見出し画像

GLAP在学生インタビュー Vol.1(前編)

2017年度に開設したGLAPは、1学年の定員が20名(~2022年度)これまで入学した学生が約120人と少なく、実際にどんな学生が、どんな学生生活を送っているか、もっと情報が欲しい!という受験生からの声を多数いただいています。
そこで、GLAPに興味を持つ受験生の方に、実際にGLAPで学んだ学生がどのような想いを抱き4年間を過ごしたのかを紹介する、GLAP生のインタビュー記事をお届けします!

【自己紹介】

GLAP4年生(取材当時)の酒井です。※専攻分野はHumanitiesで、2年生秋学期から3年生春学期の「Study Abroad」ではアメリカのトリニティ・カレッジに留学していました。これまでの海外経験として、9歳から16歳までアメリカに住んでいました。

※専攻分野
GLAP生は、留学から帰国した3年秋学期から4年生の1年半にかけて学ぶ専門分野を「Humanities」「Citizenship」「Business」の3つから選択します。


取材当時の酒井さん(池袋キャンパス本館にて撮影)

【GLAPを選んだ理由】

ー日本にはたくさんの大学があるわけですが、立教大学、GLAPを選んだ理由を聞かせてください。

酒井さん:元々趣味はたくさんあるほうでしたが、本当に何が好きなのかよくわかっていませんでした。大学では、色々なことを学び、触れたいと考えており、その流れでリベラルアーツの学びに興味を持ったことが、GLAPを選んだ理由の1つです。もう1つの理由は、今まで培ってきた英語力を活かしたいと思っていたので、英語で学べる学部に興味を持ち、最終的にはGLAPを選びました。

【高校と大学の違い  ~大学1年生~】

ーまずは入学してから1年生までのお話を聞かせてください。高校生から大学生への変化、GLAPに入学して衝撃を受けたこと、あるいは期待していたことがあれば教えてください。

酒井さん:高校2年生になるタイミングで日本に帰国して、国際系の高校に編入する選択肢もあったのですが、公立高校への編入を選択しました。この場合、選択肢が本当に少なかったです。1校だけ受け入れ可能な高校があって、そこに入学したのですが、私自身、日本の高校で学ぶ準備をあまりしてこなかったので、授業についていくのも大変でしたし、カルチャーショックというか「違い」を感じた部分がたくさんありました。同級生との関わりが自分にとってはかなり難しく、育ってきた環境の違いから、価値観も考え方も違うので、友達を作るのもかなり苦労しました。この経験もあり、大学は絶対国際的なところに進学したいと思っていましたし、自分と同じような経験をして来た人と関わりたいと思っていました。
実際にGLAPに入学してみると、自分のようにアメリカの在住経験があったり、様々な国での在住経験があったりと色々なバックグラウンド・価値観を持った人がいました。このことからも、GLAPは自分に合っているなと実感しましたし、GLAPの中に自分の居場所ができました。この、「居場所ができた」という感覚は、高校2年生から日本で過ごした中で得られなかった感覚なので、そこは本当に期待通りでした。

―GLAPの国際性、多様性は酒井さんの話を聞いていて、まさにその通りだなと思います。
次に、授業についてうかがいます。GLAPは1学年20人という少人数制で、授業では※アクティブ・ラーニングによる学びを大切にしています。実際に授業を受けて酒井さんはどう感じましたか?

※アクティブ・ラーニング
教員からの一方的な講義形式の授業ではなく、グループワーク等の手法を用い、生徒が能動的に考え、学習する教育法のこと。

酒井さん:少人数で行われる授業だからこそ、色々な意見があって当たり前ということに気づける。この人はこういう経験をしてきているから、こういう視点で物事を見ることができるんだ、という気づきがたくさんあって、とても面白かったです。

【「Study Abroad」の準備と留学先選び  ~大学1年生~】

ー入学して、大学生活に適応していくことと並行して、GLAPでは入学直後から、2年生秋学期からの「Study Abroad」の留学先を検討するスケジュールになっています。「Study Abroad」選考に向けての準備を、春学期から夏休みにかけて行ったと思いますが、ご自身で「Study Abroad」に向けてこういう準備をした、学業だけではなく心の準備等を含めて行ったことがあれば教えてください。

酒井さん:「Study Abroad」での留学を通して、自分が何を得たいかをまず考えました。GLAPのカリキュラムでは、留学から帰ってきたら、「Humanities」「Citizenship」「Business」の3分野から、自分が体系的に学ぶ分野を選ばないといけない、その分野で「Graduation Paper」を書かなくてはいけないということを念頭に置いていました。入学する前から自分が興味あるのは「Humanities」かなと思っていて、分野選択につながるような留学生活を送りたいなと考えていたので、GLAPが選択できる留学先の中でも、自分の興味がある学びができること、自分を見つめなおせるような大学にしたいなと思っていました。英語力は、もうちょっとちゃんとIELTSやTOEFLを受験していたほうがよかったなとは思うんですけど、自分とちゃんと向き合って考えた夏休みを過ごせたかなと思います。

―元々アメリカに滞在していたので、英語力という点ではあまり不安はなかったと思いますが、どの大学に行くかという選択は難しかったですか?

酒井さん:そうですね。大学選びはそんなに悩まなかったです。

―楽しみの方が大きかった?

酒井さん:そうですね。

卒業間近の3月にGLAPでの4年間を振り返っていただきました。

【3つの専門分野への導入~大学2年生前半~】

―2年生になると、GLAPの学びの特色でもある、リベラルアーツと専門分野をもっと意識的に考える時期です。2年生春学期には、※「Global Studies Essentials」(必修科目)を学びました。これは、留学後に学ぶ専門分野の決定をするうえで重要な科目群で、選択可能な3分野の導入的な内容を学ぶ科目群ですが、授業を受講する中で考えたことや、気づいたことはありますか?

※Global Studies Essentials
GLAPの必修科目3科目のこと。「Study Abroad」からの帰国後に体系的に学ぶ分野の選択の参考とするため、またGLAPのリベラルアーツの学びをより深めるために開講された科目群(各分野1科目、計3科目)であり、「Humanities」「Citizenship」「Business」の導入的な内容となる。

酒井さん:授業を受講して、各分野においてどのような価値観、考え方を持って学べるのかを改めて認識しました。「Citizenship」分野だからこう考えなければいけないとか、「Business」分野だから、「Humanities」分野だからという自分の先入観を良い意味で壊してくれた授業でした。3分野それぞれの学びが、必ずどこかでつながっていくという感覚があり、「Humanities」分野において特定のトピックを学ぶ際、「Citizenship」分野で学んだ内容があったり、Business分野の要素が入っていたりといったこともありました。3分野はそれぞれ異なるけれど、最終的に学びが着地する場所に共通点があるというのは、学びを通して強く感じました。ただ、3分野を学ぶ中で、分野によって合う・合わないはあって、自分がどう大学生活において学びを深めていきたいのかをしっかりと見つめることができて、取捨選択ができた大事な時間だったかなと、今振り返ると思います。

【「Study Abroad」留学での体験~大学2年生後半から3年生前半~】

―いよいよ※「Study Abroad 1・2」留学で、トリニティ・カレッジに留学しました。「Study Abroad 2」は、2月以降新型コロナウイルスの影響でイメージしていた留学生活ではなかったかもしれませんが、トリニティ・カレッジでの思い出や、学んだことをお聞かせください。

※Study Abroad 1・2
GLAPは、留学を「科目」としており、1セメスター留学し、所定の学びを修めたと判断した場合、12単位が修得できる。留学に1年間(2セメスター)行く場合は、計24単位が修得できる。

酒井さん:留学は、自分の今までの考え方や、やり方を客観的に見れたすごく良い機会だったと思っています。勉学に励む自分の姿勢も変わったなと自覚していますし、学ぶ楽しさも、留学を通して知ることができました。日本にいた頃は、課題を出されても、興味ないな、読みたくないなと思いながら嫌々机に向かっていたんですけど、留学し、自分が興味を持っていた授業、アカデミックアドバイザーに勧められた授業等を受講して、これらの授業で学ぶ中では、周囲からも大きな影響を受けました。今までの自分の考え方とか、勉強に対する思いとか、考え方とかをリセットされたというか、大きな変化があったので、私にとって留学はすごく大きな経験だったと思います。

―学びに対する面は、帰国後に見ていてすごく変わったな、頼もしくなったなと思っていました。ひとつ聞いてみたかったのは、酒井さんの場合は、小さいころからアメリカに滞在していた時期が長くて、現地の人と同じように過ごしていた。その後、大学で、今度は派遣留学生としてアメリカに行くという、ある意味ねじれた経験をしたんですが、留学生の立場でのアメリカでの経験はいかがでしたか?

酒井さん:まったく違いました。小さい頃にいたアメリカとは州も違うので比べるのも難しいのですが、アメリカに住んでいた時は、現地の人として、現地の学校に通い、同じ授業を受けていました。だけど、違う国から留学生として大学に行くというのは、以前はなかったアウェー感がすごくあって、アメリカに帰ってきた、戻ってきたけど、何か違うという思いはありました。アメリカのことは知っているのに、日本人という自分のラベルはなかなか剥がれないし、「海外から来ている人」というレッテルも貼られます。ただ、だからこそ留学生活の中で見えたものもあったと思います。小さい頃、アメリカにいた時に当たり前だった生活を、違う視点から見ることができたのは、日本から留学したからこそできた経験でした。初心に帰るというか、一歩下がってアメリカを見れたし、同時に日本についても新たな視点で見ることができるようになったと思います。

―アメリカでのHumanities分野の学びに関して、例えば文学について、アメリカ人の視点と、日本人の視点と、そういうギャップは感じました?

酒井さん:私も日本人としての視点をしっかり持っているかというと、アメリカでの経験と日本での経験が混ざり合っている視点だと思うので、これは日本人ぽいのかなとか、これはアメリカ人ぽいのかなと思うところもありました。大きなギャップっていうのは、あんまり感じなかったかも知れないですね。

(後編に続く)