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レパートリー制の学習形態に関して
レパートリーの考え方はもう古いのではないか
かつて、声楽において「レパートリー」という概念は、個々の歌手の声の特性に基づいて選ばれたものでした。特定の声色を出せることが、その歌手のレパートリーの基準とされていたのです。
しかし、現代においては、音色の違いがどのように生まれるのか、その仕組みがより明確に理解されています。単に一つの音色に固執するのではなく、歌手が自らの技術を駆使して、様々な音色を自由にコントロールできる可能性が広がっているのです。
これが、現代において「どのレパートリーでも歌える」可能性が生まれている背景です。
声楽レッスンの課題
従来の声楽レッスンでは、師匠の声色を真似ることが最終的な目標とされている場合が殆どでした。弟子は、(解明されていないが故に)音色の仕組みや声のメカニズムを教えられることはなく、ただ師匠の審美感に基づいた音を作ることに邁進しました。(それ故に、師匠選び・その巡り合わせや相性が大切であると言われるのです。)
しかし、現代では「なぜその音色が生まれるのか」という仕組みを理解することが可能です。それを理解することにより、異なる音色を出すことも容易にできるようになります。
人間の体は非常に柔軟であり、特定の決まった部分を除けば、自分の意思でかなりの自由度を持って動かすことが可能です。特定の声色に縛られる必要はなく、柔軟に音色を選んでいける時代になっていると言えるでしょう。
声種の決定基準
では、声種はどうやって決めるのでしょうか。一般的には、声の高さや音域によって決められることが多いですが、高音はトレーニング次第で獲得できるという点が見逃せません。一方、低音に関しては生物の作りによる限界があると言えるでしょう。そのため、声種を決定する際には「低音がどの程度出せるか」という基準で考えた方が合理的です。
例えば、ヴァイオリンではコントラバスの音程を出すことは物理的に不可能です。しかし、コントラバスはやり方次第で、ヴァイオリンのように高い音を出すことができる場合があります。声種や音域の柔軟性についても同様のことが言えるのではないでしょうか。