コロナ疲れを癒やすカラーセラピー:靴好きなら上機嫌になれる、巨匠マノロ・ブラニク「贅沢な”大人のぬり絵”」
NYが自宅待機が発令されてから、もうすぐ丸3週間。ヨーロッパなどもっと長い。米国では、ホワイトハウスの会見で「今週来週は、食料品や薬などの必要品でも買い物に出ない様に」と医師からの言葉もあり、緊迫感が一層ましている。一部の頓珍漢な人たち以外は、どうしても必要な買い物に出る歳には、皆マスクにメガネやサングラスを着用(友人はゴーグルをしている人を見たとか)、そして帽子やパーカーのフードを被り、可能な限り自分の皮膚を空気にさらさない=空気中のウイルスに接触しない様にするかの如く扮装し、さらに自分以外の人とのソーシャル・ディスタンスィングを心がけている。
通常であれば、怪しい人以外の何ものでもない。でも、今はこれが当たり前なのだから、状況が変わればスタンダードが変わるとつくづく実感する。
そんな扮装で最短時間で買い物を済ませて帰ると、着ていたものはすぐに脱ぎ、しばらく外に放置(表面についているウイルスが消滅するのを待つ)。シャワーを浴びて自らを洗浄。そして、購入してきたものを全部拭いて消毒する。
もうこれだけで大仕事な上に、何より本当に本当に神経を使う。
筆者の今までの人生の中で、自分が感染しない様に、そして自分が誰かを感染させてしまわない様にこれほど細心の注意をすることや、家に篭り、一緒に暮らしている人以外、基本的に直接誰にも会えない日々が1ヶ月以上続くなどということが起こるなんて想像もしていなかった。
*当初NYの自宅待機は4/15までとされていたが、4/6に延長のお達しが出て、自宅待機は4/29までとなった。そして、延長される可能性はまだまだあるだろう。
結構身近な人が実際に何人もコロナウイルスに感染し、危険な目にあっていたり、同じタイミングで筆者が住んでいるビルの1階の住人が感染しているらしく自分で自宅隔離をしているとの連絡がビルのオーナーから入り、本当に一歩も外に出ず篭ろうと決心したのが2週間弱前。
*それまでは、時々エクササイズのために散歩に出たりしていた。
自分から外に出たくなくて篭るのとは違う、今回の自宅待機。多くの人たちはcabin feverという状態になる。このキャビン・フィーバーと言うのは、weblioによると「僻地や狭い空間で生活するときに生じる情緒不安定」と説明されている。出てはいけないのに、出たくて出たくて「わーーーーー!!!」となってしまいそうな状態のことだ。
精神的にかなりきつくなってくるのも当然だ。
そのような時には何か一つのことに集中することが望まれる。そして、自分が心地よくなれる素敵なものに触れたり、見たり、その作業をしたりすること。さらに綺麗な色を見ることは、カラーセラピーの側面からも非常に効果的だ。
その機会を、世界的な巨匠が提供してくださったのだから、我々はありがたくその享受に預かろうではないか。
世界的な靴デザイナーのマノロ・ブラニク氏が、彼のブランド・ウェブサイト上で「The Art of Colouring」と言うページを公開。靴の愛好家向けに、彼のデザイン10点、色のない状態のものをダウンロードできる様にして、まさに贅沢な大人のぬり絵として提供してくれているのだ。
ただただ好きな色を心のまま塗るのでも良し、この自宅待機が終わって安心して外に出られる様になった時履きたい靴を想像して塗るのも良し。素敵な絵として仕上げるのも良し。綺麗に塗れたらフレームに入れて飾るもよし。なんて贅沢な機会を提供してくれているのだろう。
また、このページは、英国の「Mental Health Foundation」との提携でリリースされており、直接リンクもはられている。このコロナウイルスのパンデミックで、経済的困難への対処したり自宅での子供たちの世話をする人たちのメンタルヘルスに対処する助けにもなるとのこと。
今のこのお篭り生活の中で、自らのインスピレーションやクリエイティビティをフルに使い、そこからより良い思考をえられたり、楽しみや喜びを感じられたら、自分にとってのシンプルな幸せが何かにも気付けたりするかもしれない。それを巨匠マノロ・ブラニク氏とそのブランドを通して感じる機会だ。
非常事態における企業やブランドの姿勢に、そこの哲学が見える。それが本当の意味のブランディングだ。マノロ・ブラニクから受け取れるのは、想像力を引き出すフックと言うソフト面のケア。今回、とても優しさを感じるブランドとして、マノロ・ブラニクは筆者の記憶に刻まれた。
この自宅待機期間が、ただのお篭りとなるか、コロナ鬱となるか、コロナ・デトックスとなるか、さぁあなたはどうだろう?