#5 海外の学校で働く上で知っておくべき、ネガティブな面とは?
こんにちは。
Global ManabeeのYUです。
前回、#4では、「日本人学校や補習校で教員として採用までの流れとは?」 という形で、応募から採用までの流れをざっくりとご紹介してきました。
これまで、「海外の学校で働くことで、更なる成長ができる。」というような説明をすることが多かったのですが、決してポジティブな面ばかりではありません。
そこで今回は、海外の学校で働く上で知っておくべき、ネガティブな面に関して、お伝えします。
はじめに
まずはじめに、2024年9月18日、学校への登校途中に事件に遭い、お亡くなりになられた深圳日本人学校の児童様とご遺族、学校関係者の皆さまに謹んでお悔やみ申し上げます。
現在、私自身も海外の日本人学校で働いており、学校内外で大きな衝撃となる出来事でした。
改めて、日本と異なる環境下における子どもたちの安全管理について、高く意識を持たなければならないと感じています。
治安、情勢の変化
海外で働く上でネガティブな側面として語られることが多いのは、やはり治安や情勢の面だと思います。
実際に私も教員として働く中で、国の情勢によって大きく治安や環境が変化するという経験をしてきました。 例えば、政治的な情勢の変化によってデモ活動やストライキ、軍や警察と市民との衝突が起こることがありました。
赴任する国によっては、外に出ること自体が危険となり、突然自宅で一定期間を過ごさなければならないこともあるかもしれません。
現在の日本では、まず直面することのないことだと思います。
ただでさえ日本とは異なる慣れない環境の中、国の情勢によって更にストレスのかかる出来事が起きてしまう可能性があるのだと、知っておくことは大切です。
また、私がコロナ禍に赴任していた学校では、日本よりも早く休校が決まり、更には日本以上に様々な制限がある中での生活が求められました。
先が見えない中、海外という環境で誰ともコミュニケーションを取ることができず、孤独を感じてしまうこともありました。
突然、様々なことが起こる環境であるからこそ、孤独になったときに自分自身をマネジメントできる力が大切なのだと、その時に改めて感じました。
このような環境面での強いストレスを感じることがある一方で、子どもたちにとってもその状況は同じなので、教員として、学校では安心感を与えられるよう、冷静に対処する姿を見せなければいけません。
日本よりも大きく治安や環境の変化がある中でも、それに対処できるパーソナリティーが必要になってくるかと思います。
プライベート、プライバシーが確保しづらい
プライバシーが確保しづらいという点も、かなり大きなネガティブ要因になり得ます。
というのも、海外の日本人コミュニティというのは国にもよりますが、かなり限定的な所もかなり多くあります。
それこそ外で日本語を喋っているだけで、目立ってしまったり気づかれてしまう環境です。
その中でも特に日本人の子どもたちと関わる教職員というのは、日本人コミュニティの中でもかなりの有名人になりますし、噂話の対象になります。
全く知らない方から、「〇〇先生ですよね?」と突然話しかけられることがあるくらいです。
プライベートで外に出かけていても、「〇〇あたりを歩いていた。」「〜をしていた。」などの目撃情報が知らないところで広がっていることもあります。
悪いことをしている訳では無いのですが、自分の知らないところで様々な噂が広がるのは、個人的にあまり気分の良いものではないです。
場合によっては、噂や評判が仕事に影響することもあります。
そのため、プライベートでの過ごし方にも注意を払っておかなければなりません。
飲食店や外での会話内容や、行動にも意識払っておかなければ、ネガティブな噂が知らないうちに広がっていることもありますし、限定的な人しか伝えていないプライバシー情報が、いつのまにか広がっていることもあります。
そのような狭い日本人コミュニティだからこそ、その中でうまく自分のポジションを取る必要があると思います。
逆にうまく自分のポジションが取れると、色々な人が支えてくれたり、他の人にもポジティブな話が広げてくれたりするので、本当にそこの意識は大切だと実感しています。
特にここの意識に関しては、残念ながら不足している方も一定数いると感じています。
「仕事とは違うし、せっかく海外にいるのだから、プライベートは自分の楽しみのために好き勝手やって良いだろう。」という自分中心の考えではなく、日本以上に学校の一員としての意識や、日本人コミュニティの一員としての意識を強くもつことが、海外の学校で働く上では大切です。
ここの独特なコミュニティ感覚や意識が合わない方にとっては、このプライベートやプライバシーが確保しづらいという面は、かなりネガティブな要因に映るかもしれません。
ということで、今回は「海外の学校で働く上で知っておくべき、ネガティブな面」についてお伝えしました。
ポジティブな面だけではなく、ネガティブな面も知っておかなければ、いざ海外で働き出した時にそのギャップに対応できなくなるかもしれません。
海外で教職員として働くことを楽しみに来たのに、様々なネガティブ要因によって早期に帰国を希望される方や、赴任中ずっと文句を言いながら働き続ける方なども実際にはいます。
だからこそ、ネガティブな面にも目を向けて、しっかりと心の準備をした上で海外で働くことを目指してみることが大切ですね。
また、様々なネガティブ要因があるからこそ、改めて自分だけではなく、子どもたちの身体的、精神的な「安心・安全」を意識していかなければならないと、この記事を書きながら感じました。
今回もありがとうございました。