Googleのすごい会議術
Googleに入って感心したことの一つに会議の無駄の無さがあります。Googleの社員は皆自分の顧客対応やプロジェクトで1分1秒を惜しんで仕事しています。なので会議にかけられる時間は決まっているけれども、伝達しなければならない情報は非常に多く、ゆえに皆が集まる会議ではいかに効率よく情報を共有していくか工夫されます。またそれだけでなく、単なる情報伝達だけでなく、社員同士のコミュニケーションを目的にしている時には、楽しみながら会議に参加できる仕掛けもあったりと、勉強になる点が多かったので、一部をご紹介します。
(当然ながら)オンラインで参加できるシステムがある
当然と言えば当然なのですが、対面で会議を行うその場(カンファレンスルーム)にいなくても参加できるツールが用意されてました。Googleの場合はZoomではなくて自社で提供しているサービスのGoogle Meetを使っていました。Google Meet上で会議に参加することのできるURLのリンクがGoogleカレンダーを通して会議の参加者には事前に送られていました。
また、その時間に別の仕事が入っていたり、お休みをとっている社員のために、対面の場合でもオンラインの場合でも、会議の内容はビデオ録画されていることが多かったです。Googleのオフィスの会議室には必ずビデオが設置されており、簡単に会議を録画できるようになっていました。録画があるおかげで、会議に出られなかった人が「大事なことを聞き逃したんじゃないか」と不安になったり、後で会議の内容を他の参加者に聞いて回る必要がありません。内容を聞く方にとっても気兼ねしてしまったり、聞かれる方も忙しいのに終わった会議の説明をしないといけないとなると時間が無駄がありますよね。録画をしておけば、会議に出ていた人、出ていなかった人両方にメリットがあります。
議事録のアウトラインは会議の前に既に記入しておく
会議の議事録を残しておく場合には、Googleドキュメントを使って皆が閲覧・編集可能なファイルを作り、そこに会議のたびに情報を書き溜めていっていました。Googleドキュメントを使うことにより、クラウド上にファイルが保存されますので、議事録をわざわざメールで共有せずとも皆が好きな時に編集できます。
議事録の一番上部には、毎回議事録を書くときの型となるテンプレートを書いておきます。会議の日時、ファシリテーター、毎回発表しなければいけないデータがあるのであればそのデータの種類について(例えば週次での営業成績データなど)など毎回必要となる項目については一度型を決めてそれを踏襲する形でコピー&ペーストして使います。
大事なのは、その会議ごとに発言予定がある人は、事前に議事録に簡単な見出しと発言者の名前、必要になりそうな時間だけ書いておきます。そして、単に情報を共有するだけの<Sharing>なのか、他の参加者との議論が必要な<Discussion>なのかを区別しておきます。
議事録というと会議をしている最中、もしくは会議後にまとめるものというイメージがありますが、以上のように発言者がポイントだけ最初に議事録に残しておけば、話を聞く方も事前に大事なポイントがわかって頭に入りやすくなりますし、議事録をまとめる人にとっても、項目ごとに残しておいた方がいいと思うことを肉付けしていくだけなので、非常にログが取りやすくなります。
もし会議の時間が無くなりそうな場合に、優先すべきことは<Discussion>です。何故なら、この項目については、会議の参加者の意見を聞くということが重要で、折角皆の時間をとっている会議の間に話すべき項目だからです。一方で<Sharing>の方は、話した方が簡潔なこともありますが、時間がないのであれば最悪後で内容をメールで書いて皆にお知らせすることもできます。
・アイスブレイクには、雑談の代わりにアクティビティを行う
日々の業務連絡やプロジェクト管理のための会議とは別に、チームの士気を高める、チームワークを良くする、メンバーのことをお互いにもっとよく知るための会議を行うこともあるかと思います。例えば、四半期ごとの決起会であったり、新しくチームが発足したときなどです。Googleの私が所属していたチームでも期末に現状を踏まえて、将来に向けてどのような仕事をしていくかを話し合うなど大きなビジョンについてディスカッションをする場がありました。そのような時には、大体最初の15分くらいをアイスブレイクのセッションとして時間を割いていました。アイスブクレイクによって、場も和んで、参加者の意見交換が進みやすくなるからです。
アイスブレイクでは雑談でなく、何かアクティビティを参加者全員で一緒に行うことにしていました。雑談だと、いつもよく話しているメンバー同士で話してしまいがちですが、皆で何か一つのことの話題について話し合ったりすることで、普段話さない人同士の交流も進むからです。アクティビティの内容はアイデア次第で皆が楽しめそうなものなら何でも良いと思います。例えば、盛り上がったアクティビティの一つにGuess who's hot wordsというものがあります。このアクティビティを行うには、まず事前に参加者に匿名のアンケートで「最近よく検索しているワード」を聞いて集計しておきます。ちなみにアンケートの集計はGoogleフォームを使うと簡単にできます。そして、会議の最中、プロジェクターに集計した検索ワードを一つずつ投影し、参加者にこれは誰が最近よく検索しているワードなのかを当ててもらうクイズを出します。参加者の予想が結構ばらついたりして、結構話が盛り上がります。ある程度参加者同士が意見を出した後は、本人が正解発表と何故最近このワードを調べているのかを簡単に述べてもらいます。それによって参加者の知られていない一面を皆が知ることもできますし、本人も自分の気になっているワードのことなので話しやすいので、話が苦手という人もプレッシャーを感じることなく自分についての話をすることができます。
以上簡単ながらGoogleで学んだ会議の工夫でした。