「Gekkeikan Studio no.1」 香りのヒミツ
Gekkeikan Studioの研究開発担当です。
前回リポートしました対面試飲の際や、私が個人的に「no.1」を友人や親戚に振舞った際によくいただく質問として、「なんでこんなに香り高いの?」というようなものがあります。
そこで今回はこのお酒の香りが高い理由について少し書きたいと思います。
この香りはどこからくる?
「no.1」のメロンのような豊潤でフルーティな香り。一体どこから来るのでしょうか?早速答えを言ってしまいますと「酵母がお米から作っている」のです。100%お米由来です。前のnoteにも書きましたが「日本酒」には果汁や香料を入れることはできません。
お酒は簡単に言えば、お米の甘味を麹が引き出し、その甘味を酵母がアルコールに変えることでできています(並行複発酵と言います)。この時、酵母がアルコールと一緒にいろんな香り成分を作り、これが日本酒のフルーティな香りのもとになっています。使う酵母の個性によって、出てくる香りの種類も、強さも、さまざまです。
月桂冠の研究所が「もっとフルーティな香りを出せる酵母はいないか?」と選抜に選抜を重ね、何万もの候補から選びぬいたのが、今回の「no.1」に使われている独自酵母です。
新世代酵母でのお酒造り
新世代酵母でのお酒造り酵母が見つかれば、すぐにお酒ができるというものではありません。
この独自酵母、本気を出せばものすごい香りを出せる反面、寒さにすごく弱いという、尖った個性の持ち主でした。酵母によい香りを作らせるためには、10℃以下という冷蔵庫のような環境を用意して、頑張らせるのが酒造りの常識なのですが、この酵母はそれをやると厳しい環境に耐えかね、頑張らなくなってしまいます。
そこで小さいサイズでの発酵テストを重ね、醸造担当の方々との相談を繰り返しました。特殊な酵母で使いこなすのに大変苦労しましたが、ようやくこの酵母の特性を生かしたお酒造りができるようになり、今回の「no.1」開発に漕ぎつけることができました。
今回はプロトタイプとしての発売ですが、お客様の声を元にブラッシュアップしていくことで、もっと面白いものが生み出せるはずと思っています。興味があれば是非、一度お試しください(「月桂冠オンラインショップ本店」と「月桂冠大倉記念館」にて、数量限定で販売中です。お早めに!)。
▼オンラインショップでのご購入はこちら
製品をお買い上げいただいた方には、今回のプロジェクトにご意見、ご感想をお寄せいただくためのアンケートをお送りしています(オンラインショップで購入された方にはメールで、大倉記念館で購入された方にはQRコード入りの用紙をお渡ししています)。
大倉記念館の試飲コーナーに貼ってあるポスターにもQRコードを掲載していますので、Gekkeikan Studioを体験いただいたあとは是非ご意見をお聞かせください。
ここからどんな未来の日本酒が造れるか、皆様と一緒に考えていけたら幸いです。
▼月桂冠 大倉記念館
▼「Gekkeikan Studio」プロジェクトページ