リビヤとアラブの春
独裁政権を倒したものの、明確なリーダーがいなくなったことで、さらなる混乱に陥っているLibya(リビヤ)ですが、今日Libya(リビヤ)の国連代表の交代が発表されました。
これはどんな意味を持っているのでしょうか?
アラブの春
まず、2011年にあったアラブの春において、Libya(リビヤ)も独裁政権を倒すプロテストをおこない、長い間独裁政権をにぎっていたMuammar Gaddafiを倒したんですね。
そして2012年に行われた選挙でGeneral National Congress (GNC) という政党がLibya(リビヤ)を引っぱっていくことになったのですが、国の法を作ったりするのに手こずったりして、国が上手くまとまらなかったんです。
そこで2014年にもう一回選挙があって、今度はThe House of representatives (HOR) という政党が国のリーダーとして選ばれるのですが、General National Congress (GNC) 政党がこの選挙結果を "不正だ" と拒否するんです。
で、General National Congress (GNC) 政党が The House of representatives (HOR) 政党を国の東側にあるTobrukに追いやるんです。ここで首都Tripoliのある西側とTobrukのある東側で二つの政党の対立構造ができるわけです。
紛争に発展
この国政内での対立が多くの市民を軍事行動に導くんですね。実際、Libya(リビヤ)では多くの軍事組織が国の軍隊とは別に活動しているんです。
混乱を見かねた国際連合がここで動きます。
2015年に、国連の先導でLibya(リビヤ)のリーダーとしてGovernment of National Accord (GNA)がつくられます。
でも、General National Congress (GNC) 政党と The House of representatives (HOR) 政党はこれを認めず、市民は国政の対立に不満が爆発し、続々と軍事行動をしていきます。
外国の影響力
ここで重要なのが、Libya(リビヤ)がアフリカで一番石油がとれる地域なこともあって、海外の国が自国の経済的な利益を守るために、Libya(リビヤ)内での軍事行動をサポートしてたりするんです。Libya(リビヤ)も石油の輸出に支えられている国として外国を拒絶するわけにもいかない。で、各国がそれぞれの軍事組織や政党をサポートするので、混乱がさらに深まるわけです。
そしてGeneral National Congress (GNC) 政党は力をなくしていき、2016年には解散してしまうんです。
そんな中、2019年にKhalifa Haftarという人がThe House of representatives (HOR) 政党をサポートしつつ、首都Tripoliを占領します。
海外の影響も強くなっていて、
Government of National Accord (GNA)を支援する 国際連合、イスラム教政党(Muslim Brotherhood)、Italy(イタリア)、Turkey(トルコ)、Qatar(カタール)
vs
Khalifa HaftarとThe House of representatives (HOR) 政党を支援するUAE(アラブ首長国連邦)、Egypt(エジプト)、Russia(ロシア)、France(フランス)、Saudi Arabia(サウジアラビア)
と、海外からの軍事サポートがLibya(リビヤ)内の政権争いを左右してくるようになるんですね。
2020年にはGovernment of National Accord (GNA)が首都Tripoliを取り返しています。
そして現在は、国連により双方の軍事行動を一時的に休止するよう決められた、といったところがLibya(リビヤ)での紛争の大枠になります。