ゲル状

頼まれてもいないのに、勝手にMixテープを作ったりしてしまう俺です。街に溶け込んでるつもりが、誰もに避けられるミニ怪獣な俺です。ノスタルジーを感じたくて、いつもレトロな路地や看板や団子屋やアメリカン雑貨屋なんかを探してしまう俺です。

昨日、いや、
ていうか、
昨日の話、してもしゃーない。したつもりにしとく。

電車はいつも俺の体を運ぶ。夜のキラメキを胸にしまおうとする時、罪悪感に苛まれてしまう。滑稽な人相のくたびれ男が窓に映ってる。いつもどんよりした過去を振り返ってる。うまく言葉にできない気持ちばっかりを、背負い込んで遮断機をくぐる毎日。石ころになりたい。遠くにいる人の、新しい言葉なら、待ってる。いつか聞けると信じてる。それだけを頼りに。

人が興味ないものに大金を注ぎ込んでしまいます。
レコードとか。
もう、置ききれないかも、とか、知るか。床が抜けるかも、とか、大歓迎じゃ。そんなしょーもないこと考えてる暇はなく、俺の肉体が肉体してる間は進む。道ではなく、海を。歩くのではなく、泳ぐのだ。陸地より海のほうが広いのだ。陸地でうだうだあーだこーだ言ってるうちはまだ青いのだ。

友達がいないからたくさんのレコードを聴いてきた。
おかげでたくさんの音楽を聴けたかもしれない。
友達は音楽なのかもしれない。別にいいだろう。
人間である必要はないだろう。
イメージとしては俺が今まで聴いてきた音楽によって生まれた幻の人間が1人いる、みたいな。見た目は透明、いや、ゲル状、帰ったら部屋のイスに座ってる。言葉は発しない。
そいつにいいバンド見つけたなぁ、って言われたいし、
面白い曲作ったなぁ、って言われたいな。

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