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【10/23開催】2mmずらして考える会の様子
こんにちは、グローカルセンターインターン生の高津です。
本記事では、10月23日(月)にStudents Labで開催した「2mmずらして考える会」の様子をご紹介します。今回のワークショップの司会進行は、インターン生のみぞ(溝川彩夏)が行い、みさきちゃん(伊原実咲)はグラフィックレコーディングを行いました。
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2mmずらして考える会とは?
2mmずらして考える会とは、「普段見ている物事や景色を2mmずらして考えてみよう!」というコンセプトで生まれた対話の会です。グローカルセンターの当時インターン生だった三谷くん(現在のスタッフ)とMeikaさんの「お金ってなんだろう?」という問いからスタートし、これまで様々なテーマが話し合われてきました。参加者は普段の学校生活の中で感じている違和感や、悩み、人に共有したい知識、人と議論したいテーマなどを持ち寄って、2mmずらして考えながら、話し合います。
▽今まで話された問い
・お金とは
・資本主義について
・日本の就職活動について
・ちゃんとした大人って?
・なぜ他人と比較してしまうのか
・やりたいことの見つけ方
・GLOCAL人材とは?
今回は、高校生3名、大学生4名とインターン生を含めた10名で行いました。まずはじめにチェックインとして、参加者全員で円になって「呼ばれたい名前・所属」、「今の気持ち」、「この秋に食べた一番おいしかったもの」を共有しました。
▼今の気持ち(一部抜粋)
・お腹すいた
・ここに来たの初めてなので緊張している
・ワクワクしています
・少し眠たい
・最初来たとき1人だったので、人が来てホットしてます
▼この秋に食べた一番おいしかったもの(一部抜粋)
・サンマ
・お刺身
・バイト先のキャベツしか入っていないチャーハン
・果物の柿
・かぼちゃのチーズケーキ
・お芋のパフェ
そして、今回、話し合いたい「問い」をホワイトボードに記入してもらい、投票を行うことで、以下の3つに決まりました。
夢はいつまでに決めればいいのか?
不器用は治せるのか、治すべきなのか?
勉強する意味は?
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全体での対話の様子
3つの問いのうち「夢はいつまでに決めればいいのか?」は、全員で話し合いました。その際は、以下のルールに沿って進めました。
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まず、この問いを考えた人に、どういう意図でこの問いを考えたのかを共有してもらいました。その話によると、大学に進学したものの、自分が思い描いてたものとは全然異なり、就活を迎えても特にやりたいことが定まっていない中で、この問いを持つようになったそうです。そこから、参加者全員で、その問いの答えを探究しました。
ダイジェスト1:夢って持つ必要あるんだっけ?
対話の中で、大学生の1人が「夢はいつまでに決めればいいのか?」に含まれる、問いの前提に対する疑問を全体に投げかけました。
大学生:そもそも、みたいな話したいんやけど。夢って決めないといけないのか?
ほかの参加者:おおー(笑い)
大学生:というのと、さっき、結局未来なんてわかんないって話してたし、夢って決められるの?
高校生:あーたしかに
大学生:僕は夢ってそんな決められるものでもないし、決めなくてもいいんじゃねって思っている派で、なんか夢を持たないといけないっていうので苦しむパターンが周りにいっぱいあるような気がする
高校生:たしかに
別の大学生:夢を定めることで、それと自分のギャップにしんどくなるとか?
大学生:そう、それがすごい力に変わって前に進めるというのもあるかもしれないけど、それ(ギャップ)に苦しんでいる人のほうが多い気がする
みぞ:夢と現実のギャップとか、夢を持たないといけない強迫観念に対する苦しみ、モヤモヤ、葛藤を持っている方もいるかもしれないですね
個人的には、このように「そもそも論」を考えるのは、問いを構成する小さな問いを分解する=問いの素因数分解に繋がるため、とても大切だと思います。実際、高校生からは、次にあるような、面白い視点が出てきました。
ダイジェスト2:いきなり魔王を倒すのは無理じゃないか?
高校生:たぶん、それ(夢とのギャップ)ってドラクエで言う、いきなり魔王を倒せって言われてるようなもので、例えば、魔王を倒すまでにも中ボスとか、ある町に行って町の人の悩みを解決してあげてとか、色んなステップを踏むじゃないですか。そういうちっちゃい事とかステップを決める、プチ夢を決めるというのは大事だと思う
大学生:たしかに
高校生:プチ夢、プチ夢、プチ夢、でっかい夢みたいなステップの踏み方は大事かなと思います
別の高校生:なるほど。私の夢でたとえると、私は海外移住する夢があって、それは日本の教育とかがあまり自分に合わないと思っているから。その時、海外移住がゴールじゃなくて、自分にあったものを見つけるというのが大事やと思っている。だから、夢の手前のものが大事かなって思う
大学生:何のために自分はその夢を持っているのか、みたいな?
別の高校生:そうです、そうです!
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ダイジェスト3:夢って変わりませんか?
この問いが出るまで、夢は変わらない、不変的なものとして、話されてきましたが、それについても、疑問が投げかけられました。
高校生:めっちゃ、ひっくり返すようなこと言っていいですか。ぶっちゃけ、夢って変わりませんか?
別の高校生:変わる、変わる
高校生:僕はいまの商業科の高校にいくとき、中学生の自分は「絶対起業家になって、めっちゃお金を稼いだろ」って思っていたけど、1年生の時に、経営のことあまり学べなくて、つまらないなって思った。そして、今年の夏休みにマレーシアに行って、海外とかいろんなところを旅したいなって思い始めた。そんな感じで、趣味とか夢って時間と共に変わるし、小さい夢を都度、更新していくくらいでいいんじゃないかと思います
みぞ:めっちゃいい
大学生:保育園のときは恐竜博士になりたかった(笑)。そっから水族館の飼育員になりたいなってなったけど、成長するにつれて、どんどん現実の情報が入ってくる
別の高校生:それはそうですね
大学生:この仕事は稼げないとか、この仕事には、資格が必要だとか、夢を抑制する情報がどんどん入ってくるから、昔みたいなピュアな夢っていうのはなくなってきていて、そういう意味でも夢は変わるよね。でも、夢がコロコロ変わるってことは、決まるタイミングもいっぱいあるのかもしれない
2mmずらして考える会における対話の目的は、探究する問いに対してメンバー間の共通の合意を構築することではありません。むしろ、違いや、ずれを認識しながら、各自が自分なりの答えを持ち帰ることです。その点、今回は、このように全体で対話する時間を設けることで、その違いが浮き彫りになりながら、深い話し合いができたと思います。また、全体の対話の際は、インターン生のみさきちゃんがグラレコで内容を可視化してくれました。
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グループごとの対話の様子
全員で対話を行った後、2グループに分かれて、それぞれ下記の問いをもとに対話を行いました。
不器用は治せるのか、治すべきなのか?
勉強する意味は?
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ここでは、前者のグループの様子を少しだけご紹介します。
この問いを出した学生は「仕事をするときに、みんなが1回でできることが自分はできない。そのようなときに、苦しくて、弱みとして『不器用』を直せるのか、と思った」という背景を共有してくれました。
グループで話し合ったこととしては、「器用」=「うまくできる」という意味を指すことが多いと思いますが、その「うまくできるようになること=対象」は、一定の領域固有性があるのではないかということです。例えば、身体的な技術なのか、勉強する時のスキル、仕事におけるスキル、あるいは、対人関係スキルなど、領域の分解はできるはずです。このように、1つ1つのスキルの領域を考慮すると、「不器用」という一言で片づけずに、自分が得意な部分(強み)や不得意な部分(弱み)を理解できるかもしれません。
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また、器用や不器用というのは、他者との比較から相対的に判断ができるものであると考えると、「不器用は治せるのか、治すべきなのか?」という問いではなく、「どうすれば人と比べなくなるのか?」という問いを考える必要があるという話になりました。こうして、問いをリフレーミングすることは、文字通り2mmずらして考えることであり、新たな答えが想起されるため、非常に大切なことだと思います。
ふりかえり
最後には、全体でふりかえりとチェックアウトを行いました。
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チェックアウト
▼今の気持ち(一部抜粋)
・2mmずらして考える会だけど、メートル単位で考えたり、確かにという気づきがあった
・また参加したいなと思った
・新鮮で本音で話せた
・このような会に参加するのが楽しかった。また参加したい!
・知らないことを知るのが好きなので、違う学校、違う学年と同じテーマで議論して、自分が立てない視点がでてきて学びになった
▼一番印象に残っている事
・1年前と比べて、人の考えを昇華できるようになったと思う
・人の意見をかみ砕いて発言することがもうちょっとできたらいいなと思った
・本音で話せる瞬間があったので、それがいいなと思った
・「不器用は直せるのか」というテーマで、私の悩み相談会みたいになった
・「勉強」について話した時、学校っていいところも悪いところもあるんやなと思った
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記事の終わりに
今回は、久しぶりの2mmずらして考える会を実施しました。また、今回の対話の仕方として、グループに分かれて話すだけでなく、参加者全員で対話する時間も設けました。それはまさに、哲学カフェのようなイメージで、集まったメンバー全員の立場や考え方を大切しながら、2mmずらして考えるダイアログだったと思います。
次回は、11月末頃にできればいいなと思っています。皆さんも、日々感じている悩み、疑問について、一緒に話し合って、自分なりの答えを一緒に探究しませんか。
執筆者:
グローカル人材開発センター インターン生
大阪大学 大学院人間科学研究科 博士後期課程1年
高津 遥