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フィリピンの平均給与は?フィリピン人の働き方

こんにちは、グループ会社に海外進出を立案・企画し、そのままフィリピンで会社を設立し経営して5年のシャッチョさん(32歳)です。現在従業員は現地従業員100人を超え、日本メンバーをあわせると120人の従業員がおります。
※グループが上場企業のため、コンプライアンスの観点から会社名など具体的な業務・数値の内容は避けております。

今回はフィリピンの給与と働き方について述べたいと思います。


フィリピンの平均給与は?平均年収は?

日本の7分の1!?

フィリピンの平均給与を検索してみると国際労働財団調べで、平均年収は23万ペソ(約59万3,400円)と出てきます。フィリピンでは13ヶ月ボーナスといって、12月に約1ヶ月分の給与ボーナスとして渡すので、59万3400円÷13ヶ月で計算すると平均月収17692ペソ(約45,000円)。日本はの平均年収は
もちろんこの数字はフィリピン全域での数値になるので、都心のマニラ・セブシティなどの数値とは違います。日本の平均年収を調べてみると450万円。「7倍も差があるの!?フィリピン安っ!」って思うかもしれませんが、これも数字の罠で、年齢の差(フィリピンの労働層は20代が圧倒的に多い)が考慮されてませんし、あくまで平均であることに留意すべきです。

次は「マニラ平均給与」と検索してみると2万6000円とでます。フィリピンペソ換算で10400ペソ。この数値はありえない数値かと思います。日本と同じように都心になればなるほど給与はあがるので、国際労働財団調べのほうが信憑性が高いので、18000ペソ以上がマニラの平均給与かと思います。

また、昨今フィリピンでもインフレが激しく、賃金アップの要求が日に日に増加しているように感じます。フィリピンのインフレについては「実体験!フィリピンの物価について」の記事で詳しく書こうと思ってます。

実際は日本の1/4と1/3と考えた方が良い

僕はフィリピンのIT企業の現地法人を経営しております。基本的に平均年齢は25歳ぐらいで、大学卒業したての方が入社していただけることが多いです。我々は現在最低の給料が18000ペソ/月間で日本でいうところの新卒・第二新卒の方たちを採用しております。おおよそですが、平均31000ペソ(共通費など除く)ぐらいです。31000ペソ×13×約2.5(円レート)=年収107万円。日本の平均所得と比べ1/4ぐらいです。

これは業種によっても大きく変わります。例えばスーパーのレジの人が毎月いくらもらっているか教えてもらったんですが、12000〜14000ペソ(30000円〜35000円/月)だそうです。

給与が低いとどうなるか?高すぎてもだめ?

日本でも同じですが、給与が低いとなかなか優秀な人を採用するのが難しいです。フィリピンは公用語として英語も使われてますが、大学卒業者ではないと英語が堪能じゃないパターンが多いです。英語が必要な業種・会社の場合、どうしても最低16000〜18000ペソ/月ぐらいの初任給を出せないと応募もしてくれないかと思います。

給与の設定を高すぎる場合は、ランニングコストが予算を圧迫し、資金不足に陥る可能性が上がります。日本でも同じですが、給与は上げるの簡単ですが、下げるのは困難です。クビにすることもかなり難しいので、高コストの不真面目な人が増えていく悲惨なことになりかねません。

給与を設定するときは、会社がどういった人を集めたいのか?(資格が必要なのか?年齢は若くても良いのか?業界の平均給与は?)を試行錯誤しながら人事制度を決めていきましょう。

フィリピン人の働き方について

フィリピン人の働き方は日本人の働き方とはかなり違う場合が多いです。
従業員に「日本人は”Live to work” フィリピン人は”Work to live”」と言われたことがあります。「日本人は働くために生きてる、フィリピン人は生きるために働く」ということです。
「そんなことないわ!」と思ったんですが、たしかに22歳からがむしゃらに働いてきて、祖父がなくなったときも仕事してお葬式に行けなかったことを考えると働くために生きていたかもしれません。実際は夢を叶えるために働いていたのですけどね!(笑)

もちろんフィリピン人全員ではありませんが、日本人と比べてクレーバーな考え方をもって働く人が多いです。給与が低いと思ったらすぐ転職。なんかムカついたらすぐ転職。友達がいなくなったら転職。みたいな感じで転職の心理的ハードルは日本に比べて低いです。

人の流動性は高い

フィリピン人の転職率は高いです。他のフィリピンの会社の経営者さんと転職について会話したことがありますが、平均は1年で20〜30%ぐらい。3年も同じ会社にいればその会社ではかなりのベテランに位置するぐらいです。

私達の会社も設立当初は1年で離職率が50%ぐらいで、せっかく仕事を覚えてきた従業員が去ってしまうことの繰り返しで、もどかしい思いをしたことを覚えております。ただ現在では1年で離職率10〜15%とフィリピンの転職文化を考えると結構頑張っているかなと(笑)

ただ一概に転職率が低い会社であることが重要なわけでもないし、良いといえません。健全な新陳代謝は必要ですし、重要なのは「会社の成長に必要な人が抜けないようにするためには」だと思います。
特にフィリピンでは下記で説明する「半年正社員ルール」がございますので、会社の形態・業種によって適切な人事制度を作りましょう。

経営者を悩ませる「半年で正社員ルール」

フィリピンで会社を経営してみて、経営者を頭を抱えさせる労働法の1つ「半年で正社員ルール」。正式な名称は忘れてしまいましたが、フィリピンでは半年間雇用した人を正社員にするか契約解消するかを決めなければいけない法律があります。正社員のことをレギュラーと呼ぶのですが、レギュラーにしたらクビ・契約解消にするハードルはグーンとあがります。

今では人事制度がしっかりしている、採用したい人のペルソナが決まっている、資金があることで半年正社員ルールのハードルは下がりました。しかし、会社設立当初は何回もレギュラーにしてしまったこと、レギュラーにしなかったことを後悔することがありました。

このルールがあることでレギュラーになった途端、仕事をサボり出すってのも少なからずあります。フィリピン駐在の方あるあるだと思いますが、「最初の6ヶ月はめちゃくちゃ頑張る」ってフィリピン人みたことあるかもしれません。

また、警備会社などはこのルールを逆手に取って、契約社員の6ヶ月間が終わったら契約解消して他の警備会社に回して、また回してと安い給与のまま雇うみたいのもあるそうです。

まとめ

今回はフィリピンの給与と働き方について書きました。この記事をみているということはフィリピンで起業やフィリピンでなにか事業を行おうと思っている方が多いかと思います。フィリピンの給与の設定は難しいですよね。特に円安になって「あれ?思ったより安くない」と感じるかもしれません。また、インフレの影響でフィリピン政府から毎年毎年最低賃金をあげる方針を施行します。
今後もさらなる経済成長を見込めることから賃金・給与のアップは進むことでしょう。そういった背景、将来を考えながらフィリピンでの事業を考えてみてください!







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