リスク=危険?- 今さら聞けない「投資のリスクとリターン」について
こんにちは。
投資について基礎を知りたい!という方に向けて、今回は「投資入門編!今さら他人に聞けないシリーズ」として「投資のリスクとリターン」についてお伝えしていきます。
リスク=危険?
投資(資産運用)の話になると「それってリスクないの?」という言葉を必ずと言っていいほど耳にします。「資産」という言葉もそうですが、多くの方がその言葉の意味を明確に定義しないまま使っていることは往々にしてあることです。
「リスク」とはそもそもなんなのでしょうか?
その投資には「どれだけのリスクが有るのか?」はしっかり把握すべきですが、そもそも「リスク=危険性、損をする事」と大きな勘違いをしていては投資で成功することはありません。ここで改めて投資の基礎を確認していきたいと思います。
「リスク」は「危険性」や「損をする可能性」という意味ではない
大前提として投資(資産運用)というものは、未来の「確実性=絶対であること」が決定しているものではありません。その「未来の不確実性(絶対でないこと)」に対して、個人投資家が「資金を投じること=リスクを取ること」で、その投資(資産運用)からの「収益(リターン)」があるというものです。つまり、
「その不確実性があるからこそ収益(リターン)が生まれる」ということになります。
この「不確実性」こそが投資でいう「リスク」に該当し、そしてそのリスクには「変動幅」があって、これを「ボラティリティ=上下のブレ幅」といいます。ということは
リスク=「不確実性(絶対でないこと)」=「ボラティリティ(上下のブレ幅) 」
と考えると分かりやすいですよね。このボラティリティ(上下のブレ幅=リスク)が大きくなれば、それだけプラスリターンも大きくなる一方、下振れになる幅も大きくなるということです。
リスク=不確実性=ボラティリティ(上下のブレ幅)は一定範囲が決まっている
「統計学」を学んだことがある方であれば、投資(資産運用)における「リスク」の意味を既にお分かりだと思いますが、ここでは少し統計学問的に「リスク(不確実性)」について考えていきたいと思います。投資(資産運用)での「リスク」というのは、前項でお伝えしたように「不確実性=ボラティリティ(上下のブレ幅)」です。この「上下のブレ幅」というのがポイントになってきます。また統計学では、
リスク=「標準偏差」
と呼びます。「標準偏差」の細かい説明はここでは割愛しますが、以下の正規分布図通りに行けば約70%の確率でこの範囲内に収まるということを示しています。
例えば、
年間平均リターン5% / リスク(標準偏差)20%
という資産への投資を個人投資家が考える場合をみていきましょう。まずは、年間平均リターン5%を中心に、そこから上下にリターン変動幅=リスク=標準偏差=を考える必要があります。よって
変動幅(最大)25% / 変動幅(最小)−15%
という「上下それぞれのブレ幅 = 年間平均リターン5%から上下にそれぞれ20%ずつブレる」を算出できるのがわかりますか?恐らく、ほとんどの方がリスク20%と聞くと
「危険度20%!」「損する確率20%!」と思っているかと思いますが、それは全くの勘違いです。
各資産クラスのリターンとリスク
具体的に各資産クラスの年間平均リターンとリスク(標準偏差)を見ていきましょう。各資産の「リスク(標準偏差)」は、
年間平均リターンの数字を中心にして、上下ぞれぞれのリスク(標準偏差)の数値だけ変動して、最大&最小の変動幅に収まる可能性が約70%の確率で起こり得る
とお伝えしたように、それぞれの上下の変動幅としては、
となり、結果それぞれの変動幅(最大)〜変動幅(最小)の間に資産の年間平均リターンが約70%の確率で収まる、ということになります。上の例の資産クラス別に考えると、オフショアファンド(オルタナティブファンド)が最もリスク(標準偏差、ボラティリティ=上下のブレ幅)が小さい投資資産であるとわかります。
ちなみに「預貯金」は、ほとんどリスクがゼロの資産です。当然リターンもほとんどありません。
「リスク」の意味を正しく理解していただけたでしょうか?これから投資(資産運用)をする方は、リスクの意味と、リスクとリターンの関係性をしっかり把握した上で資産運用に励んでいただけたらと思います。
今回の記事でリスクを正しく理解していただけたことですし、次回はリスクを取らない投資についてお伝えしたいと思います。
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