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あの頃の君? 第9話
2人は体育館を後にし、スタジオルームやレッスンルームがある棟とは反対側にある棟へとやってきた。
森田「まずあっちから行こうか」
桜が森田についていくと何かいい匂いが…
桜「なんかいい匂いするね」
森田「うん、今日誰かが活動してるみたい」
桜「料理部みたいな?」
森田「なんか正式には料理同好会みたいな感じらしいよ。食材とかは自腹だし、料理とかお菓子作り好きな人が兼部してたまに来るらしい」
桜「へぇ〜」
コンコン…森田はノックをして扉を開ける。
森田「失礼しまーす」
??「あ、森田さんこんにちは!」
森田「麗奈ちゃんお菓子作り?」
小田倉「は〜い、フロランタン作ってるんですよ。食べます?」
森田「やった、いただきまーす」
小田倉「どうですか?」
森田「んまい」
小田倉「やった〜!今回も成功です!」
桜「………」
小田倉「あ、ごめんなさい。はじめましてですよね」
桜「そうだね、僕桜咲音っていいます」
小田倉「小田倉麗奈です!桜さんも食べますか?」
桜「いただこうかな」
桜「うまっ」
小田倉「やった〜!」
森田「フロランタンは麗奈ちゃんの十八番だからね」
桜「すごいね、また今度こようかな」
小田倉「いいですよ、またちがうの作ってる時ぜひ来てください!」
森田「麗奈ちゃんごちそうさま!またね〜」
桜「ごちそうさま」
小田倉「は〜い、また来てくださ〜い!」
2人は調理室を後にすると、階段を上るとようやく最後の部活の場所についた。
森田「じゃーん!ここが私が所属してる美術部だよ〜」
桜「なにその紹介笑」
??「森田さんやっときましたね!」
??「ひかるちゃん遅かったな〜」
??「るんさん待ってましたよ!」
森田「的野、みいさん、向井ちゃんお待たせ」
桜「どうも」
森田「みんなに紹介するね、美術部体験に来てくれた転校生の桜咲音くん」
桜「え、体験ってちょっと…」
小池「え!そうなんや!こっちおいで〜」
的野「どうぞどうぞ」
向井「仲間が増えて嬉しいです!」
森田「ほらほら、入って入って〜」
4人の勢いに負け、桜は仕方なく席に着く。
桜「はぁ😔」
森田「こらこら、ため息つかない」
小池「桜くんは絵好きなん?」
桜「わからないです、というかほとんど描いたことないです」
向井「じゃあじゃあ!好きな動物とかいますか?」
桜「うん、猫だけど。関係ある?笑」
向井「もう!ありますよ!好きなもの描けばいいんですもん!」
的野「じゃあ好きなアニメとかはありますか?」
桜「んー、ワンピース、呪術廻戦、ハイキューかな〜?」
的野「それなら好きなアニメのイラストなんかもいいですよ!」
森田「みんな桜くんが困ってるよ笑」
桜「それ森田さんが言う?」
森田「あ、バレたか笑」
会話をしながらもみんなは絵を描き始める。
森田「とりあえず今日はここに居てよ、ね?」
桜「わかったよ、でも話すだけで絵は描かないよ」
桜は仕方なく美術室でみんなの描いてる絵を見たり話したりしながら時間を潰すことにした。
桜「へぇ〜、美術部なんとかこの4人で保ってる感じなんだ」
森田「担当の椎田先生がなんとかしてくれたの」
桜は4人から美術部の現状についていろんな話を聞いた。
小池「桜くん、絵はできなくてもいいの。好きな時間にここに暇つぶしに来るだけでもいいからお願い」
小池は突然絵を描く手を止めると桜に向き合って真面目な顔でそう言った。
的野・向井「お願いします!」
森田「みんなこの空間が好きなの、だからせめて考えるだけでもお願い」
みんなに頭を下げられ桜は困惑する。
桜「わ、わかった、わかったからみんなそんなことしないで」
森田「ほんと?ありがとう」
桜(困ったな)
向井「あ!もう時間ですよ、急いで片付けましょ!」
そうしてみんな片付けを終え、5人揃って学校を出てそれぞれの帰路に着く。
向井「じゃあ私たちこっちなので!」
的野「また明日!」
小池「また明日な〜」
森田「うん、みんなばいば〜い!」
桜「👋」
森田「じゃあ私たちも帰ろっか」
桜「うん、行こう」
森田「桜くんもこっち方面だったんだね」
桜「森田さんもだったんだね」
森田「桜くんの家ってあっちにある神社より向こう?」
桜「そうだよ、森田さんは?」
森田「私は手前」
森田と桜は転校初日どうだったか気になる部活はあったかなど、今日の出来事の話をしながら歩いていた。
気がつくともう森田の家が近づいてきていた。
森田「あ、もう着いた…じゃあうちここだから」
桜「うん、今日はありがとう」
森田「いえいえ、気をつけて帰ってね」
桜「また明日」
森田「うん、また明日」
桜は森田と別れると部活のことについて考えながら帰った。
続く……