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エチオピアでおきている内戦

海外支援
紛争下にある Ethiopia(エチオピア)には長いあいだ海外からの支援物資が届きませんでした。

””海外からの支援”って実は結構難しくて、たとえば、いままで植民地支配が強かった地域なんかは、”もう二度と植民地支配は許さない” という国のプライドがあったりして、海外から支援されることを拒絶する国もあったりします。

Ethiopia(エチオピア)も例外ではなくて、インターネットや電話回線などが国に制限されていて海外へ情報が届きにくかったり、国連の難民キャンプへのアクセスが規制されていたりします。

そんなこともあって、海外支援って実行するのに時間がかかる場合があります。

でもそもそも、Ethiopia(エチオピア)でなにが起きているのでしょうか?

紛争の概要
一言でいうと、国の新たな方針をめぐった、

Ethiopia(エチオピア) の北にある Tigray(ティグレ) 地域
vs
Ethiopia(エチオピア)政府

の戦いといった感じです。

まず、The Tigray Liberation Front(TPLF) という Tigray(ティグレ) 地域を統治している組織があるんですね。

で、その組織がけっこう強くて、1991年くらいには Tigray(ティグレ) 地域だけでなくEthiopia(エチオピア) の首都 Addis Ababa(アディスアベバ) まで勢力をのばしていたんです。

この頃、Ethiopia(エチオピア) の首相は The Tigray Liberation Front(TPLF) の勢力を尊重しながら、Ethiopia(エチオピア) をまとめていたんですね。

でも、その首相が 2012年に亡くなってから数年たって、Ethiopia(エチオピア)政府が首都 Addis Ababa(アディスアベバ) における力を広げていくんです。

このあたりで The Tigray Liberation Front(TPLF) と Ethiopia(エチオピア) 政府のあいだで勢力争いが垣間見えてくるのですが、極めつけは2018年にAbiy Ahmed という人が首相に選ばれたあとです。

新制度と勢力争い
Abiy Ahmed 首相の願望は ”国の勢力を一つにまとめて平和を取り戻すこと”。

これって、Ethiopia(エチオピア) 政府が首都 Addis Ababa(アディスアベバ) に勢力を集めることを意味していて、The Tigray Liberation Front(TPLF) にとっては自分たちの勢力を脅かす可能性があるんです。

特に Abiy Ahmed 首相は The Tigray Liberation Front(TPLF) の軍事活動に対して強気の姿勢を示していて、国の仕組みを根本から変えようとしてきました。

とくに Ethiopia(エチオピア) には多くの民族がいて、民族が地域ごとに分散しているので、”国を一つにまとめたい首相” と “自分たちの統治を継続したい地域勢力” で争いがおきているわけです。

ちなみに、Abiy Ahmed 首相は 2019年にノーベル平和賞を受賞しています。受賞理由は彼の "隣国 Eritrea(エリトリア) との国境紛争や Ethiopia(エチオピア)での内戦の解決ににむけた平和活動”です。

一見すると、平和にむけて進んだようですが、The Tigray Liberation Front(TPLF) は "Eritrea(エリトリア)が Abiy Ahmed 首相を軍事支援している" と考え、Eritrea(エリトリア)にまで軍事攻撃の幅を広げてきているんです。

こういった事情から Eritrea(エリトリア) は Ethiopia(エチオピア)から軍を撤退することを決めたようです。

参考: Al Jazeera English, BBC News, CNN, DW News

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