なぜ今、自主制作で長編映画を撮ろうと思ったか。~監督、末吉ノブ氏のコメント(前半)
監督/撮影の末吉ノブと申します。
映画「スタジオ グレア」のnoteをお読み頂きありがとうございます。
今回、この「スタジオ グレア」を作ろうと思ったきっかけはやはり、去年の春先から始まった、コロナ禍の世の中を見てです。
それまでは仕事で映像を作る側で、常に何かしらを表現してました。映像を生業として生活して18年間、作ることを他の何かが原因で辞めさせられることなどなく、自分なりに仕事としての映像表現をしてました。
が、コロナの世の中になり、まず仕事が相次いでキャンセルされ、撮影する事が出来なくなりました。当時はもう何もする事が出来ない仕方なさを噛み締めるしかなかったですね。
でも逆に、改めて気付かされたのが、1人でも映像の表現はできる。ということ。仕事で大人数で映像を作り続けていると、初心を忘れがちになりますね。
まずは写真から。
そう思って2020年の4月と5月は毎日シャッターを切るを自分に課して写真を撮り続けてました。
とにかく無心に撮ってましたね。
そして、映像を撮ろうと。
そう思った時にTwitterで出会った村上岳という男。
Twitter上でも分かるほど、とにかくバイタリティ溢れまくりの彼が、Slackのコミュニティ「映像小屋」というのを立ち上げたということ。こんな世の中ですが、とにかく自主で映像を撮りまくりましょう!という救世主のようなコミュニティ。
映像を撮りたいと思ってたので何も考えずに、手を上げて参加しました。
そこからはひたすら無心に自主制作で映像を撮ってました。MV的なものやVlog、ポートレートムービーなどは、仕事で培ってきた経験値もあり、簡単にクオリティ高い物が出来ます。それはいわゆるワンオペでの撮影でも出来ました。
そうしていくうちに、やはりお芝居を撮りたいなと思うようになりました。
元々、高校生の頃から映画監督になるのが夢ではあったし、自主で色々撮ったりもしてたので。仕事でもお芝居を撮ることはありましたが、やはり仕事ゆえのジレンマを抱えながら撮影するのと、完全に自分の撮りたいものを撮るのとでは全然違います。
そして、映像小屋のメンバーとまずは「明滅」という短編を撮りました。その作品に出てくれたのが、今回の「スタジオ グレア」の主役、姿乃瑆(しのひかる)役の米村真理さんでした。もう1人の主演だった卯ノ原圭吾くんの推薦で出ていただいたんですが、撮りながら、とにかく華があるなーと思ったのが印象的でした。
その「明滅」撮影後、しばらくして何故か突発的に思ったんです。
「米村真理で長編、撮ろう。」
そして、「スタジオ グレア」の本を一気に書き始めるのでした…。
そして、映像小屋のメンバーで「明滅」の時に現場のお手伝いに来てくれて出会った榊原雄くんに声を掛け、「スタジオ グレア」は動き出しました。
(後半に続く)