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海外進出コラム 241105|多極化する東南アジア—日本企業はどうすべき?

こんにちは。
一般社団法人Glocal Solutions Japan、代表の深野です。
 
11月4日、インドネシア国軍がロシアとの初の海軍合同軍事演習を開始したという報道がありました。10月に就任したプラボウォ大統領は、国防力の強化を重要政策として掲げています。
 
これまでインドネシアは欧米日との連携を重視してきましたが、今回の演習においてはロシアを選んだことが注目されます。今年の8~9月には米国との合同軍事演習を実施し、日本やフランス、韓国も参加していましたが、大統領就任後最初の軍事演習でロシアと協力した点は、明らかな外交姿勢の変化と捉えられます。
 
さらに、プラボウォ大統領は7月にロシアを訪問し、プーチン大統領と直接会談して外交・経済協力の維持を確認しています。そして、10月には新興国が参加するBRICSへの加盟意向も表明しました。これにより、インドネシアは多極化する国際社会での地位を高め、米欧日以外の新興国との協力も強化する方針を鮮明にしています。
 
また、先日私が訪問したマレーシアでも、現地の経営者から「マレーシアも中国やロシアとのビジネスを拡大すべきだ」という声が上がっており、実際にマレーシア政府も中国との関係を強化しています。東南アジア各国が米国、ロシア、中国と多方面で関係を築こうとする動きが加速している現状です。
 
こうした背景には、東南アジアの国々が米国の選挙後、同国が海外対応に制約を受けることを予見し、「今のうちに中国やロシアとの関係性を築こう」という戦略があるのではないかと考えています。米国の影響が制限される中で、東南アジア諸国の外交方針は日本との関係にも影響を及ぼし、変化を迫られる可能性があるでしょう。
 
インドネシアとロシアの合同軍事演習は、グローバルビジネスにおいても無視できない動きです。2025年、世界はさらに複雑化し、多極化するパワーバランスが企業戦略に大きな影響を与えることが予想されます。変化を見極め、迅速に対応する姿勢が今後の成功を左右するでしょう。
 
皆さんは、今回の動きをどう捉えますか?
 
一般社団法人Glocal Solutions Japan
代表理事 深野裕之

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