
投資初心者‼️注意⚠️投資詐欺⚠️その4
第4章:フリッチクエストの勧誘
「もぐるさん、現金200万円を持ってきてください。」
松本のこの一言が、僕の中で警戒心をさらに強くさせた。
「現金200万円?」
普通、投資なら銀行振込やクレジット決済があるはずだ。それなのに、「現金で持ってこい」と言うのはどう考えても怪しい。
僕は、あえてその場で質問をぶつけてみることにした。
なぜ現金?怪しすぎる取引方法
「普通、投資って銀行振込とか使うんじゃないんですか?」
松本は一瞬、言葉に詰まったが、すぐに営業スマイルを取り戻した。
「いや、確かにそうなんですが…、ほら、日本の銀行って色々と厳しくなってるじゃないですか?」
「最近、マネーロンダリング対策が強化されてるんですよ。」
「だから、海外投資は現金取引のほうがスムーズなんです。」
「それに、現金のほうが手数料もかからないし、お得ですよ!」
僕は内心、「こいつ、めちゃくちゃなことを言ってるな…」と思った。
銀行振込が「厳しくなってる」というのは、むしろ安全性が確保されているからこそだ。
詐欺組織が捕まらないように「現金のみ」を要求するのは典型的な手口だ。
僕は一歩引いて、このやり取りを見つめることにした。
「毎日50万円ずつ下ろせば、すぐ集まりますよ!」
「でも、200万円って、そんな簡単に現金で用意できるものじゃないですよね?」
僕がそう言うと、松本はにっこり笑って答えた。
「大丈夫です! ATMで毎日50万円ずつ下ろせば、4日で200万円揃いますよ!」
僕は、この言葉を聞いて確信した。
「こいつ、完全に詐欺師だ。」
まともな投資会社が、こんなことを言うわけがない。
そもそも、銀行は最近の振り込め詐欺対策のため、一日に引き出せる金額に制限をかけている。
それを知っているからこそ、詐欺師は「毎日少しずつ下ろさせる」ことで、銀行側に怪しまれないようにしているのだ。
僕はできるだけ表情を変えずに、「なるほど」とうなずいてみせた。
「この話、降りるわ。」
この時点で、僕の中で決断は固まっていた。
「この投資には絶対に手を出さない。」
しかし、ここで気になったのは中井くんのことだった。
「そういえば、中井くんはこの投資、いくらやってるの?」
僕が何気なく尋ねると、彼は少し得意げな表情でスマホを取り出した。
「これ、見てよ!」
画面には、フリッチクエストの投資管理画面が映し出されていた。
そこに表示されていたのは、2,700万円という数字。
投資の実態:現金を受け取っていない?
「えっ、2,700万!?」
「でも、それって元本はいくら?」
「うん、最初に2,000万円入れたんだ。」
僕は言葉を失った。
2,000万円もの大金を、こんな怪しい投資に突っ込んでしまっていたとは…。
「で、実際に配当はもう受け取ってるの?」
「いや、まだ引き出してないよ。」
僕は心の中で叫びたくなった。
「それ、ただの数字だぞ!!!」
詐欺の真実:ただの数字に騙される人々
中井くんのスマホに表示されていた「2,700万円」という数字は、フリッチクエストのシステム上の表示に過ぎない。
実際に銀行口座に振り込まれたわけではない。
詐欺の手口としてよくあるのが、被害者に「利益が出ている」と思わせるための偽の管理画面を作ることだ。
中井くんは、実際には1円も受け取っていないのに、数字だけを見て「儲かっている」と錯覚してしまっていた。
「おもてなし会」が怪しすぎる
さらに話を聞くと、フリッチクエストでは定期的に**「おもてなし会」**というパーティーが開催されているという。
「有名人も来るんだよ! 手相芸人の島田○平とか、実業家のホリエ○ンも来たことがあるらしい!」
中井くんは興奮気味に話す。
この時、僕はすぐに気づいた。
「詐欺師は、有名人を利用する。」
詐欺グループは、芸能人やインフルエンサーを利用して**「信用できる会社」**のように見せかけることが多い。
しかし、実際には芸能人たちは「単なるイベント出演」だったり、「お金をもらってスピーチをしただけ」だったりする。
投資商品そのものをチェックしているわけではない。
僕の最終決断
松本は、最後にこう言った。
「もぐるさんなら、何口投資できますか?」
僕は静かに答えた。
「いや、この話、降りるわ。」
「え? そんなにすぐ決めなくても…。」
「うん、ちょっと調べてみたんだけどさ、やっぱり怪しいから。」
松本の表情が変わった。
「いやいや、そんなこと言わずに! せっかくのチャンスですよ?」
僕は苦笑しながら答えた。
「ごめん、俺は騙されるのが嫌いなんだよね。」
次回予告:「第5章:詐欺の手口の詳細」
フリッチクエストの手口は、典型的なポンジ・スキームだった。
しかし、なぜこんなに多くの人が騙されてしまうのか?
次回、第5章では、詐欺の具体的な手口を徹底解説する!
第4章まとめ
✔ フリッチクエストは現金200万円の持参を要求
✔ 銀行振込を避ける → 記録を残さない手口
✔ 「数字だけの利益」で投資家を洗脳する
✔ 「おもてなし会」で有名人を利用して信用を得る
✔ 僕はついに「投資を降りる」と決断