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【2/7(金)開催】長期滞在型外国人起業家等誘致プログラム(The 90 Days Kyoto Stay Program)SHOWCASE & NETWORKING EVENT

こんにちは!グローカルセンターインターン生のみぞです🐶
このnoteでは、2025年2月7日に開催された「長期滞在型外国人起業家等誘致プログラム(The 90 Days Kyoto Stay Program)SHOWCASE & NETWORKING EVENT」の様子をお届けします🎁


◯オープニング/GCスタッフHila

まずはグローカルセンタースタッフであり、この事業の担当者であるHilaさんよりご挨拶と、長期滞在型外国人起業家等誘致プログラム(The 90 Days Kyoto Stay Program。以下、「90days プログラム」)の簡単な趣旨説明がありました。

Hila:京都府が行うこの事業は、海外から来日する参加者の言語サポートはもちろん、空港での出迎え、ビザの取得補助、住む場所やオフィスの登録様々な手続きのサポート、ネットワークづくり、言語の違いによる日常の小さな困りごとまで支援体制を敷いています。90daysプログラムを通して、京都を多様な人が豊かに働き生活することができる場所にしていきたいと思っています。

◯開会挨拶/生地 悟(おいじ さとる)氏(京都府商工労働観光部産業振興課スタートアップ支援係副主査)

続いて、生地 悟(おいじ さとる)氏(京都府商工労働観光部産業振興課スタートアップ支援係副主査)から、開会挨拶をしていただきました。

生地氏:京都へようこそ!昨年度は6名、本年度は5名の起業家のみなさんに京都へ来ていただきました。皆さんのビジネスを成功させるために全力でサポートしていきたいと考えています。

・京都について
京都は有名な観光地でありながら、アカデミアの拠点でもあります。多くの大学が存在し、学生、留学生、研究者が集中している都市です。
また、世界的に有名な大企業も存在する、ビジネスのまちでもあります。

京都スタートアップエコシステム
京都には、さまざまな業種のスタートアップ企業が600社以上存在します。そしてその内の4割が大学発の企業であり、研究と起業が密接に関わっています。また、スタートアップ企業への投資額は増加傾向にあり、東京、神奈川に次いで、京都は日本3位のベンチャーエコシステムが存在するまちです。そして京都の強みは、包括的な支援体制により、ALL京都のアプローチで支援ができることが挙げられます。京都府のスタートアップ支援部門の発足から五年が経った今、外国人起業家支援にも力を入れ始め、この事業もその一部として実施しています。このグローバルな取り組みは来年度も継続して行う予定です。本日は5人の登壇者からのプレゼンを聞き、ぜひディスカッションしてください。

◯プレゼンテーション

お二人からの挨拶の後、早速参加者によるプレゼンテーションが始まりました。このnoteではプレゼンテーションの内容や質疑応答を簡易的にまとめたものを記載します📝みなさんの興味のある分野や人脈を活かせそうな分野があるかも?👀ぜひご覧ください!

▼プレゼンテーション① by Yvonne Hung (アメリカ🇺🇸)
~次世代の田舎暮らしのためのコミュニティの構築~

▼提案内容:
"小規模農業のための専用土地と共用のアメニティを備えた農村コミュニティ"

→地方移住の障壁を減らし、コミュニティ意識を育むために必要な臨界質量(=集団の中で存在を無視できないグループになるための分岐点、または変化をもたらすために最低限必要な量や数)を生み出す。

▼コンテクスト・課題観:
地方における人口減少・高齢化の問題や、若者の流出が課題として存在しながらも、迅速かつ長期的な影響を与えられるサポートの提供が現在不十分である。また、移住を検討する際には、仕事、交通機関や医療、学校、住まいなどに関する障壁が存在する。一方、オーガニック食品や兼業農業への関心の高まりも見られる。そこで「田舎町を近代的で住みやすく働きやすい場所に変える」ことを提案する。

▼求めるサポートやネットワーク:
農村復興には多くのプレーヤーが不可欠。
まずは物理的なインフラ、デジタルインフラなどを整備することが必要。地方を都会にするのではなく、住みやすい地方を作ることを目指している。またこれに伴い、さまざまな企業の誘致、テック企業と行政の連携など、官民連携の取り組みの可能性にも着目している。

▼Q&A① Yvonne Hung
~次世代の田舎暮らしのためのコミュニティの構築~

プレゼンの後は、会場の参加者と登壇者との質疑応答の時間に。

Q. 田舎というコミュニティのつながりが強い場所によそ者が入っていくのは簡単ではないと思いますが、地方でビジネスを進めるにあたって、どのようにコネクションを作り、どのように住民の人々にアプローチしていく予定ですか?

A. まず、コネクションの作り方としては、地方政府との繋がりを持ち、紹介を受けることが肝要だと考えています。また、その地域の地元の人々へのアプローチとしては、これまでコミュニティワークショップをやってきた経験を活かし、彼らと実際に対話をし、彼らにとって大切なこと、ネガティブな感情を生み出すものが何なのかをしっかり聞くことで、バージョンアップしていこうと考えています。

▼プレゼンテーション② by Eva Gorobets & Tim Rizvanov (オーストラリア🇦🇺、カザフスタン🇰🇿)
~アプリ”Art Spirits”を通したアートと文化の探究~

▼提案内容:
”各地の美術館やギャラリーが連携するプラットフォームアプリ「Art Spirits」”
→ギャラリーや美術館の情報を一元化し、ゲーミフィケーションやAI、キャラクターなどを活用しながら、日本の伝統文化に即したアート体験を提供する。

▼コンテクスト・課題観:
アートイベントやギャラリーについて一元的な情報・プラットフォームが存在しない。提案者の出身地であるオーストラリアでは、メルボルンだけでも200のギャラリーが存在するにも関わらず、それらの情報を一元的に得られる場がなかった。そこでプロダクトアプリケーションを開発し、革新的で、より没入的な体験を提供するゲーミフィケーションなどを搭載したアプリ「Art Flaneur」をリリースした。
このアプリにはゲーミングプラットフォームとしてユーザーの参加を誘導する効果があり、また、生成AIを組み合わせることで、ユーザーに個別化されたガイド、カスタマイズされたゲームなどが提供され、文化的な教育やアートの探求も可能になる。現在は美術関連施設、行政と協力的なパートナシップを組んで日本版アプリの開発を進めている。観光客の流れを、閑散としている地域や小規模ギャラリーに誘導することで、特にピーク時期などは観光客を分散させ、また、地域の小規模ギャラリーの継続的な活動支援にも寄与できる。

▼求めるサポートやネットワーク:
京都でのパートナーシップが組める連携先を求めている。
京都府との緊密な連携によってアート/文化イベント主催者や事業/施設運営者、観光団体と繋がりたい。また、民間のビジネスとも協力し、例えば、日本版アプリの代表キャラクターをどのような姿にすべきかなど、日本の近代アートを踏まえた上で、日本の伝統文化に即したキャラクターづくりをしたい。またアプリ自体を発展・開発できるエンジニアのサポートも求めている。京都はアートイベントが多くあり、ゲーム文化が非常に強く根付いている街であり、ゲームと現代芸術、歴史的な文化との融合をアプリで体現できる可能性を期待している。そのためにソフトウェア開発者やローカルのコミュニティを熟知した人と共にアプリの開発を進めていきたい。全く新しい未知のものを作るというより、地域の文化に根差した、親和性が高く、調和のとれたものを作りたいと考えている。
すでにアプリストアで展開しているもArt Flanurもあるが、今回開発を進めているArt Spiritsはテスト版を2025年第二四半期までにリリース、2026年には完全版をリリースしたいと考えている。収益化ツールの拡張も検討中である。今はiOS向けアプリにとどまるが、世界の6000ものアートスペースと連携したデータベースは構築されつつあり、AIの基礎インフラも構築済みである。既存施設との競合ではなく、既存施設のエンゲージメントを高めるために協働していきたいと考えている。

アプリに登場するキャラクター

▼Q&A② by Eva Gorobets & Tim Rizvanov
~アプリ”Art Spirits”を通したアートと文化の探究~

Q. 高齢の文化施設管理者に対してはどのようにアプローチしますか?古い考えを持つ人を変えるのか、新しい考えを持つ人に協力するのかなど、どのようなアプローチを考えていますか?
A. 両方にアプローチしたいと考えています。
既存の手法をただをアプリに置き換えるというわけではなく、新たな観光客、若い人を呼び込みたいというニーズに応える形で、共存・連携していくというニュアンスで広めていきたいと考えています。

▼プレゼンテーション③ Michelle Chan (オーストラリア🇦🇺)
~京都の過疎地域で人々の健康を促進する~

▼提案内容:
京都の田舎で人々の健康を促進する
マインドフルネスを通して人々の心身の健康に寄与する

▼コンテクスト・課題観:
提案者(Michelle)自身、これまで10年間ほど、ロンドン、オーストラリア、香港、日本など世界各地でマインドフルネスやヨガスタジオの仕事に取り組んできた。提案者自身がブランドになり、これまでの経験を活かして、インターナショナルな人間として、京都という地域でマインドフルネスの実践をサポートしたい。学校、老人ホームや民間企業など、さまざまなセクターに関わり、マインドフルネスを通して参加者自身のなかに平和を見出す手伝いができると感じている。

▼求めるサポートやネットワーク:
マインドフルネスに興味があるみなさんとコラボレーションしたい。
マインドフルネスには、特別な施設やアメニティも必要ないため、コラボレーションのハードルは高くない。ぜひここにいるみなさんをはじめ、京都の様々な人と仕事をしたい。

▼Q&A③ Michelle Chan 
~京都の田舎で人々の健康を促進する~

Q. 地方と都会ではアプローチが異なると思いますが、どのように地方と関わっていこうと考えていますか?
A. まず彼らの声に耳を傾けることが大切だと感じています。適切なアプローチでさまざまなバックグラウンドの人との対話から始めたいです。

Q. あなたのビジネスで一番ユニークな点を教えてください。
A. 国際的な視点とバックグラウンドを持つ私自身が付加価値であり、このビジネスの独自のポイントだと考えています。私の経験を活かして海外のさまざまな事例を提示しながら、また、京都の人から日本の文化を教わりながら、お互いに学び合うことができるのではと考えています。

▼プレゼンテーション④ Ludan Mndoor (スーダン🇸🇩)
~日本の高度な医療機器/医療技術をアフリカへ~

▼提案内容:
日本の高度な医療機器/医療技術をアフリカの医療機関に導入する
→現在経営中のRafeef Medical Companyの事業の一環として京都に滞在し、医療機関や医療機器メーカとのネットワークを構築することで、医療分野におけるアフリカと日本の協力関係を築く。

▼コンテクスト・課題観:
2010年スーダンで設立したRafeef Medical Companyは、医療施設の設計、医療機器の供給やアフターサービス、医療コンサルティングプランなどを提供する会社で、現在はルワンダやケニア、南スーダンまで活動を広げている。さらなるサプライチェーンの構築のため、高度な医療技術を誇る日本/京都でネットワークを模索したい。

▼求めるサポートやネットワーク:
地域の企業、民間の医療機関、政府の医療機関、医師、また個人のみなさんとのネットワークの構築、連携を求めています。

▼Q&A④ by Ludan Mndoor
~日本の高度な医療機器/医療技術をアフリカへ~

Q. 西日本は医療機関も多く、マーケットが飽和している状態のため、その規模を縮小していこうという政府の動きもありますが、なぜ京都という土地を選んだのですか?京都で何をしたいと考えていますか?私自身も大学で研究をしており、何かコラボできる余地があるのではないかと考えています。
A、今回の滞在は調査が主な目的です。日本の技術は他国市場と比べて高い技術水準を維持しています。アフリカに日本の技術をぜひ導入したいという想いが一番強いです。CTスキャンやMRIについての技術やノウハウはすでに持ち得ていますが、その他の最先端の医療技術についても知りたいです。

Q. 日本の医療機関や医療機器をアフリカに導入するという点について、様々なソリューションが考えられますが、特にアプローチしたいセクターはありますか?
A. 主なセクターとして考えているのは官民両方です。京都のローカルマーケットに対しての知見を深めたいと思っています。

◯クロージング

全員のプレゼンが終了した後は、Hilaさんからクロージングの挨拶があり、緩やかに交流タイムとなりました✨

◯交流会スタート

プレゼンテーションの後は、8F DAIDOKOROに移動し、飲み物や食べ物を楽しみながら、賑やかな交流会を開催しました!

▼乾杯の挨拶/Ueda Sesto氏(KIEC(Kyoto International Entrepreneurs Community/外国人起業家コミュニティ)

後半は、Sesto氏から乾杯の挨拶をしていただき、交流会がスタートしました!🍻

後半の交流会はKIEC(Kyoto International Entrepreneurs Community/外国人起業家コミュニティ)とのコラボ企画となりました。

KIECは、外国⼈起業家、国際的な視野を持った⽇本⼈起業家、そしてそのような起業家たちを⽀援する個⼈、団体やシステムを作る側である⾏政が横断的に集い、ゆるく繋がるコミュニティを醸成するため2018年12月にHilaさんがスタートさせました。現在はSesto氏と共に、参加者それぞれが持つ情報や経験、多様なアイディアをシェアすることができるオープンな場として、月に1回のイベントを開催しています。

▼交流タイム

飲み物や食事を片手に、プログラム参加者とイベント参加者が話し込む場面も見られ、新たなつながりが生まれている場面も多くありました👀 登壇者の今後の活動の一歩目として大変有意義な時間となったのではないでしょうか。

▼終わりの挨拶/安達 雅浩 氏(京都府商工労働観光部産業振興課課長)

交流会の最後は京都府の安達氏から、イベントに参加いただいた皆さんへの御礼の挨拶をいただき、日本の文化である「三本締め」について説明があった後、安達氏の音頭により参加者全員での三本締めによって笑顔溢れるフィナーレを迎えました👏

90daysプログラムの参加者はこれから、京都でどのようにそれぞれのビジネスを始め、広げていくのでしょうか。今後の活躍にご期待ください👀

執筆者
グローカルセンターインターン
溝川彩夏


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