尾籠な話で恐縮ですが
2歳になる息子は父親譲りの快便体質で、生まれたときから苦労ばかりしている(主に母が)。
生まれた時からと書いたが、無鉄砲なお坊ちゃまに対抗したわけではなく、本当に出生直後からである。
出産した病院でオムツ替えをする時、小のみのケースなどほぼなかった。隣で小のみのオムツを替えてもらう赤ちゃんが大人しくウゴウゴしている横で、ただでさえ不器用なうえ新生児のふにゃふにゃな体に四苦八苦している母に執拗に尻を拭かれて、息子はよく顔を真っ赤にして泣いた。時々、泣いた勢いで腹に力が入るのか、腸に装填されたばかりのホヤホヤを新しいオムツにお見舞いして、母を容赦なくオムツ替え地獄に蹴落とした。ミルクを飲まないことはなかったし体重も増えたのでよかったが、飲んだら飲んだだけ出た。「そんなに出さんでもいい」と助産師から真顔で言われた。しかも複数名に。
今でこそ多くて1日数回に落ち着き時々便秘もするが、新生児期は快便すぎて心配だった。私はどちらかというと便秘体質で、毎朝の規則的な排便などツチノコと同列の都市伝説だと信じて疑わなかったので尚更だった。夫が「コレ俺似」と言わなければ病院を梯子していたかもしれない。
退院後、当時アプリで諸々を記録していたのだが、あまりに回数が多く量も一定でないので、状況の把握に困った。夫が替えると多い少ないの判断もブレるので尚更だ。
このままでは健診で正常か聞こうにも量の把握と説明が難しいということで、単位を導入する運びになった。
協議の末、「1回分🟰1ブリット」が採用された。大体1ブリットは大人の掌ぐらいとした。
単位と言うのはとても便利で、途端にやり取りが円滑になった。口頭で、電話で、LINEで、「1ブリット」「2.5ブリット」「6ブリット出て決壊」など架空の単位は乱れ飛んだ。たまに「計測不能」も出現した。
実家の母が手伝ってくれる時も、共通の単位があると情報共有が非常にスムーズだった。困っている方、参考にされたし。
医者にかかる時も便利だった。単位で管理すると、数日の総量の推移は自然に頭に入っている。幸運にも、口が滑って医者の前で「ブ…」と言い出すこともなかった。
困ることと言ったら、今でもスマホで「ブ」と入れると筆頭に「ブリット」が出てくることぐらいだ。私用の端末だからいいものの、仕事のパソコンで誤変換しようものなら「何ですかソレ」と訝しげな顔をされるに違いない。
最近朝井リョウ氏のエッセイを読んだら、多便(造語)の朝井氏も単位を用いていた。一気に親近感が湧いた。
しかしながら、痔瘻で大変な苦労をなさったとのことなので、息子はそうならぬよう肛門の健康維持に努めねばと、母としては危機感も感じた次第である。