ベトナム旅行記②「可愛い」を守るための闘争
8月21日(火)
ベトナム旅行2日目 ハロン・ハノイ
ベトナム旅行記①はこちら!
現在21日夜8時。ハノイの搭乗ゲートから飛行機に向かうシャトルバスの中で見知らぬ国の若者が席を譲ってくれ、よっぽど疲れていそうに見えたのかロングのワンピースがマタニティ感醸していたのかわからないけどとても嬉しかったので書いておく。フォーと海鮮しか入っていないお腹を撫でたりしてみたけれど飽きたので日記を書きます。
6時20分に起きると母はすでにシャワーを浴びて化粧を済ませていた。私は持ってきたはずのチークとアイシャドウが見当たらなかったので母に借りた。パーソナルカラーと肌質が同じだとこういうとき便利。
夜中にまた雷雨があったらしいが全然気付かずに爆睡していた。
ビュッフェで朝食をとった後、ハロン市場見学に向かう。
カラフルな野菜や果物がたくさんあって見ているだけで元気になる気がする。豆腐的なものをフライパンで焼いていて、自宅のご飯を思い出した。
続いてハロン湾クルーズに向かう。
クルーズはさまざまなコースがあり、船中泊できるコースもあるが、私たちは三時間のコース。出航するとさっそく階段で甲板に向かう。
私たちともう一組の夫婦4人で貸し切りだったのでで、すてきなデッキチェアを独占して風を浴びているうちに視界に大きな岩が次々立ち現れる。生憎の曇り空だったがもちろんサングラス。
途中、大きな船から手漕ぎボートに乗り換えて、トンネルのようになった岩の隙間を抜けてさらに湾の奥部に進んでいく。
水が滴りおちる薄暗いトンネルを抜けて視界がぱっと開けるときの高揚感、光がさす水の色の美しさは忘れがたい。
大きな船に戻る。これが犬の形の岩、これは猫の岩、ゴリラの岩、鶏の夫婦岩、などなどガイドさんに教えてもらった。
↑は猫の岩。
星座もそうだけれど、物を何か別のものに見立てて名前をつけていくのは万国共通なんだなあと思うなど。
100段の階段を上った先にある鍾乳洞は「天国の宮殿」という名前がついている。
学者などでなく漁師が偶然発見したらしい。幻想的だけれど、岩が全方位から迫ってくるようで迫力もある。天井の方から、糸のように細長く縦に流れる石灰岩の密集した箇所は圧巻だった(ガイドさんは「クラゲがたくさん」と言っていた)。
クルーズ船でシーフードメインの昼食。船に本格的なキッチンがあって、春巻は揚げたて、スープも温かくて美味しかった。食事は同じツアーに参加しているもう一組の夫婦と一緒に取るのだが、夫の方がありがちなジャパン・アズ・ナンバーワンおじさんで、日本はベトナムの空港や高速道路に投資しているからこちらの人は親日なんだとか、恩があるから日本人にサービスして当然だ的なことをずっと言っていて、同じ国から来て同じ行程で旅行していてもこんなに見えている世界や感じることが違うんだなあとしみじみする。
「最近の若者は車にもゴルフにも興味がない」的なジャパンおじさんの嘆きに、うちの母が「今の子はスマホにばかりお金を使って外に目が向かない」みたいなことを言ったりもしていたので、もし帰国前に私がブチ切れてバブルvsゆとりの世代間抗争inベトナムが起きたら報告しますね。
クルーズが終わった途端にまた雨が降り出して、クルーズ中降らなかったことに感謝した。雨女だけど最悪の事態は免れた。
午後は、楽しみにしていたバッチャン村へ。焼き物で有名な村で、工房見学とお土産選びをする。
細かい模様は全部手塗りだそう。
ガイドブックなどでよく見るこういう↑模様の茶器セットはやっぱり可愛いし、お高いアンティークのもの↓はもちろん素敵だった。
私が特にテンションが上がったイチオシのシリーズはこれ↓
めちゃめちゃ可愛くてわいわい騒いでいたら、すぐに店員が来て「これは名人が作りました」と真剣な顔で告げてきたので値段は聞けなかった。富豪になりたい。
ダナンに飛ぶ飛行機まで時間があるからもう一軒陶器の店に寄れますよ、とガイドさんが言ってくれたのだが、ジャパンおじさんが「焼き物はもういいよ!」と即答したので空港に向かうことになってしまった。
伝統的な可愛いものを愛でる気持ちは日本すごいおじさんには絶対理解されない。それは仕方ない。世代や思考が違うからって必ずしも戦う必要はない。でも、だからこそ、たとえ伝わらなくても自分はこれが好きで楽しみにしてきたんだって、ちゃんと主張しないと一方的に踏みにじられるだけだよなあと反省した。普段自分の趣味や思考を理解してくれる人々に囲まれているからそういうことを忘れがち。勉強になった。
ハノイの空港に着いて、よくしてくれたガイドさんと別れる。若い頃の学生旅行のときのように大仰に悲しんで写真を撮ったりするのも違う気がして、戦争の話を聞いたこと、レインコートを貸してもらったことをきちんと覚えておこうと思う。
空港に早めに着いたはいいけれど、7時発予定の飛行機が1時間半遅れるそう。母と私は予想外の自由時間に嬉々として空港内のおしゃれカフェへ。ベトナムコーヒーが飲みたい!ということで私はアイスのココナッツコーヒーを頼んだ。
ココナッツミルクのまろやかな甘みとコーヒーの苦みが調和して想像以上に美味しい!!この夏、友人たちとタピオカをたくさん飲んだおかげで、甘くて冷たい飲み物を楽しめるようになって本当によかった。
ダナンまで1時間20分のフライトを終えて、デニムジャケットを着た女性ガイドさんと合流。ダナンも土砂降りの雨で、ガイドさんがこんなに降るのは珍しい、と言っていたので笑った。逆・天気の子が絶賛ベトナム縦断中です!
日付が変わる直前にホテルに着いた。風呂に入りながらLINEであげは嬢と『夏物語』の感想を言い合ってから就寝。
結局、書き始めてからアップするまでに丸一日以上かかった。旅行も旅行記もまだまだ続く!
日記を読んでくださってありがとうございます。サポートは文学フリマ東京で頒布する同人誌の製作(+お酒とサウナ)に使わせていただきます。