グローバル・ブレイン代表が「地獄の創業期」で学んだVC経営ナレッジとは──次世代VC起業家勉強会レポート
グローバル・ブレイン(GB)で情報発信を担当している岡本です。
先日GBでは、近年ベンチャーキャピタル(VC)を創業した方やGeneral Partnerの方をお招きした「次世代VC起業家勉強会」を開催しました。本記事ではその際の様子をダイジェストでレポートします。
「地獄からの学び」を広める勉強会
GB代表の百合本は2001年にVC業を始めましたが、立ち上げから10年ほどはなかなか成果が出ず、苦しい時期が続きました。
「次世代VC起業家勉強会」は、そうした時期に百合本やGBが得た知見を、近年VCを創業した方や若手キャピタリストの方にシェアすることを目的とした会です。
勉強会の冒頭、百合本は本勉強会を立ち上げた経緯を次のように語りました。
VCならではの壁をどう乗り越えるか
勉強会は2部構成で実施。第1部で行われたのは、THE SEEDのGeneral Partner 廣澤 太紀氏、WのGeneral Partner 東 明宏氏、HERO Impact CapitalのGeneral Partner 渡邊 拓氏の3名と百合本によるパネルディスカッションです。
はじめに、GB創業期におけるファンドレイズの方法や組織づくり、VCとCVCの今後の見通しなどを、百合本がプレゼン形式でご紹介。同時に、パネリストの3名や会場の参加者から質問を随時いただきながら、インタラクティブに議論を展開しました。
特に参加者からの質問が集中したのは、ファンドレイズに関する話題です。「2号のファンドレイズは1号ファンドでのExit実績が出る前に行わなければならないが、投資家をどう説得すべきか」や、「投資家の属性ごとにファンドレイズ戦略をどう変えるべきか」など、VCに携わる方ならではの具体的な質問が多く寄せられました。
百合本は「人生で一番きつかった」と語る創業期のファンドレイズ体験を語りつつ、現代のVCとして考えておきたいことを回答。直近のスタートアップ概況も鑑みながら、ファンドレイズ戦略で押さえておきたいポイントを明かしました。
また、社員数100名超えという、VCとしては異例の大所帯となっているGBの組織づくりにも話が展開。「大規模な組織にする構想をいつから描いていたのか」や、「採用をどのような順序・フェーズで進めてきたか」、さらには「組織が大きくなることで起きる弊害をどう乗り越えているか」など広範囲な質問が投げかけられました。
スタートアップにも資する会を目指して
本勉強会は百合本の知見を広めるだけでなく、参加いただいたVCの皆さんが投資しているスタートアップのさらなる成長を支援する機会ともなることを目指しています。
第2部ではその思いを反映し、GBで投資先のGovernment Relations(ガバメント・リレーションズ)支援を担当する河原木が「スタートアップが活用できる公的支援策」と題したキーノートを実施しました。
河原木は経済産業省にて、スタートアップ支援や中小企業の海外展開支援などに従事した経験を持つメンバーです。キーノートでは、河原木の過去の経験や視点をもとにしながら、いますぐ使える国によるスタートアップ支援策の詳細を解説しました。
その中で「この公募は支援金額が大きいがペーパーワークが多め」「この公募は競争率が比較的低い」など、スタートアップが応募をする際に参考になる具体的な情報もご紹介。会場では投影されたスライドを見つめながら、熱心にメモを取る参加者の姿が多く見られました。
今後も「VC勉強会」は開催予定
総勢40名以上ものキャピタリストが集まった本勉強会。勉強会後の交流会にも多くの方にご参加いただき、同じVC業に携わる者同士の親睦を深める機会としてもご活用いただきました。GBとしても初の取り組みでしたが、次回はより規模を大きくして実施できればと考えています。
GBでは今後も同様の勉強会を開催予定です。VC業界の成長やスタートアップエコシステム全体の強化と発展に寄与することを目指して、引き続きさまざまな取り組みを行ってまいります。