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GLAP在学生インタビュー Vol.2(前編)

GLAPは、2017年4月の開設以降、入学定員が20名、在学生・卒業生合わせて約120人と少人数のため、実際にどんな学生が、どんな学生生活を送っているか、もっと先輩たちの生の声が聞きたい!という受験生からの声を多数いただいています。
そこで、GLAPに興味を持つ受験生の方に、実際にGLAPで学んだ学生がどのような想いを抱き、4年間を過ごしたのかを紹介する機会として、Vol.1に引き続き、GLAP生のインタビュー記事をお届けします!

【自己紹介】

GLAP4年(取材当時)の小池です。※専攻分野は「Citizenship」を選択しました。2年生秋学期から3年生春学期の「Study Abroad」はオランダのライデン・ユニバーシティ・カレッジに留学していました。これまでの海外経験としては、幼少時に4年半アメリカに住んでいました。日本への帰国後は、国際的な環境の中学・高校で過ごしていましたが、その後は特に海外経験はありませんでした。

※専攻分野
GLAPは、1年~2年春学期までは幅広い分野を学び、「Study Abroad」から帰国した3年秋学期~4年までの1年半は、「Humanities」「Citizenship」「Business」の3分野から自身の専攻分野を選択するカリキュラムです。

取材当時の小池さん(池袋キャンパス本館前にて撮影)


【GLAPを選んだ理由】

ー小池さんは、日本にある国際的な環境の中学・高校で過ごされたということですが、大学は立教大学のGLAPを選択されました。なぜGLAPを選ばれたのですか?

小池さん:第一に、自分の強みの1つである「英語」を活かせるところに進学したいと考えていました。GLAPは、全部英語で授業が行われ、学位が修得できるということが大きな魅力でしたし、ある程度自由な留学が1年間できるということも魅力でした。このような観点で志望先を検討し、自分の武器だと考えていた英語をさらに磨きたいということで、GLAPを選びました。
 また、人文学、社会学等といった専門分野を深く学ぶ前に、まずは幅広い学びの中で分野を選択していきたいと高校時代に考えていたこともあり、自分が興味がある分野を幅広く学べる環境、リベラルアーツとしての学びができると思ったので、GLAPを選びました。

ー立教大学は元々聖書と英学を教える私塾からスタートしたので、伝統的に英語をすごく重視しています。自由な学びの形や雰囲気が、小池さんの興味関心に合致したということで、GLAPを選択してくれたのですね。

【高校と大学での学びの違い ~大学1年生~】

-ではつぎに、入学してからのことを聞かせてください。GLAP入学後に印象に残っていること、高校までと異なると感じたことはありましたか。

小池さん:高校と大学で一番異なるのは、勉強に対する姿勢ですね。しなくてはいけない、という「義務感」から、「主体的に学ぶ」姿勢に変わったと思います。高校まではテストがあって、そのために勉強をしてというスケジュールで、アウトプットについても、暗記したことを発表することが多かった印象です。自分の意見や仮説を持って、論理的にまとめ、議論していくという学びの形は、高校まではあまり多くなくて、これは高校と大学の違いとして強く感じました。何かに沿って学ぶとしても、ただ暗記するのでなく、それを自分なりの形でまとめ、主体的に取り組みながらアウトプットできるようになった、という点は、大学で身についた勉強への姿勢かなと思います。
高校も少人数で意見を交わし合う環境はあったので、GLAPの少人数教育に圧倒されたということはなく、私にとっては慣れ親しんだ環境でした。大学に入って初めて数百人規模の講義を受けました、といった逆の環境だったらショックを受けると思いますが、高校までと似た環境下で、スムーズに大学生活に入れた印象です。高校の同級生や先輩・後輩で、大規模大学・学部に入学した友人の話を聞いていると、1学年20人以下の少人数である分、濃密な授業を受けられているし、積極的に意見を発言しやすい場所があるので、そういう意味では、自分の学びを最大化できる環境にいるのかなと感じていました

ー高校生の時にも、少人数の学びの環境があり、※アクティブ・ラーニング形式の授業を受けていたということですが、大学の授業の課題の量・質については、高校との違いはありましたか?

※アクティブ・ラーニング
教員からの一方的な講義形式の授業ではなく、グループワーク等の手法を用い、生徒が能動的に考え、学習する教育法のこと。

小池さん:高校の時は、授業前の必須課題は少なくて、授業の中で学んだことを応用した課題が多い印象でした。例えば、数学で三角関数を学んだら、三角関数を使って、東京タワーと富士山が同時に見えることが可能であるかを証明するなど、授業で学んだ内容を踏まえた応用問題のようなものをレポートとして出していました。大学では、課題のあり方がだいぶ変わって、自分が疑問に思ったことが学問的に、もしくは社会的にどのように定義されたり取り扱われたりしているかについて、授業前にまずは自分で情報収集して、自分が今できる範囲の情報等を集め、それを自分なりにまとめて提示して、周囲と議論するといったスタイルです。課題の示され方と自分からの提示の仕方が、似ているようで大きく異なっていたと思います。

ー大学、特にGLAPでの学びは、「教えられる(教授)」より「主体的に学ぶ(学修)」を重視しているので、より主体性が必要となったのですね。


【「Study Abroad」の準備と留学先選び ~大学1年生~】

ーさて、GLAPの1年生での大きなトピックとしては、2年生秋学期からの「Study Abroad」の準備がありますが、小池さんが特別に心掛けていたことがあれば教えてください。

小池さん:心掛けていたことは、日々の授業を大事にすることです。GLAPの先輩から、1年次春学期の※GPAがとても大事だというのは聞いていて、日頃の授業で自分の課題とか、授業にちゃんと出て発言することも成績評価に関係するので、なるべく自分の選択肢を増やせるように、GPAが落ちないように意識して過ごしていました。

※GPA
グレード・ポイント・アベレージの略。学生の各科目の成績を数値化し、算出する成績評価方式のこと。日本を含めた海外の大学等でも一般的に使われており、留学の際など学力を測る指標としている。

ーStudy Abroadの準備には他にも、英語の勉強や、Study Abroadでどのようなところに行こうかなど考えることもあったと思うのですが、そちらについても教えてください。

小池さん:留学先の大学選択については、情報収集がとても重要なので、時間をしっかり取って、各大学の特徴と、自分はどのようなことができるのか、どのようなことがしたいのか、ということを考えることに多くの時間を使っていました。
英語の勉強に関しては、そんなに力を入れませんでした。GLAPの授業はすべて英語で、毎日英語を使っていますし、課題や授業で使用する文献も英語が多いので、高校生時代と比べたら、圧倒的に英語へのexposureが違うので、自分自身の英語力が成長しているだろうと信じていたので、TOEFL,IELTSを受験する際、個別の対策はしなかったです。

【3つの専門分野の導入 ~大学2年生春学期~】

-1年生で大学生活に馴染み、学び方が変わっていき、という流れで、2年生での経験を聞かせてください。徐々にリベラルアーツの学びを積み上げていく中で、「Study Abroad」留学帰国後の専門分野について考えるフェーズに入ったと思うのですが、2年生では、専門分野に関する※「Global Studies Essentials」科目が3科目ありました。この科目での学びでどのようなことを感じていたかをお聞かせください。

※Global Studies Essentials
GLAPの必修科目3科目のこと。「Study Abroad」からの帰国後に体系的に学ぶ分野の選択の参考とするため、またGLAPのリベラルアーツの学びをより深めるために開講された科目群(各分野1科目、計3科目)であり、「Humanities」「Citizenship」「Business」の導入的な内容となる。

小池さん:3科目を学ぶ中で、自分がどの分野に進みたいか、具体的には「Business」か「Citizenship」かで迷いました。「Business」科目も興味深くて、例えば、ビジネスプランを考えるのは面白かったですが、考え方のフローが、自分の物事のとらえ方と違ったり、考慮するファクターが違ったりということがありました。「Citizenship」のほうが、社会と自分、自身と他者、人と何か等の関係性、繋がりがどのようになるか、ということにフォーカスしているものが多く、この分野に自分は興味があるのかな、と再確認しました。ちょうど留学先大学の履修可能科目リストがその時期に届いていて、どの科目を受講しようかという指標にもなりました。

ー3つの異なる分野を同時期に履修し、比較していくというカリキュラムは、専門分野選択に効果があったということですね。

在学時のたくさんの貴重な経験についてお話していただきました。


【Study Abroad ~大学2年生秋学期から3年生~】

-さて、専門分野を意識しつつ、2年生の秋学期からは「Study Abroad」留学が始まったわけですけれども、留学時の経験をお話してもらえますか?

小池さん:オランダの大学に留学したのですが、オランダの学生たちの勉強に対する姿勢に驚きました。
成績のつけかたもかなり厳しいと聞いていました。例えば、10段階評価の9~10の人たちは先生になってもいいレベル、7~8が優秀、6~6.5が合格ラインという位置づけでした。オランダの学生たちは、6~6.5の成績が取れれば、本当によくやった自分!と言っているくらいで。学業・研究に対する評価に厳格なラインが決まっていることを改めて認識しました。そのような環境下に、日本で勉強していた自分が入って、実際その成績評価システムにおいて成績評価をされた際、自分の興味・関心度合によって、成績が6から8の間でかなり差が生じてしまいました。大学生として求められている学びの量・質が自分の想像と大きく違っていたことに慣れるのが最初は大変で、せっかく留学したのだし、できれば良い結果を残したいという想いもあり、最初は授業の前準備とかにかなり時間をかけていました。しかし慣れてくると、効率のいいやり方を身につけられたので、留学後半の時期はだいぶ時間的にも精神的にも余裕がでてきて、大学の外のコミュニティーに参加することもできたかなと思います。

ー大学外のコミュニティーでは、どのようなことに関わっていたのですか?

小池さん:複数あって、1つは、留学先の※ライデン大学には「日本学科」というオランダの学生が日本に関して学ぶ学科があるのですが、そこで日本語のクラスのアシスタントとして、会話の授業のお手伝いをしていました。そこで日本に興味のある学生と交流を持ったりしました。
もう1つは、寮内での交流でした。住んでいた場所がstudent dormで、共有キッチンがあって、そこで出会った人と、色んな国の料理を作ってみたり食べてみたりして、せっかくヨーロッパにいるので、ヨーロッパ中から来た人と、それぞれの国に関する話をしました。

※GLAPの留学先であるライデン・ユニバーシティ・カレッジは、ライデン大学が開講した、英語でリベラルアーツを学ぶコースで、ここでの「日本学科」は、ライデン大学本体の学科のことを指します。

ー日本について改めて意識したり考えたりする機会がたくさんあったのだと思います。交換留学生としてオランダに行ったことで、日本に対する見方や考え方が何か変わったりはしましたか?

小池さん:海外に行って思ったのは、日本は様々な制度が他の国と比較してもかなり整っていて、治安もいいし、そういうことを当然海外の人も知っているかと思っていましたが、全く知ってもらえていませんでした。これは日本の、自己主張が強くないという国民性もあると思います。私自身が日本の良いところ、整っていることを説明したりという機会も多かったのですが、理解してもらえないこともあり、自分の理解不足、知識不足を悔んだり、日本についてもっと調べてきたら良かったと思いました。
自分がこれまで交流してきた外国の方は、日本に来ている留学生だったり日本に住んでいる人なので、当然日本のことについて知っていたり、興味がある人なので、会話は弾むんですけど、留学先で日本に特に関心がない人と日本について話しても、自分が思っていたより日本は意識されていなかったり、存在が薄いという印象がありました。
どのような機会ややり方であれば、日本が国際的な文化や社会を持っている国だということを、今以上に知ってもらえるのかな、ということは、帰国してずいぶん経つ今でも考えています。

(後編に続く)