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本当の強さを知った
私が妊活を始めてもうすぐ1年が経とうとしている。
ひとことでは書き切れないほど、いろんな感情や体験をしてきた。
先日、話の流れから義母とその場にいた義姉夫婦にもクリニックに通っているという話を打ち明けた。
実はずっといつ言うか悩んでいた。
義姉夫婦も不妊治療を数年されて今は双子のママ。
だからものすごく親身になってくれて本当に嬉しかったしほっとした。
身内に分かっていてもらえるだけでこんなに安心するんだ。
義姉は明るくてさっぱりした性格。
不妊治療中、「周りで、私より遅くに結婚した人がポンポン妊娠していって、ほんまなんでやねんってずっと思ってた」とか
「とにかくずっと今すぐにでも産みたいって思ってた」とか
「せっかちやから1つ目のクリニックの先生とは治療進度が合わず、転院したらすぐ体外受精進めてくれてそれがよかった」
とあけすけに体験談を話してくれた。しかも明るくポップに。
私は、友達の妊娠報告におめでとうの気持ちより先に羨ましい気持ちが出てくる自分を責めていたけれど、そんな自分の気持ちを真正面から受け止めることは案外難しくて大変なことだ。
そして「結構お金かけたけど、結果的にコスパもタイパもよかったわ~」
と笑いながら話す義姉がとてもかっこよくて、頼もしくて、前から好きだったけど大好きになった。
そしてもうひとり、私の友人も不妊治療のうえ、もうすぐ出産を控えている子がいる。
その子は「生理が来るたび、基礎体温が下るたびに毎回大泣きして、仕事も休まないといけないくらいにメンタルがきつかった」と教えてくれた。
私は、気づけばマイナスな感情を抑えて、自分の中だけに留める習慣がついていた。それは、強さなんかじゃなく、弱い自分の心を守るすべだった。
自分の気持ちに蓋をして知らん顔する方が楽で、生理がくるたび今月もダメだったと落胆することも最近は少なくなっていた。
期待や落胆に振り回されるのに疲れて、わざと鈍くなろうとしていた。
私も義姉やその子のように自分の感情にまっすぐ向き合う強さを見習いたい。
不妊治療はよく先の見えない暗いトンネルの中を進むようなものだといわれる。この1年でそれがどんなことかはよく分かった。
努力だけでどうにかなる問題でもないということも痛感した。
それでも、私には義姉や友人がいる。母も義母も優しく見守ってくれているし、旦那さんも協力してくれている。
それだけで、少し肩の力が抜け、暗いトンネルにもぽつぽつと明かりが灯り、もう少し進んでみようと思える。