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カメラマンとして成長するためにやめた6つのこと

こんにちは、タナカメです。

ウェディングフォトグラファーとして約10年、たくさんの新郎新婦様の特別な1日を撮影させていただきました。
その中で、自分自身「成長したな」と思った瞬間を振り返ると、今までやっていたことをやめた時に成長することができたと実感しています。

今回はその中でも、6つに絞ってまとめていきます。

これからウェディングフォトグラファーを目指す方や、すでに結婚式の現場を撮影しているカメラマンの方に何かしらの気づきになれば幸いです。

1. エントリー機材での撮影をやめた

会社員からフリーランスになる際、誰もが直面する悩みが機材選びです。
私も当初は予算の制約から「まずは手の届く機材から」と考え、エントリーレベルの機材でスタートしました。しかし、これは結果的に大きな遠回りとなりました。

頻繁な機材の買い替えが発生するなるだけでなく、エントリー機による撮影時の制約が表現力に大きな限界をもたらすためです。これは長期的に見ると非効率的な選択でした。

現在は、SONYの「α9ii」をメイン機とし「a7R5」をサブ機として使用しています。
確かに高額な初期投資は勇気のいる決断でしたが、この選択は私のカメラマンとしてのキャリアを大きく変えることとなりました。

タナカメが使用する機材紹介はコチラ

2. カメラ2台持ちをやめた

結婚式の撮影において、決定的な瞬間を逃さないことは最も重要な使命の一つです。
特に、チャペルでの入場シーンやファーストキスの瞬間、感動的な出席ゲストの表情、サプライズイベントの一瞬など、二度と巻き戻せない瞬間を確実に写真に残さなければなりません。

私が2台持ちから3台持ちに移行したのは、このような重要なシーンで複数の視点を同時に押さえる必要性を強く感じたからです。

そこで私は、HoldFast社(ホールドファスト)のカメラベルトを使用することで、3台のカメラを効率的に持ち運べるようになり、撮影の可能性が大きく広がりました。

カメラ3台持ち推奨派

3台体制の標準セットアップは以下の通りです。

  1. 広角レンズ(24mm F1.4単焦点)

    • 会場の空気感、全体のムード撮影用

    • 胸の前面に装着

  2. 標準レンズ(50mm)

    • 基本的な人物撮影用

    • 右脇下に配置

  3. 望遠レンズ(70-200mm)

    • 遠距離からの表情、細部撮影用

    • 左脇下に配置

タナカメおすすめのカメラベルトはコチラ

3.自然な表情を引き出すために 「笑って」という声掛けをやめた

撮影開始から1年ほどで、「笑って」という単純な声掛けが、実は写真の自然さを損なう要因になっていることに気づきました。
この気づきにより、より深いコミュニケーションを追求するようになりました。

例えば、事前の打ち合わせで得た情報をもとに撮影当日の会話を広げたり、その場の雰囲気から自然な表情を引き出したりすることで、より魅力的な写真が撮れるようになりました。

その他にも、学生時代の思い出話から自然な笑顔が生まれたり、仕事の話題から真剣な表情が引き出されたりと、一枚一枚の写真に物語が宿るようになったのです。

撮影現場でのコミュニケーションの方法や雰囲気、イメージについてはYouTubeにアップしている撮影現場の密着シリーズをご覧ください。

タナカメの撮影風景を見るならコチラ

4. 意味のある瞬間を創るため「ピース」のポーズ指示をやめた

「笑って」という声掛けをやめたことと同様に、「ピース」という安易なポーズ指示もやめることにしました。
そのかわりに、その場ならではの意味のあるポーズや、思い出に結びついた自然な表情を引き出すことを心がけています。

例えば結婚式中のゲストテーブルで写真撮影をする際には「高校時代はどんなポーズが流行っていましたか?」と問いかけることで、懐かしい思い出話に花が咲き、自然な笑顔とともに、その場ならではの一枚が生まれます。

また、職場の同僚グループであれば仕事にちなんだポーズ、家族グループであれば思い出の家族写真のポーズを再現するなど、写真に込められる意味も深くなっていきます。

結婚式当日の撮影密着動画はコチラ

5. マストカットに時間をかけすぎるのをやめた

結婚式には、必ず押さえておくべき「マストカット」があります。

テーブルごとの集合写真やケーキ入刀、親族との記念写真など、欠かすことのできない定番のショットです。以前はこれらの撮影に多くの時間を費やしていましたが、今は効率的な撮影を心がけています。

前述の通り、3台のカメラを効果的に活用しながらマストカットの質を保ちつつ、同時にその瞬間だからこそ写真に残せるプラスαの撮影をしています。

例えば、集合写真の撮影中に起きたゲスト同士の会話やノリから生まれる自然な表情や、新郎新婦の晴れ姿を見たご家族や出席ゲスト感動的な表情などもしっかりと写真に収められるようになりました。

マストカットをいかに早く撮って、プラスαの写真を残すことができるかが他カメラマンと一味違う写真を残すための秘訣だと思います。

マストカットを素早く撮ることで作り出すことができたシーンについて、以下の動画で紹介しています。

タナカメのお色直し退場の撮影【前編】

タナカメのお色直し退場の撮影【後編】

6. 「新郎新婦」という呼び方をやめた

最後にご紹介するのは、撮影技術とは異なる視点からの気づきです。

私は最初から、お客様のことを「新郎新婦」とは呼ばないように心がけてきました。

お名前で呼ばせていただくことは、一見些細なことのように思えるかもしれません。しかし、例えば新郎さんのことを「8歳で野球を始めた洋介さん」というように、打ち合わせで得た情報を組み合わせて呼びかけることでより深い関係性を築くことができます。

この姿勢は新郎新婦様だけでなく、ご両親やゲストの方々との関係性づくりにも重要な要素となっています。

タナカメの前撮り撮影風景

まとめ:より良い写真を目指して

これら6つの「やめたこと」は、すべて「より良い写真を撮るため」という目的に向かっています。

単に何かを制限するのではなく、より良い方法を見つけ出すための試行錯誤の結果だと思います。

カメラマンとして成長するということは、新しいことを学ぶ「足し算」だけでなく、時には慣れ親しんだ方法を手放す「引き算」も必要となります。

このように、私自身が学校写真やウェディングフォト、家族写真の撮影を通じて培ってきたノウハウや撮影時のエピソードなどをYoUTubeにて紹介しております。
月5〜6本(不定期で月1ライブ配信)のペースで動画更新をしておりますので、ぜひそちらもご覧いただけますと幸いです。

タナカメのYouTubeチャンネルはコチラ


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