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気軽に話しかけてもらえるアムステルダムの生活

これは人によると思いますが、私にとっては気軽に話しかけてもらえるのはメリットです。
日本にいるときは孤独でした。知り合い以外に街で声をかけるなんてことは滅多にないし、もし声をかけてくる人がいたとしても何かの勧誘かイカガワシイ商売の人でした。ですから基本話しかけられないように早足で歩くし、道行く人と目が合えば気まずくてすぐに目を逸らさなくてはいけません。人に興味を持ってはいけない感じ。これでどうやって道端で出会った男女に恋が始まると言うのでしょう。

そうです。日本の都会で誰かと話すには、コミュニティに入るかお商売をしている方に話し相手になってもらうしかありません。
急に気安く話しかけたら頭のおかしい人だと思われます。

ところが海外だと違う。
あるユーチューバーが言っていました。
日本と違って海外では突然その辺にいる人と会話が始まる。それは英語がそう言う言語だからと。

これは凄く腑に落ちます。
だいたい、日本語は長いんですよね。
ほとんどの場合は敬語を使わなきゃいけないので、挨拶だけしたくても「おはようございます」「ありがとうございました」となって、通りすがりのコンマ何秒で発するにはちょっと間延びします。英語で言うところの「Hi!」みたいな感じで「やぁ!」なんて、近代日本人は言わないですし。「まいど!」くらいな挨拶が増えればいいのに。

その点、英語やそれに近い言語は挨拶だけならとても短くてフランクです。長いとしても「Have a nice day」くらいですがそれでも短いので、エレベーターに乗り合わせたくらいでも普通に言います。

そんな感じで、話しかける敷居が低く第一声がポンと出るので、知らない人との一期一会の会話がとても多いです。
他の国は分かりませんが、アムステルダムでは私のような純日本人にもバシバシ話しかけてもらえるので楽しい。

人の持っている花束を見て「What beautiful flowers!!」とニコニコしてくれる女性。
思いっきり笑顔で「Hi! How are you?」と言って走り去る男性。
運河から引き上げられた錆びた自転車を見ながら「Terrible!」と同意を求める女性。
カフェで「あなた何食べてるの?」と聞いてくる女性。注文した後のウインク付き。

道を聞いてきたり、何かを尋ねて来る人ももちろんいます。ですので東京で携帯に齧り付いている毎日より、アムステルダムで散歩してた方が人と話す機会が多いので気分が明るくなります

あんまりこういう話をしたくはないのですが、気軽に話しかけられるが故に「お金を恵んで欲しい」とさらっと言ってくる人もいますね。こう言う人に有効な返しは、「ごめんね現金持ってないのOh sorry I don’t have any cash.」です。キャッシュレス社会のオランダなので理由として成り立つし、相手を不快にさせることなく断ることができます。よろしければお使いください。

以前、パリを歩いていた時は、話しかけてくる人には要注意でした。
英語話せますかと聞かれても相手をしちゃいけないそうです。治安の問題です。
モンマルトルで絵描きさんに「君を描かせて欲しい」なんて甘い言葉を言われたとしても。いや嬉しいけれども。

だけどアムステルダムなら多分大丈夫。
困っている人にすぐ力を貸す人たちでもあります。
杖をついている人(多分ヒスパニック系)が凍っている橋の上で止まっていたら、白人系の人が「橋を渡るまで私の腕につかまって歩きますか?」と声をかけていました。人種とか関係ないんですね。

ちょっと外れの公園の散歩道

お店や飛行機で高いところに手が届かなくて困っていると大体手伝ってもらえますし、車椅子の方に声をかけられて「あの商品をとってくれないか」と頼まれることもあります。
このように、助けて助けられて当たり前という感覚が根付いているような気がするのです。しかも全く恩着せがましくなく、さらっと挨拶のようにやってのける。

これが田舎の方だとちょっと事情が違うかもしれませんが、アムステルダムは本当に人種の坩堝ですから差別も感じませんし生きやすいです。
ただ生活する上でのコストは相当高いですので、実際には近隣の都市に住んでアムステルダムに通うというのが一番良いかもしれません。本当に、数年前ならありえない値段になっておりますわ何もかも。

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