セクサマはプロデューサーの熱烈な情熱を全部載せにした曲だと思うの
もうすぐクリスマス。
でも夏も冬もクリスマス。
「一年中、愛してるよ」。それがすべて。
季節なんて、そんな細かいこと、どうでもいいんです。
そういう曲について語りたくなり、久しぶりにnoteを書き始めてみました。
『Sexy Summerに雪が降る』
2012年の秋にリリースされたSexyZoneの3枚目のシングル表題曲です。
メリークリスマスと歌ってはいるが、果たしてクリスマスソングなのかよく分からないし、YouTubeではMVが1番しか見られないのですが、
スペオキが詰まりすぎていると感じるこの曲、このMVなのであります。
この曲、
「Sexy Summerって何?」
「夏なの?冬なの?」
「でもリリースされたのは秋だし、コンサートで初披露されたのは春なんだよねwww」
など、周辺の情報がぐちゃぐちゃすぎるせいで、よくトンチキソングだなんだかんだと言われていますが、個人的には「南の島に雪が降る」という反戦映画がモチーフの元ネタで、平和を望む想いが込められている、という説を信じています。
しかし、多分このことは歌う本人たちにも伝えられていないので真相は誰も何も分かっておらず、さらにトンチキが加速している……とまあそういうトンチキ曲です(結局トンチキ)。
まあ難しいことは考えずに、まずはMVを見てほしい。
歌い出し。スペオキと名高い顔面国宝・佐藤勝利さんのゴリゴリの顔面推しで曲が始まります。
「どうです!?みなさん!!!これが!うちの!!イチオシの!!売り出し中の!!顔面国宝です!!!綺麗ーーーーな顔してるでしょう〜〜???」
というプロデューサーの心の声のような、ジャパネットたかたのような高らかなセールストークが聞こえてきそうではありませんか。
そうこうしているうちに、SexyZoneの他のメンバー、そして当時のJr.が出てきて賑やかな画面になります。
よくよく目を凝らすと知ってる顔がたくさん……
そう、当時のSexyZoneのバックは、将来有望Jr. の見本市状態で、今のデビュー組もたくさん踊っていました。
続くAメロ。
小さかったマリウスの身長がすでに伸び始めている?この曲の約一年前にリリースされたデビュー曲と比べると成長を感じます。かわいいね。
個人的に好きなのは「♪声をなくして叶えた人魚の願いのように~」の画面右端で、オレが世界の中心だ!と言わんばかりのバキバキのキメ顔!!!
からの、Bメロ「♪サマータイム クリ”ス”マスの~」の「ス」にキメを入れてくる中島健人さん。
彼らのデビューが幼すぎたあまり、2012年のカウコンに年齢制限で年下4人が出られず、東京ドームの真ん中で一人、このよくわからないトンチキ曲を歌い踊った最年長ケンティー、あんたは偉いよ。
問題はサビです。
いや、とってもアイドルソングとしてよくできている可愛い歌詞なんです……「♪滑り落ちて笑い合おうよ」と歌っているのが受験生じゃなければ……
当時の菊池風磨は大学受験を控えた受験生。こんな歌詞を歌わされながらちゃんと名門大学にも合格した風磨、あんたは偉い。
ちなみに松島聡ちゃんも受験生。聡ちゃんも偉い。
あっ、またセクゾのバックにJr.時代の現在のデビュー組がたくさん映ってきた!
君は誰かいたか全員わかったかな?
などと思っている間に曲が終わり、賑やかだったけどよく分からなかった、とみんな狐につままれたようになる。
情報量が過剰すぎるのです。
でも強烈に印象に残る独特の世界観。
これがこの事務所のエンターテイメントなのか……という気持ちにさせられる、そんな曲です。
こういう曲は、聞くんじゃない、浴びろ。
考えるな、感じろ。
そういうことなんだと思います。
トンチキを乗りこなせ
そもそも、トンチキソングは一流アイドルじゃないと歌いこなせない、かなり難易度の高いジャンルだと私は思っています。
最初から笑わせにいってる「コミックソング」ではないのです。
あくまで作り手、そしてパフォーマーであるアイドルたちは「大真面目に」この曲を表現している。
この曲は最後に一人ひとりセリフもあり、全員がキザなセリフもやり切らなければなりません。
本心では「変な歌だなぁ」と思っていたとしても。
笑わずにカッコよく、可愛く、決めるところを決める、歌唱力、パフォーマンス力、表情管理スキルなどが求められます。
そうでなければ、ちょっとでもパフォーマンスに隙を見せてしまったら、ヘンテコな世界観も相まって嘲笑の対象になってしまいます。
そうさせない、これを一つの作品として、世界観を表現し切るだけのスキルがないと乗りこなせない、それがトンチキソングです。
それを、カップリング曲でもなく、アルバム曲でもなく、堂々とシングルの表題曲に持ってくる。
まさにSexyZoneに対する大いなる期待の表れではないか。
「この曲を乗りこなせるだけの一流アイドルになりなさい」
そんな気持ちでこの曲はセクシーたちに託されたのではないかと、そんな気がしています。
……と、ここまで持論を垂れ流してしまいましたが、制作陣が何を考えていたのか、本当のところはよくわかりません。笑
ここからは体感として、この曲を浴びた時の効能をお伝えしたいと思います。
いろいろ言ってみたけど、とにかく「楽しい!楽しい!楽しい!」
ライブのような大きい会場で体感したことがある人は肌感で分かると思うのですが、とにかくアイドルポップスとしてキャッチーでカラフルでハッピーな雰囲気で楽しい。
後ろでちびっ子Jr. も一緒にぴょんぴょん踊っていたりする。
♪波を捕”ま”えて〜 の「ま」の時のぴょん!ってなる振付、可愛すぎて最高。
楽しい楽しい楽しい!脳内麻薬がドバドバ出てきます。
♪滑り落ちて 笑い合おうよ〜
これを受験生の時に笑顔で歌ってたんだね……可愛すぎる衣装にイライラして楽屋でメンチ切ってたような高校生が……頑張ったね、よくグレなかったね、偉いね。
もう泣けてくるね。
10年経っても色褪せない、キラキラで楽しい雰囲気になる最高にキャッチーなアイドルソング。
これを10年歌い継ぎ、身体に染み込ませてきたアイドルスキル。
凡人にはとても着想できない、ぶっ飛びすぎるくらいぶっ飛んだ世界観だからこそ、他のグループのファンにも知られている曲。
国民的アイドルがもってるべき曲って、こういう曲だよね。
エンターテイメントって「意味がわかる」ことじゃない、「楽しくなる」こと。
なんかよくわかんないけど、聴いてるだけで楽しくなってくる。
その力がこの曲にはあります。
歌詞の意味なんてわからない小さい子どもも好きでしょ?この曲。うちの子どもたちは好きです。
そんなことを考えていると、この曲って当時のSexy Zoneの周りの大人たちが彼らにかけてきた想いと愛情がぎゅうぎゅうに詰め込まれた曲だなと思うわけですよ。
195カ国の夢を乗せて地球は回る、という世界平和の想いを託されて世に放たれたSexyZone。
3枚目のシングルにも反戦のモチーフを忍ばせつつ、一流のアイドルスキルを磨くための要素、なんだかよく分からないけど脳内麻薬ドバドバ出てくる楽しいエンターテイメントの要素、
一個も妥協しない、想い、愛情がてんこもりの全部載せです。
全部載せすぎて、ハイコンテキストすぎて、凡人には理解が追いつかないから「トンチキ」と言われてしまうだけなんだ。
他のグループには真似できない、愛情たっぷりの宝物のような曲だね。
そんなことを踏まえて、もう一度見てきてください、このMV。全然違って聞こえるでしょ。