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出雲縁結びスピリチュアル逃避行②

3月1日(日)

出雲縁結びスピリチュアル逃避行2日目。

昨日の日記に引き続き、「こんなときに旅行なんてすべきではない」と思う人には愉快な内容ではないだろうことを断っておく。

宿泊していた旅館の部屋はとても乾燥していた。起きてすぐに朝風呂に行って、顔と身体の表面を潤してからメイクをした。

鞄から、リップが計7本発見される。二泊三日なのに、そして食事中以外はずっとマスクをしているからリップは見えないのになぜだ。

朝食は、一人分を釜で炊いた白米と白米に合うおかずたち。

そして名産のしじみをふんだんに使ったしじみ汁。満たされて出発する。

宿の傍の玉作湯神社で御朱印と「叶い石」というお守りをいただく。白い紙袋を一つ選ぶと、その中には袋ごとに違った石石とお守り袋、そして願いごとを書く複写紙が入っている。

石を光に透かすと透明感のあるオレンジになって綺麗。お守り袋は青だった。神社に参拝した後、「願い石」という大きな黒い石からわき出て来る水で自分の叶い石を洗い清め、願い石に叶い石をタッチさせてパワーを注入させる。

そして願い事を複写紙に書いて、一枚は叶い石と一緒にお守り袋に入れ、一枚はお賽銭箱の横の専用箱に投函した。ミッションが多くて途中でテンパったが、つつがなく完了できてよかった。

その後ぶらぶらと温泉街を散歩しつつ、徒歩三十分の道のりを駅に向かう。電車が来るまでに時間があったので駅の傍の湯町窯へ。この窯でカラフルな縦縞模様のコーヒーカップ&ソーサーを発見し、自分のおみやげに購入した。あとは母に一輪挿しも。「どこかで窯に立ち寄る」というのは私の旅行中の目標の一つで、それが無事達成できたのでよかった。朝から焼き物を持ち歩くことになったが、ちっとも重さを感じない。

山陰本線で出雲市駅に向かい、そこからバスで出雲大社前へ。松の参道を歩いていく間に、たびたびうさぎのオブジェと出会った。あとは馬や牛も。参拝はつつがなく済んで、御朱印をいただき、私もメイコもえんむすびのお守りを買う。出雲大社のえんむすびのお守りを他人からおみやげでもらうと効果があるという話を聞いたので、東京に帰ってからメイコと何食わぬ顔でそれぞれが買ってきたお守りを交換するつもりだ。これで、旅の目標その2を達成。

出雲大社の両隣にも御朱印がいただける神社があるということで行ってみる。北島国造館の敷地内にある滝に癒される。

さらにここでは、「結守」という、船木結さんを讃えたすばらしいお守りを発見して思わず購入。形も勾玉でとても可愛い。

同じ理由で「縁結び」かまぼこも買った。

「縁」と「び」だけ先に食べたら完全にジャニーズファンのうちわである。

参拝と、御朱印&船木結グッズ集めが一段落したので食事処に入ってぜんざいを食べて一息つく。甘いものを食べると一瞬で疲労が回復する。元気になったのでSANBE BURGERという島根の食材を使ったご当地バーガーを食べる。

気になっていた大社珈琲で「縁結びブレンド」をテイクアウトし、一畑電車に乗り込んで出雲大社を後にする。畑の中をずっと走っていくローカル線のボックスシートで、推しの名前が入った美味しい珈琲を飲んだ。

一畑電車と周遊バス・松江レイクラインを乗り継いで松江駅に。貼るカイロを服の下に仕込んで寒さ対策をしてから船着き場に向かい、日没に合わせて出発するしんじ湖のサンセットクルーズに乗り込んだ。空は厚い雲に覆われていて、夕日は見えないなあと思っていたのだが、窓ガラスを隔てずに空や海の色が見たくなってしんじ湖の中央付近で甲板に出る。風が強くてとばされそうだ。慌ててイヤリングをはずしてポケットにしまう。風の冷たさに耐えていると、ちょうど日没の直前に、湖の真上の雲が薄くなって、光が差し込み始めた。水色と灰色を混ぜたような空に浮かぶ鳥の羽のような雲、紺色と緑色の海の表面に浮かぶオレンジ色の幾何学模様を認めたと思ったら、空も海も広範囲が薄いピンク色に染まって、遠くに見える薄い水色の山稜が空と海をかろうじてわけていた。

丸い太陽がくっきりと空や海を赤く染め上げる光景も見てみたかったけれど、次々移り変わる空や海の色から太陽の動きを感じるのも、とてもよかった。目に見えなくてもたしかに存在するものに思いを馳せ、それが世界にもたらす美しさを味わう時間。
船はあっという間に元の乗り場に戻ってきて、一時間のクルーズは幕を閉じた。

昨日真っ暗な夜道を玉造温泉駅から歩いた反省をふまえ、今日は松江駅からバスで玉造温泉街に直行することに。バスを待つ間に立ち寄った駅前の喫茶店で、私はひたすら昨日の日記を書いた。

バスで温泉街に到着して、居酒屋に入る。メイコはしじみラーメン、私は三段のお重によそわれた割子そばを食べた。

宿に帰るとすぐさま、温泉に入ってクルーズで冷えた身体を温める。サブスクで「はじめてのポルノグラフィティ」を聴きながら、100の質問や日記を書いた。もう一度温泉に入って寝る。温泉で始まり温泉で終わる理想の一日。

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