複雑さに疲れたあなたの隣人 園田智代子感想
シャニマス感想コンテストの記念に、私のアイドル園田智代子(私はちょこ先輩略してちょこぱいと呼んでいる、非公式)についての感想文を書きました。
最近引っ越しをした。小説はあんまり読まないけど、引越先に持っていった本もいくつかあって、そのほとんどがSFだった。たぶん私はSFが好き。
なんで好きかを考えると、問題、あるいはただの事象でも、起きたことに絶対に理由がつくからという結論に至った。どんなに理不尽な出来事でも、発生した理由を現実世界の理屈で説明してくれる。問題が解決するか、その理屈が現時点で実現可能かは別として。そのわかりやすさが好きなんだと思う。
ちょこぱいを好きな理由も同じ。
霧子が言うように、現実世界はみんなが生きていて、他人の感情は理解できないし、起きることすべてに結末があるわけではない。社会ってすごい複雑。
シャニマスは、アイドルを現実と照らし合わせた社会に置き、それぞれなりに考えて行動させることで、私と同じ世界に存在しているように見せたいのかなと思う。自分の問題とも地続きの場所で、アイドルが頑張っている姿、生き様を見て、ファンになったり応援したくなったり、その先が気になったりするのかも。
複雑さに耐えながら(※)手を取りあう努力をしよう、その姿勢が美しいよねって、私はシャニマスからそういうメッセージを受け取っている。
それってしんどいときないですか?
私にはある。
目の前の問題から目をそらして、好きな人はしあわせでいてほしいって単純に無責任に思うときが正直めちゃくちゃある。
ちょこぱいは、そんな私にも、いつもわかりやすい言葉をくれる。
この言葉は信用できる。
ちょこぱいを推すとき、私はなにも心配しなくていい。アイドルとして食べていけるかとか、私の努力不足による選抜落ちとか、世間に晒されて受けるかもしれない評価や悪意に対するちょこぱいの心情とか。あるいは公式からの露出量の差や、他の人とのキャラ解釈の違いも、ちょこぱいに関しては気にならない。
ちょこぱいは過去でも将来でも、どんな世界にいても輝いて、笑顔で、しあわせでいるだろうと、確信できるから。
なぜ確信できるのか、私は2つ理由が書ける。
1つは、ちょこぱいが悩みを抱えたとして、その状況をちょこぱい自身で打破できると今までに体現されていること。その上、対応するちょこぱいの行動には再現性があるからだ。たとえば。
「個性をみつける」という目標を自主的に掲げ、他者への相談とリサーチを経て自らの個性の言語化に成功。この後も、ちょこぱいは問題に対して同様のアプローチをすることが多いように思う。ぐるぐる目で悩んでいるのがかわいい。
SNSで評判の良かった投稿を分析するちょこぱい。効果を理論的に解釈しようとする姿勢が伺える。
果穂ちゃんの悩みに対して、事実と果穂ちゃんの感情を切り分けて状況を整理し、果穂ちゃんの気持ちを慮ったうえで今後の対応を一緒に考えてくれるちょこぱい。ちょこ先輩は、頭脳派チョコアイドルです!と別のコミュで果穂ちゃんも言ってた。
ちょこぱいは社交性が高くだれにでも意見を求めることができるし、意見をのみこむ素直さもある。そして、自分の意志を伝える言語化能力もある。これだけのことができれば、アイドルでも、別の挑戦をしても、うまくやっていくんだろうなと私に思わせてくれる。だから心配の余地がない。
そして2つめの理由は、ちょこぱいは露出に貪欲であり、そのためにできることをすると示されていることだ。
テレビ番組で長く映るためデカ盛りチャレンジをがんばるちょこぱい。お腹いっぱいでも気合いを入れる。まゆげがかわいい。
GRADに向けて決意表明をするちょこぱい。今までの応援への感謝と、これからもちょこぱいを推すメリットを伝えてくれる。
ちょこぱいを囮にしたことを気にする夏葉の心を軽くできるように冗談を交えつつ、取れ高の確保に余念がないちょこぱい。優しくてかしこくてかわいい。
ちょこぱいは目標を言葉にして、周囲を巻きこみ、具体的に試行錯誤しながら実践して、結果をのこす。感想コンテストで5000円欲しいくせに記念とかうるせぇこと書いて保険かけている私とはまるで反対。ちょこぱいならきっと入賞してみせますって言うし、高山Pの過去のインタビューをあたってウケそうな記事の傾向を分析して書くし、ちゃんと5000円もらう。
つまり、ちょこぱいが仕事を受けた以上、もっと自分たちを知ってもらうため、真摯に向き合っていることは自明である。私が見ているのは、ちょこぱいがこれでいけると判断した結果。もしその出力が私のちょこぱい像と違っているときがあっても、私は自分の中でつじつまを合わせるために難しく考える必要はなく、こう理解すればいい。
「ちょこぱい、印象残そうとがんばってるんだなあ……」
解釈違いに対して理解者面をすることを許してくれるのがちょこぱい。馬鹿だけど、私のようなめんどくさいオタクには、このひと言でかたがつく安心感はとても大きい。
結論として言いたいのは、ちょこぱいは絶対にしあわせな人間である、ということだ。ちょこぱいに理屈があるから、世界の複雑さも私の状況も、シャニマスの行く末も、その結論には影響しない。
安心して、レンジでチンするみたいに簡単にかっこよくてかわいいちょこぱいを消費できる。できるようにしてくれる。
だからちょこぱいが好きだ。
樹里ちゃんと一緒にレンジでチンして夏葉を解凍するちょこぱい。かわいすぎて言葉がない。疲れたときってこういうのしか見れないじゃないですか…。
ストーリーやキャラクターを追いかけるソシャゲって、シャニマスに限らず、複雑さを面白みとするところが多いように感じる。キャラを売るビジネスなので、人生みたいに物語がずっと続く。
複雑さに耐えていきたい、でもそんな中に、完璧に明るいと信じられるものがあってもいいと思う。私にとってちょこぱいはそういうアイドルです。
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