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涙の喪失

涙は悲しみや喜びの結晶だと
かつては思っていた
悲しみが深ければ深いほど 
あるいは 喜びが多ければ多いほど
たくさん泣くものだと
つもって淵となり 流れ出るものだと

でも 違った

親を亡くして
悲しいはずなのに涙が出ない
涙腺が枯渇している

泣きたい
泣いてこの気持ちを心から追い出したい
でも 心に溜まったままだ

いったい いつ泣けるのか
いつまで この荷を抱えなければいけないのか
心の喪が明ければ 涙も戻るのか

この詩は 私の心情だが 文語だ
気持ちを余す所なく表せているわけではない
だからこそ 余計に歯がゆい

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