はじまりのはじまりは1台のアメ車でした。
しばらくnoteから遠のいていました。
もうひとつの本業である編集業務がちょっと詰まっていたのと、11月12月はキャンプ場のあるみかん園が収穫期のため、キャンプ場をお休みしているから、です。
ある日突然出てきた探し物。
農園の中にキャンプ場を創ろう、誰もが自然と向き合える場を創ろう。
そんなことを思い立ち、作業を始めたのがちょうど1年前です。
話はその半年前の春に遡ります。
いつも車の整備をお願いしているショップオーナーから「今日のオークションに出ますよ!」と電話をもらいました。この記事のトップ写真の車、2004年式アストロスタークラフト ブロアムリミテッドです。
レプリカも出回っていますが、これは三井物産仕入のディーラー車。本物です。
この車を5年以上探していました。しかしなかなか見つかりません。もう廃車されていることが多いから、と聞いていましたが、諦めきれず、ショップオーナーにずっと探してもらっていたのです。
実車を見る時間はありませんでしたが、迷わず「手に入れて!」と返事していました。
それから1か月。受け取りに行ったショップでコクピットに座った瞬間、思わず「おぉ」と言ってしまったことを覚えています。
20台前半にモーターホームの業界にいて、大きな車でゆったりと旅をするように暮らす世界に憧れていました。
その頃、アストロは日本で大人気の1台。当時の私には手が届くわけもない金額だったのと、ちょっと気になる点もいくつかあり、購入するまではいかず。それから数年経って見かけたのがこの車。すでに編集の仕事に就いていて、当時はオールドビートルに乗っていたこともあり、「いつか、ね」と考える程度。
しかし、頭の片隅にずっと居続けたのは事実です。
スイッチが入る、音がした。
さて、車が自分のものとなってしばらく。
ちょうどコロナ禍で会社の仕事の9割が飛んでしまい、さて、何をしようかな、と思っていたときのこと。
なんとなくこの車で山の方へ向かいました。目的もなくだらだらと運転していたとき、「あっ!」と急に20代の頃を思い出しました。
自分は、ゆったりと自然と向き合う中で何かに気づき、自然や、そこから生まれる文化・風習といったものを大切にしていくことを発信するために、「伝える」仕事を選んだんじゃなかったっけ?と。
同時に、憧れていたモーターホームの暮らし、キャンプ場を時折訪ねるなかで感じる違和感、いろいろな思いもこみ上げてきました。
「そうか、何もない今だから、そっちへシフトすればいいのか」
そう感じ、急にワクワク。
お金はありません。それどころか会社のスタッフを維持するために結構な額を借入している。しかし考える頭と、ないものは創ればいい、という守り続けているスタンスはある。
スイッチが入った瞬間です。
というわけで、その数ヶ月後の昨年夏、「Foundation Camp」というプロジェクトを動かし始めました。
先述の通りお金はありませんから、補助金申請と、DIY。その中でどこまで自分の理想の形を実現できるのか。合間を見て和歌山の山の上に通い、農園主と話し、土地の整地から始める日々がその後続いていきます。
アイドリングシーズン終了。1月から本格化。
農業のリアルに触れてもらう、自然以外何もない場所、農園主がホストで自分は影。そんなキャンプ場「Mandarin Field」は、紆余曲折を経て今年6月に開園しました。
お客さんはぼちぼち、です。でも、今期はそれで良かった。
まずは農園主に、人と触れあうことに慣れていただくとともに、その中でどんなことを伝えたいかも考えてもらう必要があったから。
もちろん私も、この場所で何をすべきか、したいか、ちゃんと考える必要があります。
農園の収穫期はその時間のため、でもある。
私がここで成すべき事は
・お客さんが何かを感じられる場を醸成する。感じることを強制しない場
・農園のことを多くの人に知ってもらえるための作戦を練る
・農園主の収入を向上させる方策を練る
の3点。
この半年を振り返り、来月からのセカンドシーズンに向けての準備を現在は続けています。
「Mandarin Field」のために開発した薪風呂は、好評なのを受けて勢いでプロダクトとして販売することにしました。
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本格的な挑戦は、これからです。
応援よろしくお願いします。