけではないと分かっています。
でも、あなたの可愛らしい手書きの文字の筆跡や、ギリギリを攻めるユーモアには、もう、会えないのですね。
新たな魂が宿る日が来ても、あなたのつば九郎は唯一無二です。
30年もの長い間、本当に、本当にお疲れさまでした。
そして、ありがとうございました。

手紙を書いていたら、また涙があふれてしまいました。

今シーズンは、神宮のライトスタンドあたりに座って観ていてくれますか?もしかしたら、戸田にも来てくれますかね。あ、でもあんまり暑すぎて嫌かな。
グラウンドの中からではなくても、一緒に、再びの日本一を目指して応燕しましょうね。

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