Walkin'

先日、京都に行った。
先輩方に可愛がってもらった。
バスで出町柳に行き、そばを食べた。ちいちゃい店で、カウンターにおばちゃん4人が密集してて心地よいやかましさで。固めのしっかりしたそば。それから商店街へと歩いた。ふたばの豆餅の店はすげえ並んでた。お洒落な本屋兼カフェがあった。阿闍梨餅買った。この辺りに外人はいない。最近はそこが俺にとって重要になってきてる。外人が嫌いではないが、日本人だけで賑わってる道をたまには見たいんだな。商店街を抜けてどんどん北上した。あてはなかった。なんちゃって京都通の俺たちは空を翔んだ。ウィスパーボイスになった。京都御所で阿闍梨を一口で食べ、まつぼっくりを知ったかぶりした。セントラルパークがなんだ。ロイヤルパークがどうした?俺たちには京都御所がある。ここの冷たい空気と風情と同化してみよう。歴史は移動しない。形が変わるだけでそこにあるまま。

俺たちは遂に自分の居場所がわからなくなるほど歩いた。小学生に抜かされ、排気ガスに染められ、変な看板に一喜一憂し、くだらない話のおちを無理やり考えた。要するに歩き疲れた。神社があった。すかさず入って水を飲んで休んだ。誰も写真を撮ろうともしなかった。引き返すことを決めた。トンビが山に帰っていく。街はでたらめに、ランダムに生け贄を選び始め、徐々に狙いだした。

夕暮れ、鴨川沿いのレストランに行った。安い定食を頼みました。店員がきらめいてた。仕事の愚痴を唾を飛ばしあいながら話し、供出された料理に舌鼓を打った。俺に明日の不安は無かった。俺に明日の不安は無かった。そしてもう阿闍梨たい自分がいた。

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