「風をよむ」吉積勇人先生(Ver.11)寄稿文インタビュー編
こんにちは、行元です。「GLOCAL CENTERって何をしてるの?」とよく聞かれます。大切な関係者のみなさんから語られることばを通じて自分たちを見つめていきたいと思いスタートしたこの企画。
🖋バックナンバー(第10弾):生田グローバル株式会社代表取締役 喬 彬さん
第11弾は、大学時代にニュージーランド(以下、NZ)🐑へ留学、高校の先生になるも、28歳の時「キャリアチェンジできる」としたら今!と一念発起。モラトリアム期間として設けJICAで2年間ネパール遠征を経て、「高校生ってだれも"大人がこだわっている勉強の教え方"はみていない。人間力を鍛えよう」人間としておもろい人へ!という想いで、現在、府立高校の職員を務める吉積勇人(よしづみはやと)さん。
ご自身のことを、「色んなことを表現し、自分が持っている知識や経験で誰かが前向きになったら嬉しい人間。」と・・・
インタビュー形式で幼少期から遡り色んなお話をお伺いしました。
それではどうぞ!
高校の頃。これまでのターニングポイント
当時は、まったく勉強していなかったそうです。
高校は、私服、髪色も自由!幼少期は広島で過ごし、転校先ではバスケが盛んな小学校へ。中学時代からバスケが好きだったけれど、中学ではバスケの指導者がおらずスポーツも勉強も身が入らない日々・・・
そして受験へ・・・
HIPHOP「浪人なんか、どんどんしたらええねん!」
当時の予備校の先生のこの言葉をきっかけに、全然勉強しなかった人間が勉強に力を入れはじめ、 "1日なにかしら学ぶ=勉強する体力" がついたそうです。その後、志望校の合格は叶わなかったものの改めてバスケットに熱が入ります。そして時は、HIPHOPブーム。どこまで腰パンできるか、ダボダボにできるか。HIPHOP・洋楽にものめり込みます。反骨精神・HIPHOP 「認めてたまるか!」という想いがいつも根底にあったといいます。
異文化へ興味を持った原点
振り返ると異文化への原点は、HIPHOPがきっかけで英語が好きだったことだといいます。また、人間関係の希薄さに、もんもんとすごく悩んだ高校時代。広島から京都へ転向し、学校の中で、言語的なちがいを敏感に気にしながら生活をしていたそうです。
言葉と本意や表情が一致しない時に、その出来事を反芻してまた観察をしての繰り返しだったそう。そこから同じ日本でも異なる文化を捉え自分で立ち回る力が養われそうした経験が、後に海外へ吉積先生を導きます。
斜に構えてる大学時代「自分の正しさとは?」
そんな吉積先生は大学当時、卑屈で自信がなかったといいます。英語の学習の動機は、TOEICやらないとの一心。柔軟性のかけらもなかったそうです。世の中のメインストリームを否定して、自分がいいと思うものはみんなわかってくれない!と斜に構えてる大学時代だったそう。
そんな大学2回生の時に、NZに半年滞在。
そして28歳でJICAの特派員としてネパールへ。度重なる異文化との遭遇を経て、外に行けばいくほど自分だけが正しいという想いが薄れていったそうです。
外国に行って見えた景色と問い「豊かさとは?」
NZではどれだけ忙しくても両親が子どもと食事をとる。ネパールではお金があればあるほどいいというものではなく、穀物が取れ、お金を稼げなくても生活ができる。困っている人がいたら膝にのせてあげる。そこに共通して人間らしい、手触りのある確かな温かみを感じたそうです。
一方日本では皆が携帯を持ち始め、自分が目にしたこともない人と気楽に連絡が取れるようになり、テクノロジーを介して多くの個人・情報とつながる日々。持ってるものはどんどん良くなっているのにこれでいいのか?とずっと考えていたそうです。友だち関係も、繋がっているようで繋がっていない感覚を覚えたそうです。
日本社会の人間関係の希薄さに悩み、海外の転機を迎えるごとに自分の目指したい豊かさがお金だけじゃないことに気づいたそうです。
日本以上に非合理な文化!?
NZはじめ英語圏の国に行くたびに、「日本に帰ってきたら他人の目線を気にしないといけないし、不文律のルールが多くて、合理的じゃないよな~。」と感じていた吉積先生。そこには「海外の人=英語圏の人」という方程式があり、「彼ら彼女たちは合理的だし、自分の意見を表明してはいけないことなんてない!海外=合理的なマインドで接するのが正しい。」と思っていたそうです。
だがしかし!!!28歳で訪れたネパールでは日本以上に非合理的なことが多かったそうです。
ネパールで直面したのは、先進国の正しさや「どうかんがえてもこうでしょう」が通じない現実。海外=合理的なマインドで接するのが正しいの方程式が崩れ矛盾に苦しむ自分に出会いました。
最近、自分ほど信じられないものはないと思うようになってきたとという吉積先生。世の中にはいろんな考え方があり、自分の考えが適応できる範囲の狭さを痛感しているそうです。
🌐GLOCALと私、高校とNPOとの連携可能性
さてみなさん、サンデーモーニングという番組をご存じでしょうか?
その番組の中で吉積先生の唯一好きな時間帯に『風をよむ』というコーナーがあるそうで、この「風をよむ」の言葉が好きだそうです。
次代の風を読むことは、常にやらないといけない。生徒のためでもあるし、風をよむという努力は欠かしてはいけない。でも「学校も時代の風をよむ」を自分なりに考えたとき、学校には限界がある。と話して下さいました。
また、青春18きっぷのポスターに書かれた「自分の部屋で人生なんか考えられるか」を見たときに、まさにこれに自分の思うことがすべてが詰まっている!学校と部屋の往復で、夢を持ちなさいなんて無理だ!と一目見たときから共感したそう。
https://twitter.com/18ticket_prbot/status/1166760847386918912
結局私達が視野を拡げるには、見たこと・聞いたことから学ぶしかない。でも学校では国数理社の授業とクラブ活動でしか視野の裾野を拡げられない。学校には、多様性もなく、経済性(リアルな社会)もない。既存の学校が良く語っているようなことが綺麗事であることを生徒は見抜いていると吉積先生。
本当に学校に来る意味とは?学校来なくても勉強できる時代に、なぜ学校にいきたいと思うのか?それは、刺激!いざ来ないでいいよと言われたときに、いきたいと思う。そういう本能が生徒にはあると言います。話を聞いてほしい、話をききたい。会ってリアルに感じたりいらいらしたりする人の営みがある場所。あ~それそれと思う提案がでてくる場所。そんな生徒が求めている場所は自分たち教師だけでは作れない。「だから、グローカルしかない。」と思ったそうです。
企業のCSR SDGsも自社だけではなかなかできない。みなさんどうされているか?既存のNPOに連携を求めるケースも多いのではないか。自分ひとりでできることは限界がある。そして自分が思いつくことはすでにある可能性もあることも多いとお話しくださいました。
グローカルセンターとの特徴は「空気感。」
決めるのは生徒、あくまで僕たちは様々な選択肢に出会える機会を提供しているだけだよ、という謙虚さ。高校生に対して一歩俯瞰している空気、何かおきるんじゃないか?というワクワクを感じさせる場がグローカル・QUESTIONにはいつもあるのが魅力的とお話しいただきました^^
これからやってみたいこと!
生徒には、自分の手の届く範囲で気持ちいい時間をすごしてもらいたいそう。一歩外に出たら学校の先生という立場には難しさが生じるが、リソース経験を勤務校だけに閉じるは勿体ない。境界線はもっとあやふやでいいから届けられるものは届けたい。と話してくださいました。
個人として、境界線のギリギリまでいってみたい!と。境界線を強く、高く太く設定すればするほど見落としてしまう、境界線が曖昧な何かがある。複雑なものを複雑なものとして向き合い続け、最終生徒に対して背中を見せ続けていく想いで、ミドルエイジおにいさんとしていつでも僕ができることはなんでも!とPOPに宣言頂きました。
GLOCALメンバーへ
「いい背中みせていきましょう!」
編集後記)ゆきもと
斜に構世代(ゆとり第一号世代)と語る吉積先生(1987生)は。私(1988年生)と同世代!中高で聴いていた音楽がHOPHOP、インディーズ、ガガガSP、銀杏BOYZ、モンパチなど懐かしさを感じつつ、お話を伺いながら色んなことがフラッシュバックしていました。
大人は「個性が大事。ひととちがうことしましょう。」と言いながら既存のルールは変えない。クラブでは、上下関係を強く意識するシーンがありながら、不良文化がかっこいいと憧れた(80年代90年代ほどではないけれど)。でも、それが本当に個性なの?って思ってたところもあったというお話しにに、そして
という吉積先生のこの言葉にもとっても共感しました。
京都市内のイノベーションンキュレーター塾でアグティ斎藤さんに出会いグローカルを知り、スタッフのきのPを通じて、毎年高校生の探求学習シフトプログラムに例年パワフルな学生を送り出していただいて・・・全ては本当にうれしい繋がりです。
「豊かさ」とはなにか?
まさにこの、関係性だなと思います。これからも同世代として宜しくお願いします✨
続いて、、第12弾は高校生が登場!(予定)