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「スタジオ グレア」に込めた想い。~監督、末吉ノブ氏のコメント(後半)

引き続きよろしくお願いします。

そんな経緯もあり、「スタジオ グレア」は始まりました。
まずこの映画を作るにあたり、僕自身がインプットしまくっていた時期、年代の作品へのリスペクトから入りました。
それは洋画がまばゆく輝きまくっていた時代。80年代と90年代です。僕が映画を撮るなら、その時代の洋画からの影響は避けられません。
特に今作はキャメロン・クロウとリチャード・リンクレイターへのリスペクトが多大にあります。シンプルな会話劇なのに、叙情的にストーリーを見せていく事を意識して作りました。余計なことはせずに、小細工なしで時間軸に沿って見せていくストーリーになっております。

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そして、この映画に登場する2人のマイノリティ。色の見えないカメラマン助手と、売れっ子の女優という、世間から少し外れたところにいる2人が偶然にも出会い、
困難の中で生きていくという苦悩、迷い、決意をお互いに会話を重ねながら理解し合っていく過程も大切に描きました。
とにかく、会話をしなければその人のことは何も分からないし、理解も出来ない。人と知り合うという事は、話してお互いのことを知り合うという事。

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主人公の姿乃瑆のモデルは、僕が今までに撮ってきたアーティストさん達の面影やエピソードを重ねています。また、主人公の三枝陵介にも、僕が今まで歩んできた撮影人生を重ねています。どちらもほぼリアルです。

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そして、音楽はぐっさんこと山口隆志氏にお願いしました。
本が書き上がって、ある程度絵が見えた時点で、アコギ1本の劇伴がひたすら流れている感じにしようと決めてました。叙情的なメロディをアコギで弾ける人、もう僕の中ではぐっさんしか居ませんでした。お願いしたところ、快く引き受けていただき、最高なギターを弾いてくれました。メインテーマになっている曲は特に最高です。

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今作には大事な仲間でもある、大好きな役者が6人出ております。

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まず主人公、三枝陵介役の榊原雄。
彼はとにかく不器用なんですが、同じくらい真っ直ぐな人間です。人としての経験値もそこまである訳ではない所が、さらに陵介にピッタリだなと思いました。
そして、とにかく優しい。真っ直ぐで優しい。不器用。まさに陵介でした。車の運転はめちゃくちゃ下手くそでしたけどね笑

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そして姿乃瑆役の米村真理。
元々、彼女のヒロインとしての輝きが今作のきっかけにもなりました。正直、そこまで演技経験もあるわけではなかったんですが、そこがまたよかったと思います。売れっ子の女優が、話していくうちに1人の女の子にいつの間にかなってて、最後の最後の表情で見てる人は救われるんじゃないでしょうか。

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陵介の幼なじみの、りん役の斎藤千晃。
去年の8月の初めましての現場の打ち上げで絡まれて、即決でした笑 何でも相談できる友達役とか合いそうだよねーって言ってたそのままですね笑
今作をお願いする際に、これを見てくださいと言った作品が、「プリティ イン ピンク」という映画。これに登場する、ダッキーという幼なじみがいて、、同じ役回りですと。見事でした。ラスト、泣きます。大好きです。

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陵介の師匠の浅岡役、米元信太郎。
ちょっと口うるさいけど、懐の深い大先輩カメラマンの浅岡。安定感があるけど、たまにお茶目な米さんにお願いしました。強面だからこその滲み出る人間味が、めちゃくちゃ味のある俳優さんだと思ってます。先の斎藤千晃とこの後のオツハタ、そして米元信太郎の3人が今作品のお芝居をめちゃくちゃ締めてくれています。

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瑆のマネージャー伊藤役、オツハタ。
去年の9月に短編で米元信太郎とオツハタの2人の掛け合いの芝居を観て、決めてました。今作でも米さんとオツ2人だけのシーンがちょいちょいあって、しかもそれぞれが重要なシーンになってるんですが、めちゃくちゃいいんです。イヤなマネージャー役で、終始眉間にシワがあるような役ですが、ちょっと憎めないとこがあるのもオツハタならではだなーと思ってます。

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そして、瑆専属のカメラマン、宇田川コージ役の卯ノ原圭吾。
登場シーンはちょっとだけなんですが、インパクトのある役です。お芝居を撮るようになってから一番最初に撮らせていただいた俳優の圭吾くん。元々、今作は出演予定はなかったんですが、急遽出演して頂きました。

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そしてそして、
弾丸の4日間のオール北海道ロケの実現を叶えていただいた、札幌美少女図鑑代表の黒田さん。ロケ地の許可取りや手配、キャスティングやエキストラの手配、何から何まで北海道でのバックアップをして頂きました。ありがとうございました。


長くなりましたが、もっと書きたいことはあるのですが、一旦ここで終了にします。
僕をはじめ、俳優たちの想いが詰まりまくってます。
「スタジオ グレア」よろしくお願いします!!!


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主演の榊原雄より、
監督末吉ノブへのコメント。

 “ここにあるジュースを撮ってください”そんな事を言われたら、みんなそのジュースを美味しく撮ろうと必死に構図を練ると思います。しかし監督は違いました。「俺はこのジュースがどんな味で、なんでここに置いてあるのか。それが伝わるように撮りたい。」これは僕がカメラマンである陵介を演じるにあたって監督に写真を教わっている時に聞いた言葉です。この思いは映像を撮る時も一緒で、監督はただ単に綺麗な画を撮るわけじゃなく、その人物の感情や物の背景を拾い上げて映し出してくれます。そしてそれは映画の撮り方にも表れていて、役者は最初何も言われずに自由に芝居をします。そして監督はそこで見えた動きや感情を拾って最終的なカット割りを決めていきます。これは役者にとって嬉しいことであり、挑戦でもあります。作品を思い、役者に寄り添う監督には何度も助けてもらいました。
 『スタジオグレア』は常日頃人と話すことでお互いを知り合っていくことを大事にしている末吉監督だからこそ作れたお話です。いつも優しく時に厳しいちょっと年の離れたお兄さん。これからも僕はそんな監督のファンで有り続けます。

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