水田にピスタチオの木を植える愚
ほとんどの日本企業は、高度外国人財を既存の日本企業の枠組みの中で適合できると考えています。そのため、優秀な人財よりも「日本語能力」を重視する傾向があります。日本語ができなければコミュニケーションが取れないと考えているからです。
恥を知れ!とは申しませんが、中高大で何年間英語を学んできたのでしょう?それで英語が全くできないことに疑問を持たない日本人は、可能性の海へ船出しない「船頭」のようなものです。
少なくとも、日本企業で働こうと考えている高度外国人は、日本の文化に身を置こうとしています。ですから、全く日本に興味のない人とは全く異なります。日本に興味を持たない人と一緒に働くことは、相手が既に日本文化を
受け入れようとしていない段階で難しいものですが、日本に留学経験があり、日本で働くことを希望している留学生たちは、既に【オープン・マインド】状態ですから、こちら側からも近寄る努力さえすれば磁石が引きつけ合うように、どんどんプラスのエネルギーを生んでいきます。
当研究所が、日本企業の経営者の皆さまに常々申し上げていることは、「水田にピスタチオの木を植える」ような愚かなことはしないでくださいと言うことです。水田とは、稲作に適した耕地です。そこに「ピスタチオ」の木を植えても元気に育つわけがない訳です。
日本企業は、水田のようなものです。日本人にとって、最適の環境を提供できる場なのかもしれませんが、そこに全く異なった文化を持つ外国人をそのまま馴染ませようとしてはなりません。無理があります。
なぜ貴社は、高度外国人財を求めるのでしょう?
基本に戻って下さい。単に労働力の補充ではなかったはずです。では、彼らの能力を最大限に生かすための土壌改良を会社の一部にだけでも行って下さい。必ずそこでは、たわわに実る「ピスタチオの実」を抱えた大樹が育つはずです。
島崎ふみひこ
異文化コミュニケーション研究所(R)
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日本企業のダイバーシティ教育、高度外国人財の採用・活用