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阪神間モダニズムと夙川の都市景観
都市と芸術創造の関係性を知る
西宮まちなみ発見マップの作製に協力しました。以下の「6 阪神西宮~夙川」の冒頭文「阪神間モダニズムと夙川の都市景観」を執筆したのですが、スペースの関係からオリジナル(解説案)から削除された箇所があるので、元の全文を載せます。
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「東洋のマンチェスター」と呼ばれ明治維新以降、いち早く産業化と人口の過密化が進んだ大阪の発展とともに、1900年代初頭以降、自然豊かで健康な都市環境を求めて、多くの富裕層や中流階級層が、阪神間の郊外住宅地に移り住むようになりました。なかでも、夙川が育んだ豊かな宮水に恵まれた西宮には、当初はリゾートや別荘地、のちには電鉄会社による大規模な沿線住宅地の開発により、日本でも有数の良質な住宅が生まれました。
とりわけ、夙川地域には現在も質の高い住宅とあわせて、多くの美術館や画廊が点在し、これまでに多くの著名な芸術家―大石輝一(画家、1894-1972)、上田安子(服飾デザイナー、1906-1996)、岩谷時子(作詞家、1916-2013)、そして、谷崎潤一郎(1886-1965)、遠藤周作(1923-1996)、野坂明如(1930- )、小松左京(1931-2011)、村上春樹(1949-)などの日本有数の作家を輩出してきました。1900年代初めから戦前までの間に、阪神地域において、西欧文化の薫陶を受けた新しい日本の近代芸術とモダンなライフスタイルが花開いた現象が、後に「阪神間モダニズム」と称されるようになりました。
阪神間モダニズムの大きな特徴は、まちづくりにおける先進的な試みと、西洋的建築様式と阪神地域の豊かな自然、文化、美意識が融合して生まれた独自の建築スタイルを擁する住宅や公共建築物が、他にはない美しい都市景観を創り上げ、またそのまちなみに触発された多くの芸術作品が生まれていることです。なかでも、当時日本では画期的といわれた河川沿いのパークウェイ(都市公園機能を持つ緑樹帯と遊歩道)として1937年に竣工した夙川公園が、西宮の都市景観形成に果たしてきた役割は大変重要です。春には桜の名所として知られる夙川の織りなすまちなみは、これからも多くの芸術家の文化創造のインスピレーションとなり続けるでしょう。
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