【読書記録】陽だまりの天使たち
先日読んだ馳星周さんの『ソウルメイト』の続編『陽だまりの天使たち』を読んだ。
前作と同じように、短篇でいろんな犬種が出てくる。
犬種ごとの特徴をよく捉えて物語が進んで行く。
犬との別れのあと、新しい家族を迎えるかどうか。
これは最愛の愛犬を亡くした人たちは皆考えることだと思う。
そして、もう二度とあんな哀しい別れを経験したくないから次の犬を迎え入れない派とまた犬と過ごす人生を選ぶ派に分かれる。
実家の犬が亡くなってから、私の父はもう犬は飼わないと決めている。母はきっとまた飼いたい気持ちがあるけど、自分の年齢も考えて父の考えを受け入れているようだ。
私も、あの幸せな日々をもう一度送りたいと思う反面、いつか絶対来る辛い別れを想像すると、簡単に犬をまた家族に迎え入れたいとは思えないでいた。
でもこの本を読んで、やっぱりもう一度犬を家族に迎え入れようと心に決めた。
また同じようにたくさんの愛情を注いで、たくさんの愛情を受け取る。
後悔したこともすべて次の犬に与える。そうやって人間も成長していけばいい。
今はまだその時期ではないけど、夫と私の家族にいつか必ず魂の伴侶を迎え入れようと思う。
フレンチブルドッグの章では、名前が「ぶひ子」と付けらていて
あまりに安易でネーミングセンスのなさに笑ってしまったが、
最後には「アンズ」という可愛い名前が与えられてホッとした。
辛くて悲しい場面も出てくるが、犬が持つ人間を癒す不思議なパワーに心温まるとてもいい本だった。