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高校生アクティブラーニングプログラム「Glocal Shift Programme2021 体験会」(12/24)in宮津市☆

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こんにちは、インターン生の高津です。2021年12月24日(土)に、京都府宮津市で、高校生対象のアクティブラーニングプログラム「Glocal Shift Programme 2021体験会」を行いました。
これは、次年度も開催する一般財団三菱みらい育成財団助成採択事業の「Glocal Shift Programme~君が世界を変える、君の世界を変える~」を1日で体感できるように短縮した体験版のプログラムです。京都府北部の学生さんとの繋がりが生まれとても充実した1日でした。本記事では当日の様子をみなさんにお届けします。

①チェックインとSDGsカードゲーム

 まず初めに、スタッフの木下さんからグローカルセンターの体験会の趣旨を説明した後、グループごとに分かれてチェックインを行いました。チェックインでは、「名前+呼ばれたい名前、学校名、今の気持ち、今日期待していること」を話し合いました。このチェックインの目的は、①参加メンバーが今の素直な気持ちや状況を把握しあうことでお互いを気遣いやすくすることと、②1人1回発言することからスタートすることにより、自発的に発言しやすくすることです。

▼今の気持ち(一部抜粋)
・学校の講習がさぼれたのでラッキー(笑)
・昨日ちゃんと寝たけど眠たい
・冬休み始まって、何もしてないから今日頑張る
・来る前に外で遊んでいたので暑い
・朝エアコンをガンガンにしていて、頭がボーッとしている

▼今日期待すること(一部抜粋)
・他校のイケメンが来るかなっておもっていた(笑)
・イベントを通して自分の視野を広げたい
・いろんな人と話して、SDGsについて考えたい
・今日一日頑張る
・色んな人の意見を聞いて、考えるきっかけにしたい

 冬休みに入ったばかりの高校生のリアルな気持ちや、この会に対するモチベーションが伺えます。チェックインは、“かっこいいこと”や“きれいなこと”を言う必要はありません。ありのままの自分を表現して、そんな自分を周りに知ってもらうことが一番重要です。抜粋した言葉の一番上の発言は、そこから先のグループワークの発言のハードルを下げることに繋がったと、私は思います。

 チェックインの後は、SDGsカードゲームを行いました。グローカルセンターのスタッフの木下さんは、SDGsカードゲーム公認ファシリテーターとしての資格を取得しています。そのカードゲームを体験することを通して、SDGsと社会システムをシミュレーション形式で学びました。

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このゲームを通して、高校生は次の2点を学びました。

-「世界はつながっている」そして「私も起点」
見える、見えないに関わらず、自分の行動が世界を動かしていて、だからこそ、一人一人の選択がとても重要です。

-「共有することによって行動が変わる」
世界の状況と自分の国の状況を「見える化」することで、一人一人の行動に変化を促します。SDGsとは、社会の課題、各国の課題に対する進捗を「見える化」することにこそ大きな意味があります。

☛SDGsカードゲームの詳細は本記事では省略しますが、グローカルセンターでは、年に複数回開催していますので、興味のある方は、ぜひ参加してみてください😎

②熟議

 熟議パートでは、京都産業大学の法学部教授、中谷真憲先生から「公共性から考えるSDGsの本質」について講義を行ってもらいました。SDGsとは、2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。これは、ここ数年メディアでも取り上げられることが多くなっているので、多くの人が知っていることと思います。実は、この開発目標が2001年に採択されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継であるということは、あまり知られていないのではないかと思います。MDGsは一定の成果を上げたものの、世界にはまだまだ解決すべき課題が山積していました。その残された多くの課題を解決するためにSDGsへの取り組みが推し進められています。
 熟議では、そのようなSDGsの背景知識だけでなく、次のようなことを考えさせられるものでした。

SDGsって何?
①究極のきれいごと?②ビジネスの道具じゃない?

また、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」で示されたSDGsの重要な特徴として、SDGs達成に企業が果たすべき主要な役割が認識されています。そのための企業にとっての重要な指針として、「SDGs Compass」というものがあり、その冒頭で、潘基文(元:国際連合事務総長)は次のように言及しています。

「企業は、SDGsを達成する上で、重要なパートナーである」

このように、メディアやSNSで広く認知されている「SDGs」の裏にある背景や、本質についてを中谷先生に講義して頂き、高校生にとって、大変学びのある時間だったと思います。

③ブレインストーミングと課題解決型ワーク

 熟議の後は、ブレインストーミング(以下:ブレスト)と課題解決型のワークを行いました。ブレストとは、複数人でアイデアを出し合う手法のことです。このパートでは、面白法人カヤックさんが開発したブレストカードを用いて、楽しみながらアイデアをたくさん出す術を学びました。


 例えば、ブレストカードでは、次のようなお題とカードが提示されます。
「昨日見た夢を教えてください(架空の夢)。」

ブレストカード1

ブレストカード2


このカードを見て「昨日見た夢なんですけど、1900年に戻って、ディスコで踊ってました」のように、即興でアイデアを出す訓練を行います。それをカードと発言者をどんどん変えながら、進めていきます。そこで重要なことは、「①質より量を重視すること、②全力で乗っかる」です。これらを通して、グループにとって心理的に“安心安全な場”をつくることで、その後の課題解決型のワークで、お互いに意見を出しやすくすることが狙いです。

☛本記事を読んでいる方も実際に挑戦してみてください😏

「昨日見た夢を教えてください」

ブレストカード3

 ブレストカードで、心理的安全性を構築した後、課題解決ワークを行いました。今回は、4つの課題と4種類のアクターから、各グループ1つずつを選んでもらいました。そして、「テーマ(問題)」から「課題」を抽出し、それを解決するための解決策を考えてもらいました。

【4つの問題】
①海洋プラスチック問題
②気候変動の問題
③貧困の問題
④ジェンダーに関する問題

【4種類のアクター】
①アパレル業界
②小売業(スーパーなど)
③IT企業(ソフトウェアをつくるなど)
④政治家

 本来であればテーマ(問題)やアクターは自分たちで考えるのが一般的ですが、今回はテーマはあらかじめ選択式にし、さらに解決策のアイデアを生み出しやすくするためにあえて、制約条件としてアクターも選択してもらいました。
 さらに、(テーマ)問題を決めたら、そこでの具体的な課題を考えてもらうようにしました。問題は、現状と目標における漠然としたギャップであり、解決策を出すには具体性という点でまだ不十分であるからです。例えば、「教育格差に関する問題」と一口に言っても、「親の収入による再生産のシステム」についてテコ入れをするのか、「子どもたちの勉強のモチベーション」について着目するのかなど、より具体的な「課題」を特定する必要があります。つまり、漠然とした問題状況から解くべき課題を抽出することが必要です。
 
 高校生の多くのチームは、ジェンダーの問題について取り上げるチームが多く、これは意外な光景でした。集まった高校生は、ジェンダーへの問題意識が高く、その感度には驚きました

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本記事では、一般財団法人三菱みらい育成財団助成採択事業の「Glocal Shift Programme~君が世界を変える、君の世界を変える~」を一日で体験できるよう短縮版にした「Glocal Shift Programme 2021体験会」の様子をご紹介しました。社会が高度に複雑化し、数年後の世界も予想できない中で、学校の学びを飛び越えて、社会の問題について高いレベルで対話・議論する様子が見られ、自分にとっても非常に学びのある時間になりました


 来年度の本プログラムの募集がもうすぐ始まる予定(2022年の3月末予定)です。高校生の方は、ぜひ学校を飛び越えた学びの場で、社会問題について、一緒に考えてみませんか?😊

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