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私たち、日本青年会議所 近畿地区 京都ブロック協議会 グローバル人財育ら成委員会では2021年の一年間で、より地域にSDGsを浸透させることを目指します。今回は、SDGsに積極的な地方公共団体である【京都市】の取組を投稿します。

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 京都市は、京都府の南部に位置し、京都盆地の北半分や丹波高原の東辺の一部等から成る内陸都市であり、京都府の府庁所在地です。京都盆地は、東山、北山、西山と呼ばれるなだらかな山々に三方を囲まれ、盆地の東には鴨川、西には桂川、南には宇治川が流れており、四季折々に風景を変えます。京都は794年に平安京として遷都以来、常に歴史の舞台となってきました。この1200余年の間には、戦乱と復興が繰り返され、複数の歴史が重層的に残り、多くの年中行事や伝統行事が現代に至るまで継続されています。また、京都は数多くの文化を生み育んできた場所でもあります。平安時代には仏教文化が開き、室町時代には華道が、桃山時代には茶の湯が大成され、現代まで連綿と続き隆盛を誇っています。こうした文化の香りは、あちこちに残る社寺仏閣や史跡とともに、京都の大きな魅力となっています。

 今回はレジリエント・シティ京都市統括監として活動されている藤田裕之様にお話しをお聞きしてきましたのでその内容をご紹介させて頂きます。

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Q.1 京都市について教えてください。

 京都市は1200年続く都で都市の歴史として災害、戦乱、疫病、火災等に見舞われながらも一度も都市としての機能が途絶した事のない世界でも珍しい都市です。日本の文化の精神性、真髄というものが京都市では繋がってきました。周囲が山に囲まれ自然が豊かであり、生物の多様性が非常に尊重されており、自然と人々の暮らしが非常に近い位置にある山紫水明の都となっています。他にも近郊農業で人々の暮らしと農産物の接点が多く、明治時代以降の地域の絆が今も密接に維持されている大都市としては珍しい都市です。

Q.2 京都市のSDGsについて

 SDGsについては京都市の歴史が身をもって実践してきた事だと思います。
 まちが発展してきても人々の絆が大事にされていたり、周りの自然は破壊せずに豊かな自然環境の中で生活していたり、その背景には精神文化として宗教、文化、芸術、伝統を非常に大切にしているので、全てに共通している文化、芸術などの理念、根底にある「誰一人とり残さない」という理念の全てをバランスよく網羅した形で、SDGsという言葉を使う前から京都の文化が身を持って実践してきたと思います。
 京都の建物の高さ規制、カラフルな看板の撤去などについても、経済効果、利便性だけを考えれば必ずしもプラスではありませんが、京都の街並み・佇まいを守る事を優先して経済効果、利便性も大事にしつつも企業や市民の皆さんのご理解を得て進めてきました。
 いわゆる「老舗の商い」では、目先の金儲けではなく、お客様にも喜んでいただき、お店の信用も大事にする事が当たり前の商業文化として定着してますが、SDGsにも反映してると思います。
 このように京都市のSDGsは京都市が培ってきた事を、市民全員が当事者意識をもって取り組んで行けるような発信をしていき、出来る事からやっていけるようにしていきたいです。
 今は新型コロナウイルスの影響で難しいですが、地域の防災訓練、区民運動会、地蔵盆、ラジオ体操等、誰でも出来る事がSDGsに繋がっていると、広く市民の皆様、事業者、大学、などにも呼びかけています。

Q.3 どのようにしてSDGsの取り組みを京都市の職員に浸透させているのか。


 門川大作市長リーダーシップのもと、京都市のポリシー、理念としてSDGsを進めており、SDGs、レジリエンス、地方創生の推進プロジェクトを市長自身が本部長となり、オール京都市として区役所も含めて全ての部署で取り組んでいます。
 この3年間に関しては新規採用職員、新任係長、新任課長、新任部長に私がSDGsの取り組みについて研修をしています。普段からSDGsの取り組みについて自分たちの仕事の範囲で何が関係してくるか、どういう所で関係していくのかを意識してもらえるように発信や研修を行なっています。
 レジリエンスという言葉についてはあまり馴染みないと思いますが、SDGsの17本の柱をバランスよく整えていく作用を高めていき、政策を融合したり、何かを失敗したときに工夫してやり直したり、柔軟に対応したり、1つの項目に負荷がかかっている時には余剰力をもってサポートしたりするためのキーワードなんです。
 京都市はSDGsに本格的に関わる時とほぼ同時期に世界のレジリエントシティ100都市のネットワークに選定されました。そのレジリエントシティのネットワークとSDGsを車の両輪としているのが京都市の強みでもあります。SDGsを進める為にレジリエンスの構築が大事だと明確に言っている都市は少ないと思います。
 今年度は、内閣府の「SDGs未来都市」に選定された事もあり、テーマが「超SDGs×レジリエンス事業」となっています。SDGsは2030年までの目標ですが、そこで終わるわけでもなく作業は先に続いていきます。その中でSDGsという狭い枠にとどめてしまわずにもっと社会の粘り強さ、復元力を蓄えていき、2050年の脱炭素社会にも繋げていきたいと思っています。
 環境、経済、社会の3つの柱を繋げる中核が文化、芸術であるという京都ならではの強みを確認し、環境、経済、社会を繋ぎ合わせて高めて行く作業を、レジリエンスという合言葉で取り組んでいます。

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Q.4 京都市民にどうやってSDGsを広めていくのか。

 京都青年会議所と連携したり多くの企業と連携したり、私やスタッフが、様々な機会に講演をしたりしています。京都市の中学生にはレジリエント・シティとSDGsに関連したオリジナルのマンガリーフレットを配布し、20年後、30年後の担い手となってもらえるようにしています。

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Q.5今後の課題について

 コロナ禍の中で人と人の接触、繋がりが抑制されてしまい、区民運動会、ふれあい祭り、防災訓練などが中止になってしまうと、地域の絆を体感できる行事が2年も続けてとだえてしまいます。そうすると感染が終息しても再開は難しくなるかもしれません。その結果、京都の強みである人と人との繋がり、助け合いが弱まると、SDGsもレジリエンスも進んで行かないと思います。
 そのためにも、私たち自身が当事者意識を持って行く事が重要です。もちろん強制的に当事者意識を持たせるのではなく、私達自身が当事者だと、若い人たちが自分は社会の担い手だと思ってもらえるような社会にしていきたいです。
 話がそれるかもしれませんが、当事者意識をもっと持てれば、選挙の投票率が低いという状況も変わって行くでしょう。自分達でリーダーを選び、一緒にまちづくりに関わって行きたいと思ってくれる若者が育ってきているのかという視点が、SDGsとレジリエンスを考えて行く上で大事だと思います。
 これからは今までとは違い、人口が減り、経済の活性化も期待できない中で、SDGsの目標は全て繋がっていることを理解し、人々が豊かに暮らして行ける新たな仕組みを作って行くことこそ課題だと思います。


Q.6 今後の目標について

 行政だけがSDGsを進めていくのではなく、市民、企業などが一緒にもSDGsの大切さを実感していってもらいたいですね。実は、企業でSDGsに取り組むうえで最も大切な事は、企業の社員一人一人が家庭でも地域でもSDGsを実践している事だと思います。市職員にも当てはまることですが、それが当たり前になって行くライフスタイルの転換が求められていると考えています。

Q.7 SDGsを何からして行ったらいいか分からない人にもできるSDGsとは

 SDGsの17の目標はあくまで例示なので、とっかかりとしては、家庭や地域などで自分に出来る事をして行けばいいと思います。先程も例を出しましたがラジオ体操でもいいのです。ラジオ体操に行った時に元気のない人に声をかけてあげる事で「誰一人とり残さない」に繋がって行くので、理由は後付けでもいいから出来る事をして行くのが大切だと思います。

公益社団法人日本青年会議所 近畿地区
京都ブロック協議会 グローバル人財育成委員会



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