あの頃の君? 第10話
1週間後…
桜は今日もどの部活にするか悩みながら登校していた。
桜(自分がここまで優柔不断だったとは…)
悩みながら通学路を歩いていると見覚えのある人を見つける。
桜「あ…」
的野「あ…」
一瞬目があったと思ったが的野はすぐ目を逸らして学校とは別の方向へ歩き出した。
桜「的野さん、そっち学校ないよ?」
的野「あ、はい…そうですね」
桜「学校行かないの?」
的野「行きます…」
2人きりが気まずいのか、的野は黙り込んで少し下を向いたまま歩いている。
的野「あの…えっと…」
桜「無理して話さなくてもいいよ。まだ1週間前はじめて会ったばっかだもんね」
的野「はい、すみません」
桜「わかるよ、2人ってちょっと気まずい感じあるよね」
的野「私すぐ遠慮とか人見知りとかしちゃうんです」
桜「そっか」
しばらく沈黙が続くが桜が再び口を開く
桜「そういえば的野さんこの前アニメのこと聞いてきたけど、的野さんの好きなものって何?」
的野「え、えっと…ラーメン、サーモン、プーさん、アイドルですかね」
桜「だからプーさんのストラップつけてるんだ」
的野「はい、これはお母さんが買ってくれて」
桜「ふーん、じゃあいま1番ハマってるものは?」
的野「いまはあの方の追っかけです」
桜「あの方?」
的野「3年の小林由依さんです!」
的野は急にテンションが上がる。
桜「え?あの小林さん?」
的野「この学校に来て由依さんを見かけてから一目惚れです!」
桜「そ、そうなんだ…笑」
桜は推しの話をする的野の勢いにいつのまにか呑まれていた。
すると後ろから
石森「美青ちゃ〜ん!おはよ!」
中嶋「美青おはよ〜」
的野「璃花、ゆーづおはよ」
勢いよく抱きついてきた石森の頭を撫でる的野。
石森「🫣」
中嶋「美青かっこいい〜」
的野「なに言ってんの笑」
桜(的野イケメンだな)
石森「あ!そうだ!今日は早めに来てねって愛季が言ってたの思い出した!早く行かないと!」
中嶋「そうだったね、美青急ご!」
的野「わかったよ〜、桜先輩バイバイ👋」
桜「はーい」
遠慮がちに手を振って走り出す的野たちの後ろ姿を見てゆっくり歩く桜。
桜(前もそうだったけど、的野って仲良い子といるときは割と普通に話してるな)
学校に着き教室へ向かう途中、桜は沢辺先生に声をかけられる。
沢辺「おう、桜。もう部活決まったか?」
桜「実はまだ決まってなくて…」
沢辺「今日までに決めないとだぞ?」
桜「わかってます。今日の放課後まで待ってくれませんか?」
沢辺「わかった」
桜「ありがとうございます」
ガラガラ…
森田「桜くんおはよう」
桜「おはよう」
森田「部活決まりそう?」
桜「んーまだ悩み中」
森田「そっか…」
桜の返答に森田は少し不安そうな顔をしていた。
続く……