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インタビュー初体験!〜学生インターンがサービスデザインのワークショップで感じたこと〜
少しずつ涼しくなり、秋を感じる季節になってきましたね。
今回の記事は、グラグリッドのインターンに参加した渡邉さんによる、ワークショップの体験記です。サービスデザインの基礎を学ぶワークショップにて、ユーザインタビューに触れ、何を感じたのか?レポートしてもらいました。
初めまして。今回の記事を執筆した、金沢美術工芸大学3年の渡邉咲希です!
私は、大学ではデザインの分野を学んでおり、現在はサービスデザインに興味があります。
遡ること今年の5月、グラグリッドの三澤さんからある企業に向けて、「インタビューのスキルアップの習得を目的としたワークショップ」が行われるとの情報をお聞きしました。
そこで今回は、サービスデザインにおいて重要なスキルのひとつである「インタビュー」について学ぶべく、このワークショップ進行のサポートをする立場で参加させていただきました。
ということで記事を通して、このワークショップで私が学んだことを皆様にお伝えできたらと思います。どうぞよろしくお願いいたします!
1.ワークショップの内容
3日間にわたるサービスデザイン基礎研修のDay2を7月6日に実施しました。
今回「Day2」では、ユーザー視点で体験を創出するためのユーザー・インタビューについて学びました!
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■ワークショップでしたこと
今回Day2のワークショップの流れは、
① インプット
・インタビューに関する基礎知識の講義
・講師によるインタビュー実演
② アウトプット
・インタビュー設計(グループワーク)
・代表者によるインタビュー実践
・実践に対するフィードバック
というものでした。
■目的
この2つのステップを経て、ユーザー視点で体験を創出するためにどのようなインタビューが効果的かを習得するということが目的でした。
■ワーク方法
①インプット
参加者の皆さんはまず、講義を通してインタビューについての知識を学びました。
②アウトプット
グループに分かれ、インタビューの設計から代表者によるインタビュー実践までを挑戦。その後、講師から実践に対するフィードバックを受けながら、インタビューへの理解を深めていきました。
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2.学んだこと
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■① テクニックが大切
【インタビューにおけるテクニックってどんなものがあるの?】
クローズドクエスチョン、とオープンクエスチョンというテクニックをインタビューにおけるテクニックの一つとして、紹介します。
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クローズド・クエスチョンは相手が「はい、いいえ」で答えれる質問の仕方のことです。
例えば、「甘いものは好きですか?」というような質問です。クローズド・クエスチョンは、相手の考えや事実を明確にしたい場面などで有効です。
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一方で、オープン・クエスチョンは相手が自由に答えられる質問の仕方です。
例えば、「どうしてコーヒーが好きなのですか?」というような質問です。オープン・クエスチョンは、相手に深く考えさせて内省を促したり、思いや考えを引き出したい場面で有効です。
【インタビューには具体的な質問方法がある!それを使いこなしていくテクニックが大事!】
これは、インタビューする立場「インタビュアー」を体験して学びました。
今回、参加者との懇親会が行われました。そこで講師の方からワークショップの応用として会場にいる全員に向けて「懇親会中に、3人から隠れた特技を会話を通して聞き出す。」というお題が出されました。
私は目標を達成するために、人々とコミュニケーションを測るも思うように会話が続かず、困惑していました。
その時、ふと今回の講師の方がワークショップのレクチャーで語っていた内容を思い出しました。それは質問の仕方にはオープン・クエスチョンとクローズド・クエスチョンがあるということです。
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そこで私は、相手への質問の大半をクローズド・クエスチョンでのみ行っていたこと気づきました。
それから、オープン・クエスチョンを意識して会話を試みました。すると相手が語る数が増え、次第に目的に近い情報を聞きだせていけたのです!
以上の出来事を通して、インタビューには具体的な質問方法が存在し、それを上手く使っていくというテクニックが重要だと感じたのです。ただ闇雲に質問すればいいというわけではないのです。
優れたインタビュアーとなるための一歩としては、まずこのテクニックを知ることでしょう。
■② 思いやりが大切
【インタビュアーが大事にすべき相手に対する思いやりとは?】
インタビューされる人「インタビュイー」の小さな反応の変化に気を配り、常に相手が発言しやすいように自分なりに考え続けること。そして柔軟に立ち回りを変えていくといった思いやりが大切だと感じました。
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例えば、仕事関係の質問をした時に、相手の顔が曇ったり声のトーンが下がったとします。まずはこの変化に気づくことがポイントです。
そして、この反応の変化から、相手は仕事関係について触れられることが嫌なのかもしれないや、慎重に解答したい内容なのかもしれないなどといったいくつかの可能性が考えられるでしょう。
そうしたら、仕事関係の質問は切り上げ、他の質問方法を検討したり、解答時間を長くとる工夫をしたりといった対応を試みるのです。
短い時間のなかで常にこのように考えて相手にとってなるべくストレスのないインタビュー空間を作る努力。これこそがインタビューには大切な思いやりだと感じました。
【インタビューには思いやりが大事!そう思ったわけは?】
これは、インタビューされる立場「インタビュイー」を体験して学びました。
参加者のインタビューの実践内容は、あるお題に対して各グループでインタビューの作戦を練り、実際にグループの代表者1人がインタビューを私にするというものでした。
3グループあったため、私は計3回インタビューを受けました。
3人の異なるインタビュアーのとのやり取りを通して、我ながら非常に興味深いことが起こりました。
それは私自身が、質問されたことだけ答えれば十分だなと感じるインタビュアーの人もいれば、この人にはもっと喋りたい、プラスで情報を伝えたいと感じるインタビュアーもいたことです。
つまり、インタビュアーによって私自身が質問に答える姿勢、そして答える際のテンションが変わったのです。
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やはり、話を積極的に聞いて広げてくれる、思い通りの返答が帰ってこなかった際も表情を曇らせることをしなかったインタビュアーに対してはとても積極的に回答したいと感じました。
これを通して、話を聞く姿勢、相手に対する思いやりを持つことが相手から情報を聞き出す上で、インタビュアーには必要なことなのだと感じました。
■③ 興味を持つことも大切
【インタビュアーが持つべき相手に対する興味とは?】
加えて質問に対する解答の裏に、相手が何を考えて、ないにを感じてるのかといったことに関して興味を持つことが大事だと感じました。
相手に対して興味がなかったら、その場の流れに臨機応変に対応し質問をしたり、柔軟に場の流れを作ることはできず、あらかじめ決めていた質問しか切り出すことができなくなるでしょう。
そうなるとインタビュアーとしては当然、焦ってしまうことでしょう。その焦りがインタビュイーに伝わってしまうと、緊張感を煽る結果となってしまいます。心地いいインタビュー空間は崩れてしまいかねません。
とはいえ興味は持ちなさいと言われて持つものではないし、持てるものでもありません。ですのでインタビュアーは、人に興味がある人に比較的向いている仕事なのかなと感じました。
3.さいごに
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今回のワークショップを通して、インタビューは普段の日常生活における人同士のコミュニケーションと似ているような気がしました。
普段のコミュニケーションをより体系化し、会話の中で突き止めたい目的があるものがインタビューなのではないかと感じました。
そのため、普段の会話の中でインタビューのテクニック(オープン/クローズド・クエスチョンなど)を盛り込んでいくこともできます。
このようにして意識して過ごすことで、インタビュアーとしてのスキルアップ向上につながって行くと思いました。
また人工知能による情報分析が進んでいる中で、相手の気持ちを汲み取りながら進めていくインタビューという行為は、感情がある人間だからこそできるものだと思います。サービスデザインでは、人間にとっての本質的な価値を見出し、デザインしていきます。その価値を支えている感情を捉えていくために、インタビューはとても重要なメソッドなんだと感じました。
暑い日が続きますが、疲れた時はアイスを食べながら2023年の夏を乗り超えましょう!最後までお読みいただきありがとうございました!
(インターン:渡邉)