見出し画像

iPhoneをウェブカメラにしてコンパクトなライブ配信体制を実現する方法

先日の案件でTikTok Liveの配信をさせてもらいました。
その時に、これまでミラーレス一眼カメラ(Sigma fpL)を使用した配信体制ではなく、iPhoneとiPadを使用した配信体制を実現させ、コンパクトな配信体制を実現しました。

今回はiPhoneをウェブカメラとしてコンパクトなライブ配信体制を実現する方法について知見を共有して行きます。

今回の経緯|業務カメラ、ミラーレス一眼カメラの課題について

通常のオンライン配信(ライブ配信)の場合、業務用カメラを使用して、SDIやHDMIなどで映像信号を取り、スイッチャーなどに入れて、配信PCにビデオキャプチャーしてストリームに乗せるのが一般的です。

しかし、今回の案件のようにTikTok Liveですと、そんなに大きな機材だと設営も大変で、場所も取ってしまう、画面自体の動きも少ないのでオーバースペックになってしまうのが課題でした。

TikTokのフィードに流れている動画も基本的にはiPhoneなどのスマホで撮影されているものが多いので、iPhoneの映像をそのまま送ることができたら機材の軽減や運用面で非常に楽になるということで、コンパクトな配信体制を組む形になりました。

iPhoneをウェブカメラにする方法

やり方は非常に簡単で、iPhoneとApple純正の「USB-C Digital AV Multiportアダプタ」があれば誰でも実現可能です。

ソフトウェアは通常のカメラアプリではウェブカメラにできないので、使用するのは「Blackmagicdesign Camera」というアプリになります。こちらをインストールしてください。無料で使用できます。

iOS app |「Blackmagicdesign Camera
Android app|「Blackmagicdesign Camera

※Androidの実機でテストしていませんが、「Blackmagicdesign Camera」appが使用できるスマホであれば、どのデバイスでも使用できるかと思います。

アプリの操作方法

アプリを立ち上げると、デフォルトでは左下の「カメラ」の項目になっていると思います。

「Blackmagicdesign Camera」を起動した画面

ここではレンズやフレームレート、シャッター、ISO、ホワイトバランスなどをマニュアルでいじれたり、数値を固定できたりするので非常に便利です。

項目の右下の「設定」に移動してください。

「Blackmagicdesign Camera」の設定画面

色々な設定項目が表示されます。モニターの中の「HDMI出力」の設定をタップしてください。

「Blackmagicdesign Camera」のHDMI出力の設定

さまざまな内容が出ています。今回はウェブカメラとして使用するので、「Video Feed」をタップして、下のON / OFF項目で「クリーンフィード」をONにしてください。

以上がアプリで設定する内容になります。

※「クリーンフィード」より下の項目をONの状態であっても、「クリーンフィード」がONになれば下の項目の設定は全て無視されます。

iPhoneの映像を配信画面に繋げる方法

ここの知識に関しては、配信媒体(TikTokやZoom、YouTubeなど)に関係なく、必要な知識なので覚えておくと便利です。

iPhoneと配信PCを接続する間に「ビデオキャプチャー」を挟むと映像がPCに読み込まれ、配信画面に映ります。

iPhone → ビデオキャプチャー → PC

今回の案件では「ATEM Mini Pro」を使用しましたが、ビデオキャプチャーは様々なデバイスがありますので、自分に必要なデバイスを選びましょう。

「何が最適か」などのご相談は、お問い合わせください。

次にiPhoneからPCに接続するためにHDMIで映像を送ります。
画像のように「USB-C Digital AV Multiportアダプタ」を接続してからHDMIケーブルで「ATEM Mini Pro」まで配線を伸ばします。

iPad「USB-C Digital AV Multiportアダプタ」を接続

カメラは2台体制だったので、どちらも同様につなげます。

iPhone「USB-C Digital AV Multiportアダプタ」を接続

カメラから配線してきたHDMIを「ATEM Mini Pro」に接続し、「ATEM Mini Pro」は配信PCに接続すれば、映像が反映されます。

ATEM Mini Pro と 配信PC

カメラから配線してきたHDMIを「ATEM Mini Pro」に接続し、「ATEM Mini Pro」は配信PCに接続すれば、映像が反映されます。

スマホの映像がしっかり投影されています

「ATEM Mini Pro」でカメラを切り替えながら縦長画面の配信を実現しました。

まとめ

今回はiPhoneをウェブカメラにしてコンパクトなライブ配信体制を実現する方法について紹介しました。

今後ともSNSの需要が拡大していく中で、コンパクトなライブ配信体制が求められてくると思っています。

HDMIを有線で接続していますが、無線で飛ばす方法もアプリによっては実現可能だと思いますので、今後ともそういった技術面の研究もして行きたいと思います。

弊社ではマーケティング戦略・使用用途を汲み取った制作業務(動画制作、ライブ配信、グラフィック制作)を行なっています。クライアント様が内製できることは技術提供するためにnoteで発信を続けていき、クライアント様ができないことを私たちが巻き取る形でやれれば理想です。

制作業務でお困りのことがありましたら、お気軽にご連絡ください。

お問い合わせはこちら

🌐弊社HP

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?